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2023年7月8日6時59分マイルームにて。

作者: 石田文貴

どうもです。

 私は捨てられたのだ。


 あの人に。


 そんな夢ばかりを見る。はっきり言って悪夢だ。なぜ捨てられた?私の何が悪かった?そんな疑問ばかりが頭のなかで暴れ、否が応でも目が醒める。なんとも心地の悪い寝起きなんだろう。


 しかし起きたところで何もすることなどない。今日は休みだ。何をして今日一日をこなそうか。

 正直やりたいことなどない。何もしたくない。とりあえず寝転びたい。

 

 ということでフローリングの床にだらっと身体を倒してみる。冷たい。気持ちいい。

 しばらく同じところをずっと眺める。なんか今日のマイルームは曇り空だな。雨雲の影が目の前に広がる。悲しい。


 こんな悲しい世界をみるのはやめにして、鮮やかな世界でもみよう!と、いうことで、ごみ箱に捨てたスマートフォンを汚いごみの中から救いあげる。ごめんね、一晩こんなところにぶち込んじゃってね。私はこのような哀れな人に寄り添える人でありたい。


 電源ボタンを長押しして立ち上げる。相変わらず起動時間が長い。じれったいなあ。

 眩しくなった。窓の先に見える景色に意識を向ける。マイルームと外は別世界だと思ってた。なんだ、一続きだったんじゃないか。外にも雨雲が見える。大衆に涙を降らそうとしている、バカなのかな。


 私は泣きたい。とても泣きたい。今すぐにでもゲリラ豪雨を降らせてやりたい。だが踏みとどまる。私はまだそんなバカ者には成り下がってない。今は快晴を邪魔する羊雲である。ごめんなさい。


 そんな私に大雨を降らせる奴がいた。

 彼はこう言う。

「己を邪魔者という奴、粘着質で大層気分が悪く成りけり。」

 なんとも。

 雨に刺された。血が止まらない。止血剤を探しまわる。どれも私の身体に合わないのか、血をとめる役割を果たしてくれない。残念。世界は狭い。

 

 窓の外に止血剤を求めたのが間違っていたのだ。愚かなことに時間を費やしたな。


 またマイルームのとある一点を眺める。どのくらい経っただろうか。ふとカーテンを開ける。


 よし、散歩に出かけよう。

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