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尾行する話

「うう……、頭痛い」

「まったく、限界超えてまで飲むからですよ」

「アンネ、朝食は軽いもので」

「はいはい」


 翌日、俺は二日酔いにあっていた。

 昨日の記憶がなく、家にどうやって帰って来たのか分からない。

 アンネ曰く、二人が俺の両肩を担ぎ、連れてきてくれたのだとか。

 ああ、アイツらに妻の存在がばれたか。

 いつか、ナッツ野郎にもばれそうだな。


「今日は何するんですか」

「酔いが覚めたら出掛けるよ」

「そう」


 アンネはスープを置いた。

 俺はそれを食べる。スープの味が身に染みる。

 軽めの食事を終え、俺は酔い止めの薬を飲んだ。

 安静にしていれば午後には抜けるだろう。


「事情はマクロちゃんから聞いているわ。お店にお客さんが戻るように頑張ってね」

「うん」

「上手く行ったら、お金が貰えるそうよ」

「ほんとか!?」


 それは聞いてない。

 アンネに事情を話した際に出た話なのだろう。

 お金が貰えるのであれば、生活に余裕が出る。

 少しやる気が出て来た。


「……仕事も大事だけど、私のことも忘れないでね」

「当たり前だ」


 俺はアンネを抱きしめ、軽くキスした。

 この間はナノに邪魔されたからな。久々に甘えられてうれしい。

 もっと甘えたいと思ったのだが、アンネが止めた。


「お酒臭い」

「……すまん」


 今度は酒を抜いてから甘えよう。



 酔いが覚めた俺は行動に移した。

 ナッツ野郎の尾行だ。

 『ライン』に来店する前のナッツ野郎は何をしているのか。

 冒険をしないことは、黒魔導士に確認済みだ。

 男性客が来ない理由は、ナッツ野郎にある。

 それは――。


「今度『ライン』って店に行こうぜ」

「そこのナノちゃんが可愛いんだよ。にこって笑う姿が癒しでさー」


 丁度いい男どもがナッツ野郎の前に現れた。

 男どもの言葉を聞いたナッツ野郎は、彼らの胸倉を掴んだ。


「ナノに関わるんじゃねえよ」


 低い声でそう言った。

 ナッツ野郎の気迫に圧倒された男二人は、怯えながら逃げていった。


「これか」


 客が来ない原因が分かった。

 男性客が来ないのはナッツ野郎が脅しているからだ。


「やっぱ、ナノ目当てのやつが多いんだな」


 男性客の目当てはやっぱりナノだろう。

 ナッツ野郎もその一人だ。

 あいつは嫉妬深い。独り占めしたいと思うなら、他の男は排除するだろう。


「うーん」


 原因を目撃した俺はナッツ野郎の尾行をやめた。

 腕を組み、対策を考える。

 武力は無理だ。ナッツ野郎には敵わないことは、ナッツ事件で分かっている。

 出禁にしようか。だが、やけになったナッツ野郎の行動を予測できない。無理矢理ナノをお持ち帰りしそうだ。

 まあ、店の外に出れば、ナノは白いモフモフの姿になるので脱出は容易だろうが心に傷を負ってしまうかも。


「一旦、店に戻るか」


 開店前にナノたちに話し対策を練る必要がある。

 俺はナッツ野郎に見つからないよう、『ライン』に入った。

 

次話は明日投稿します。


お話が面白い! と思いましたら、ブックマークや評価ポイントお願いします!

またコメントも励みになります。読者の皆様応援よろしくお願いします!


PS.評価ポイントやブックマークしてくださりありがとうございます。

当初考えていた展開からずれてたのでタイトルとあらすじを修正しました。

二つを変えても毎日投稿は続きますので、これからもよろしくお願いします!

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