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店に客が来ない理由2

 俺はガネの町を歩いていた。

 『ライン』は宣伝・広報に弱い。

 そうマクロに聞いたので、他の店がどのように広報しているのか勉強しに来たのだ。

 着いたのは本屋。


「えーっと、あったあった」


 月間のグルメ雑誌。

 俺はそれを一冊買った。

 近場の喫茶店へ向かい、アイスコスタを注文して席に着いた。

 一息ついたところで雑誌を開く。

 注目の店、老舗、新店舗。

 ページをめくるごとにガネの町の飲食店の情報が書いてある。


「お、『ライン』だ」


 ラインの記事を見つけた。

 それを見た俺は、物音を立て席から立ち上がった。そのせいでコップが割れた。

 パリンという音で、俺は我に返った。注目を集めてしまい、恥ずかしい。



 『ライン』営業日。

 俺はいつもより早く出勤した。


「リベ、今日も稼ぐの!」

「その前に話がある。皆集まってくれ」


 俺はナノ、マクロ、ネズミ、『ライン』の全従業員を集めた。

 皆に雑誌のあるページをみせた。


「お店が取り上げられてるの!」


 『ライン』について取り上げられていた。

 問題なのは”内容”だ。

 悪い評判が書かれている。評価は星一つ。最大評価は星五つだ。


『客は可愛い女の子目当てで来店している。

 接客以外はいまいち。

 ワインの品数だけは豊富。ワイン好きにはおすすめ』


「誰なの! こんな記事書いたの!!」


 記事を読んだナノは怒りに任せて雑誌を破った。彼女はそれを店内にばらまいた。

 マクロは姉が散らかしたものを片付ける。


「これ有名なグルメ誌の記事なんだ。また、客が来なくなるかもしれない」

「……そうですね」


 俺の懸念通り、この雑誌が発売された日を期に来店客が少なくなった。

 原因は言わずもがな、あのグルメ誌だ。

 繁盛させるためには、雑誌の評価を覆すしかない。方法としては広報だ。


「店の評価を取り戻すには……」


 店長である俺は、店の良いところを書き出し、宣伝方法を考えていた。

 別の紙には店を繁盛させるアイディアが書かれている。


「リベ、無茶しないの。あんな評判すぐに無くなるの。そうしたらお客さん戻って来るの!」


 接客の手が空いたナノが励ましに来る。

 ナノの気遣いには感謝するが、ナノたちは”アリガトウ”が、俺には生活が懸かっている。


「別の町のお仕事があるから、リベの生活は守れるの」

「ありがとう、ナノ」


 ナノの言う通り、この店はムーブ族の秘術を使った店だ。

 ガネの経営が悪くなっても、他の町で始めればいい。

 だが、それは最後の手だ。

 出来るなら、この逆境を俺なりの方歩で乗り越えたい。『ライン』の店長として。

次話は明日投稿します。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 広報誌を見てくる客は 1。味が判っていない。 2。固定客にならない。一時のブームで店に押し寄せる。 3。固定客の居場所を無くす。ブーム期間中に固定客を他の店に追いやる。
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