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新たな冒険者の話

お待たせしました!

外伝2スタートです!!

「リベさん、本当に申し訳ございません」

「ああ、構わないさ。家の都合なら仕方ない」


 冒険当日、日用品と食料を詰めた荷物を背負い、お腹が大きくなってきたアンネとなぜか家の中にいるナノと別れの挨拶をした直後に白魔導士が訪ねてきた。

 白魔導士が俺の家に訪ねてきたのは、自身が家庭の事情で旅に出れなくなってしまったからだという。彼女の兄に不倫疑惑がかかっているらしく、第三者として事情を聴きにいかなくてはいけないという。


「申し訳ないのですが、アスさんとサクジさんに私が冒険へ行けないこと、伝えていただけいないでしょうか」

「ああ。わかった。冒険者協会に依頼を中断することも伝えてくるぞ」

「はい。色々お願いします」


 白魔導士がかけてしまっては、冒険はできない。

 前のメンバーであれば問題なかったのだが、戦士と魔法使いは経験が浅い。今回は二人に冒険の中止を告げ、冒険者協会に依頼の中断を申し入れてこなくては。


「なら、アモールを連れて行くといいの!」

「アモール様……、ですか?」


 俺と白魔導士の話にナノが割り込んできた。


「ちょっと、待ってるの。今、アモールを呼んでくるの!」

「お、おい! ナノ!!」

「……行ってしまわれましたね」


 俺たちに提案をするなり、ナノは寝室へ向かった。”移動の秘術”を使ったのだろう。

 なぜアモールを呼ぶのか理由を聞こうと思ったのに、話しかける間もなかった。

 白魔導士はぽかんとした顔で寝室を見ている。


「アモール様はリベさんの家に泊まっていたのですか?」

「え、ええ! ナノちゃんと一緒に泊まっていたのよ」


 白魔導士の疑問にアンネがごまかした。白魔導士はムーヴ族の”移動の秘術”を知らない。「アモールを呼んでくる」と寝室へ向かったら、アモールが寝室にいると考えてもおかしくない。

 ナノは俺が久しぶりの冒険に出ることを楽しみにしていたから、それを中止にさせないように気を使ってくれたのだろうが、移動の秘術を使うタイミングについて一言注意したほうがいいな。


「では、私は兄の家に向かいますので」

「ああ。気をつけてな」


 白魔導士が俺の家を出た。ナノのことをごまかせてよかったと、俺とアンネは安堵のため息をついた。

 少し時間が経った。そろそろアスとサクジの元へ向かわなくては約束の時間に遅刻してしまう。


「ナノちゃんとアモールさんはムーヴ族ですから。先に行っても問題ないと思いますよ」

「……そうだな」

「アモール連れてきたの!!」


 ナノとアモールを残して出発しようと扉を開ける直後、ナノとアモールが寝室から出てきた。


「サクジ様とお泊りできると聞きました! 店長、本当ですの!?」

「……俺とアスもついてくるんだが」

「そうですか……、でも構いませんわ。店長に力を貸しましょう」

「あからさまにがっかりしないでくれよ」


 いつもの服装よりも動きやすいものを身に着けているアモールは、リベの隣に立った。


「それじゃあ、ナノ、行ってくるわね」

「あ、リベにべたべた触るな! リベ、あとで様子をこっそり見に行くの!」


 俺の腕にやわらかい感触がする。アモールが俺の腕を抱きしめたようだ。その様子を見たナノは珍しく口調を崩し、怒った。

 アモールはナノの反応を見て笑うと、俺を解放した。


「では、店長、よろしくおねがいしますね」

「ああ」


 俺のパーティに白魔導士が抜け、アモールが加わった。

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