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世界が壊れたら  作者: ゆな
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これから先も、ずっと平和だと思っていた。

信じていたんだとおもう。


結婚して好きな人と暮らして、そして子供が生まれて。


当たり前の生活が、これから先待っていると

今までおもってたんだ。

「なぁ!みろよ、いいねが10kいったぜ!?」


「おぉ!すげぇ笑次も撮ろうぜ」





昔は、戦争だの何だのっていっていたこの世界も、時代は変わって今では平和そのものの世界感になっている。


大人も子供も隔たりなく、SNSに没頭したり動画サイトに動画を投稿したり、夢を見て音楽に人生を賭けてみたり。


昔なら、何やってるんだよ。って思われる行為も、今では普通にみんなやっているし、やりすぎているっていうところもある。


特に争うことを嫌うこの国では、大きな争いなんてなくて、多少事件は起こるが、そんなもの戦争に比べたら可愛いものだと思う。




こんな生活に慣れていった俺たちは、笑えることが当たり前だと思っていた。




「春都!おーっす!」


「樹、おつかれ。今日バイト?」


「あぁ、バイトー。だりぃわ。」


俺は今高校2年のいわゆる、一番楽しい時期。

そしてこいつは、幼い時からずっといる友達だ。

喧嘩っ早くてすぐ手が出るやつだけど、本当は優しくて不器用だけど、なんだかんだ仲良くしてくれる。


「まじで暑いなー、夏って俺嫌いだわ。」


半袖の袖を肩までまくしあげた樹が、手でパタパタ仰ぎながら言う。


「そうかー?俺は好きだけどな、夏。」


「え?なんで笑」


「だって夏休み多いじゃん。」


「え?そこ?」


そこそこ。って笑いながら俺たちは歩く。

夏は、夏休みが長いところが好き。

学生なんてそんなもんだろ。


「そーいや、そろそろ夏休みだな。」


「....樹はどっかいくん?」


「俺は先輩たちと海とかバーベキューとかするかな。」


「そうなんだ。」


樹は、先輩たちとも仲が良くてよく休みの日は遊んでいるらしい。

今人気のティックティックっていう動画アプリにもその様子をあげているらしい。

俺も何度か誘われたけど、そんなに仲良くないし、喧嘩とかも怖いから断っている。


「お前はどっか行くの?」


「俺は、家で勉強かゴロゴロしてるよ笑」


「夏休みが好きな割に満喫してねーじゃん!」


「いーの。俺はゆっくり過ごしたいのよ。」


「へんなやつだな笑あ、俺バイトだわ。じゃあな!」


「おう、頑張ってな!」



あっついな。



さっきまで騒がしかった隣が一気に静かになって、少しさみしい感覚に陥る。

暑すぎて汗がたれる。


早く帰ろ。




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