四話 僕のいつもと違う休日
土曜日。
朝、僕はベットで目を覚ます。
「君達の言葉で、おはよう。今日はいつもより遅いね」
笑顔の美少女に迎えられる。
手を液状化させ、変形させていた。
「おはよう、、うーん」
瞬きをする。
頭が、ぼーっとしていた。
いつもの朝だ。
「朝ごはん、、いる?」
「もう、平気だ。君。すでに自給自足が出来る。君に用意してもらう必要はない」
美少女の液状化した腕が、伸びてくる。
それに、包み込まれた。
「また寝るといい。疲れたのなら、よく休むべきだ」
生暖かい温度になった腕。
気持ちが良かった。
僕の意識が薄れていく。
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「二度目だ。おはよう。料理を試してみた。どうかな。君」
目が覚める。
美味しい匂いが、した。
寝ぼけ目で、匂いの方角を見る。
机の上に、名状しがたき物体が置かれていた。
液体なのか、固体なのかよく分からない物体が。
「美味しそう、、顔洗ってくる、、」
洗面台に行き。
顔を洗い、うがいをし。
髪を整える。
またリビングに戻ってきた。
そこには、謎の物体がある。
「是非、食べてくれ。君の疲れた体に合う成分にしてある」
「あ、え、、あ、なんだこれ」
目が完全に覚めた。
皿にも乗っている、謎の物体を認識する。
「君達にとって、不味くはないはずだ。食べてみてくれ」
美少女は片手を液状化させ、変形させる。
笑顔でもあった。
「え、あ、はい」
僕は、恐る恐る手を伸ばす。
持ってみた。
本当に良い匂いが、鼻に広がる。
美味しそうで、未知でもあって。
いつの間にか、口に入れていた。
「美味しい、、」
旨みや塩見、苦味が、舌に押し寄せる。
それを噛んで、飲み込む。
つい、全部食べてしまった。
「美味しかったようだ。それは良かった」
笑顔の美少女。
そう、呟く。
僕の腹は、これで満たされていた。
◾️◾️◾️◾️◾️
勉強机に座って、本を読む。
予習も復習も、さっき終わった。
退屈だが、静かな休みの日。
『縺薙■繧峨?∝?蝗帑ク我コ比ク?屁荵昜ク峨?∬◇縺薙∴縺セ縺吶°』
そんな中で、美少女は踊る。
これは比喩表現だけど。
体の一部だけを変形させ、ぐにゃぐにゃさせる。
『謨第抄繧呈アゅa縺セ縺吶?ゅ%縺。繧峨?∝屁荳牙?莠比ケ昜ク牙?荵』
更に小さな声で、聞き取れない音を発す。
未知の行動に、僕は怖さも感じた。
でも、ワクワクもする。
「なにをしてるの?それ」
「蜈ュ莠懃噪隲冶??ゥ滓「ー逧?ゥコ髢馴悚蜍慕函貅を試しているんだ。君達の言葉では表現しきれないかな」
「えー。そんなの」
また美少女は踊り出す。
その口角は少し上がっていた。
これも、何でかな。
「どんな意味だろ」
踊りを、僕は見る。
刺激的、だった。
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夕食の時間帯。
狭いキッチンで、二人身を寄せ合う。
「君の食糧の原料。出来たよ。二個の円形」
笑顔の美少女が、二つのハンバーグのタネを僕に渡す。
僕はそれを、フライパンで焼き始める
ジュージューと、肉の焼ける音が、狭い部屋に響く。
いい匂いも充満する。
「そして、君は蓋を閉じる、と。食糧の加工には、様々な方法があるようだね」
僕は蓋を閉じ、ハンバーグを見る。
美少女は笑顔で、また手を変形させた。
「完成!美味しそう!食べよう!」
暫くし、焼けたハンバーグを二つの皿に分け、運ぶ。
脇には、焼いたにんじんやブロッコリーも置いてある。
「いたっだきまーす!おいしい!」
今日は、少し豪勢だ。
美少女が来て、二度目の休日。
僕の好物を作った。
バクバク、食べてしまう。
「はべないの?嫌いだった?」
だが、美少女は口をつけない。
塩もソースも、美少女のには付けていなかった。
美少女が苦手な、塩っぽさはないと思う。
「一口、貰おう。残りはいい。もう必要分の栄養はとってしまった。君にあげよう」
液状化した手で、一口分ハンバーグが切り取られる。
残りが、僕に渡された。
「….やった!美味しい!」
腹が減っていたので、食べてしまう。
味は少し、薄かった。
が、美味しい。
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電灯を消す。
僕はベットに寝転ぶ。
近くの窓からは、月明かりが差し込んだ。
「君達の言葉で、おやすみ。明日もよく休むといい」
薄暗い中、美少女は笑顔だった。
手も変形させている。
「おやすみ、、」
普段の休日と違って、僕は、ちょっとだけ疲れていた。
頭を何かに撫でられる感触もあって、僕の意識はすぐ抜けていく。