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5.一代限り

 その後、笹本君は頓珍漢な事を言ったとは思えないほどテキパキと業務をこなした。

 

 仕事終わりに二人でどこかに向かう⋯⋯と思いきや、笹本君は何か準備があるとの事で、彼が指定した場所で待ち合わせることになった。


 笹本君が指定したのはとある駅だ。


 繁華街があり、少し特殊な性癖の持ち主たちが集まるスポットとして有名な場所だ。


 そう、そこは同性愛者たちが集まることで有名な場所だった。


 初めて訪れた場所だったが、あまりキョロキョロするのも憚られるので、笹本君が指定した場所でスマホを眺めながら待つ。


『オッサンみたいなオバサン鑑定士』


 改めて、なんだそれ? と思う。


『見て貰った方が早い』


 彼は言った。


 どういうことだろう。


 私は彼から出された『ヒント』を頼りに、しばし思考する。


 まず、指定した場所。

 オッサンみたいなオバサン、ということ。


 普通に考えれば──彼は同性愛者、ということ⋯⋯なのだろうか?


 そう考えると、ひとつ辻褄が合う。


「桜子はダメ」


 ということ。


 彼は未成年ということを理由にしていたが、彼が同性愛者なら、桜子は「有り得ない」ということになるだろう。


 もしかしたら、私が知らないだけで


『オッサンみたいなオバサン鑑定士』


 というのは


『同性愛者』


 を指す隠語なのではないだろうか。


 そこまで考えた時に、私の頭に天啓ともいえるツッコミが舞い降りた。


「いや、同性愛者が代々の家業ってなんだよ!? 一代で終わりだろ、そんなもん!」


 笹本君はまだ来ない。 


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