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白魔導士にお願いをされる話

「見つけましたよ」


 『ライン』低評価事件が解決して二か月が経った。

 黒魔導士の評価もあってか、客の入りが止まらず、人手が足りていない状況だ。

 新たな従業員を……、といってもあそこの店はムーヴ族が経営している店だからバイトを入れるのも難しい。

 『ライン』の休業日、俺はそんなことを考えながらガネの町を歩いていた。

 後ろから女の声がする。

 聞き覚えもある。


「……シロフォンか」


 以前の冒険仲間、白魔導士だ。

 振り返ると、少しふくよかになった白魔導士がいた。


「リベさん、お話があります」


 真摯な表情で白魔導士が言った。


「断る」


 俺は白魔導士の誘いを断った。彼女の話を聞かずとも、用件がなんとなく分かるからだ。

 白魔導士は立ち去ろうとする俺の肩を掴んだ。やっぱり、帰してはくれないよな。


「パーティに戻ってきてください! お願いします!!」

「嫌だ」

「レビーさんが嫌なら別のパーティを組みます。ですから冒険者に戻ってください!!」


 やっぱり、話題はこれか。

 白魔導士は俺に冒険者に戻ってくれと懇願してきた。

 だが、俺は『ライン』の店長として新たな道を歩んでいる。

 収入だって、冒険者をやっていた頃よりも安定しており、売り上げ次第ではそれよりも高い。

 妻と一緒に過ごす時間だって増えた。そろそろ子どもを作ろうかと考えていたところなのに。

 そんな俺に冒険者に戻れと。


「おねがいします~!!」


 街中で泣きつかれては、注目が俺に集まる。

 くそ、人通りがない所だったら「もう遅い」と告げて、白魔導士の要求を無視したというのに。


「……分かった」


 こうして俺は『ライン』の店長から冒険者に戻ることになった。



「――ということでな、しばらく店に来れない」

「嫌なの!」


 開店前、俺は事情を話した。

 ナノはすぐさま反対した。

 マクロとネズミも苦い顔をしている。

 店が忙しいというのに、働き手が一人抜けるのは大きな痛手だ。


「助っ人としてアンネを呼んである。俺がやっていた仕事はアンネに任せて――」

「なんでリベを捨てた人のお願い聞いちゃうの! おかしいの!!」

「……あいつには一つ借りがあるんだ」


 ナッツ野郎に冤罪を掛けられてボコボコにされたとき、白魔導士は俺に回復薬をくれた。

 あれが無ければ、ナノを魔物から助け出せなかった。

 ガネの町へ生きて帰れたかどうかも怪しい。


「冒険に加わるのは一度だけだとシロフォンにも伝えている。借りを返すだけだ」

「そういうことでしたら、僕は止めません」


 マクロが俺の行動に賛同してくれた。


「お気を付けて」

「マクロ、アリガトウ」


 くらっと眩暈がきた。すぐに平常へ戻る。


「勝手にしろなの! いーだっ」


 ナノは俺の行動に最後まで反対した。


次話は明日投稿します。

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