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対策を練る話

「お客さんが減ったのは、リベさんの知り合いの方が原因でしたか」


 俺は『ライン』で開店準備していたナノ、マクロ、ネズミに客が減った理由を話した。

 全て聞き終え、マクロが要点をまとめる。


「私なの?」

「ああ。しばらくマクロだけで接客してみよう」

「そうすればお客さんが戻る?」

「一時的……、だろうな」


 ナノが仕事を辞めた、そう言えばナッツ野郎は一時的にこの店に来なくなるだろう。

 だが、他の男性客の話を聞いて突っかかって来るやつだ。

 ナノが接客を再開したら、その噂を訊きまた同じ行動に出るだろう。


「マクロ一人でできそうか?」

「客が増えるとなると……、難しいですね。姉さんの代わりになる人が欲しいです」

「そうか……」

「アンネさんはどうでしょうか」

「アンネ!?」


 マクロの口から突然アンネの名前が出て来た。

 アンネは昔、菓子店の店員だった。

 飲食で接客業の経験があるし、適職だろう。

 だが――。


「妻を働かせたく……、ない」


 妻には楽させたい。その一心で俺は冒険をしていた。

 稼いだ金はすべて渡し、俺は月二万ゴートを貰う小遣い制だ。

 『ライン』の店長になって、冒険せずともお金を稼げるようになった。

 毎日家にも帰れていいこと尽くしだというのに――。

 アンネを店で働かせる? 冗談じゃない。


「話だけでもお願いできませんか?」

「リベ、私からもお願いなの。マクロは私よりテキパキ働くけど、客が多いと大変なの」

「……話だけだぞ」


 ナノとマクロに懇願され、俺が折れた。


「今日は僕一人でやってみます。姉さんは父さんの手伝いをお願いします」

「はーい! パパ、お料理教えて!」

「うむ。まずは火加減からじゃな」

「……火加減?」


 初歩の初歩な話を聞き、俺は今日の店の料理は大丈夫だろうかと不安になった。

 マクロが俺に耳打ちをする。


「姉さんは料理が苦手なんです。父さんが根気強く教えても上達はしないと思います」

「そんなにひどいのか」

「はい。だから、姉さんが接客に戻れるよう早く手を打たなきゃいけませんね」


 マクロの言う通りだ。

 気が乗らないが、まずはアンネに接客の仕事について話をしてみよう。

 まだ金にも困っていないのに、妻を出稼ぎに出すなんて。


「リベさんの家に空間移動させました。アンネさんの件、お願いします」


 マクロの念押しに、俺は片手をヒラヒラと振った。

 ドアを開くと、そこは俺の家の寝室だった。


「あら」


 意外なところからの登場に、アンネは目を丸くしていた。


「おかえりなさい」

「ただいま」

「お店の件、どうなった?」

「それでな……、アンネに話があるんだ」


 俺は、アンネに本題を出した。

次話は明日投稿します。


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