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「よくいらっしゃったわね。お座りになって」

私とシノアは、バカ広いローザリア様宅に来ている

あの食堂での一件の後、ローザリア様は

本当に招待状を送ってきたのだ

送られてきた招待状を見て

シノアと共に思わず顔をひきつらせたものだ

そして現在、その時以上に顔をひきつらせている

…なにこのメンバー

私、シノア、ローザリア様…だけでいいじゃない

なんでいるのよ、攻略対象者達

しかも全員

食堂では一番最初に遭遇した魔法騎士団副団長の息子は

いなかったけど、今日はいるみたい



「本日はお茶会へのご招待、誠にありがとうございます

リオラ=エマと申します」

「シノア=ハラと申します。つまらない物ですが、こちらを」

一応お茶会にはお土産を持っていくのが礼儀と

来る前にユノスさんに聞いたので

シノアと泣く泣くお金を出しあって

普通の一般市民なら生涯絶対に買うことのない

超絶高級なお茶菓子を買ってきたのだ


「まあ!わざわざありがとう。」

そういってお付きのメイドに準備するように伝える

ローザリア様

皆が私たちの持ってきたお茶菓子を面白そうに見つめている

「ヘー、これが下町のお茶菓子なんだ、何て言うか

ペットのご飯みたいだね」

「ノア!なんてことを言うの!」

「いや、ノアハーツの言いたいことも分かるな」

「アーノルド!あなた達は本当に礼儀を知らないわね!」

「ふむ、これが土産なのか。この場にこんな安物を

持ってくるとは、やはり平民だな」

「いやいや、平民にとっては

一応これは最上の高級品なんですよ。」

「オルガナ、ベルエダまで……、ごめんなさいね

気分を悪くさせてしまったかしら」

「いえ、こんなものしかご用意できず申し訳ありません」

思うことはたくさんあった

普通に失礼なこと言ってるし

この超絶高級品が貴族にとっては安物ってことに

驚いたし

まぁでも一番は、ほとんどの人の名前が聞けたことに安堵した

そろそろ名前を覚えないといけないって

思ってたんだよね、助かった



宰相の息子:オルガナ

騎士団長の息子:アーノルド

魔術師団長の息子:ノアハーツ

大商人の息子:ベルエダ

ということを頭に入れて、席についた

お茶が目の前に出されて

お茶菓子(私達が持ってきたもの+貴族御用達のもの)

も用意されて、お茶会が始まった

そして気づく

魔法騎士団副団長の息子だけ

レオナルド様のうしろに立って

身動きひとつしていないことに

私の視線に気づいたのか、レオナルド様が

口を開く

「あぁ、彼は私の護衛だよ。魔法騎士団()()の息子で

アルベルト=セレスティナだ。

私たちと同級生だが、腕は確かだ」

「…団長?」

シノアが呟く。私も同じこと思った。

「あぁ、魔法騎士団団長。別に今日は護衛につかなくても

問題は無かったのだが、ローザが何かあったら君たちを

巻き込みたくないからと、全く、ローザは素晴らしすぎるな」

あれ?何か違和感を感じる

「シノアさん…とおっしゃったわね」

「は、はい」

「団長…という点に何か感じたことがあるのかしら?」

ローザリア様は転生者だ

きっと私達も転生者だと疑っている

だからわざわざゲームとは違う道を進んでいる

アルベルトをこの場に居合わせたのだ

魔法騎士団副団長の息子が魔法騎士団団長の息子に

なっていたら、どんな反応をするのか見極めるために

そして、それに反応したシノア

そういえば、一度も考えなかったけれど

シノアは……同じ転生者?

「はい、9年ほど前でしょうか。魔物に襲われたことが

ありまして。その時助けて頂いた方が、魔法騎士団団長

だったのです。ただ、その方と少しお話をした際、私と

同じ年の()がいると聞いていたもので」

どういうことだろうか

これは実話?誤魔化すための作り話?

「そうでしたか」

「発言してもよろしいでしょうか」

アルベルトが口を開く

「ええ、構いませんよ」

「9年前でしたら、団長は私の父ではありません」

「そ、そうですよね、9年も経っていれば

変わっていてもおかしくありませんよね」

そう言いながらも、シノアが一瞬顔を曇らせたのを

私は見逃さなかった


そのあとは他愛のない話をして

解散となった

私も、シノアも特に団長問題以外はボロを

出さなかったため、ローザリア様は

転生者ではないと判断したようだった


帰り道、歩きながら

どう切り出そうか、私は迷っていた

すると、突然シノアが立ち止まった

「どうしたの?」

「私に、聞きたいこと…ない?」

これは、チャンスだと思って

口を開こうとした瞬間



「転生者だよ」





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