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守る為の強さ
ムート・エーデルは悩んでいた。この頃巷を騒がせている悪党達‥のことではなく、自分の不甲斐なさについてだ。8歳の頃憧れだった騎士団という任務に就くことができた。4年たった今は剣を振るう様も危うさが無くなり、小隊長を任されている。その分、剣の技術・戦略の立て方‥どれをとっても求められるレベルが高くなっている。
(先程の手合わせだってそうだ。子供だという理由で甘えは許されない。)
「まだまだだな」
父が放った言の葉を頭で反芻し、歯軋りをした為、拭うと白いハンカチに小さな血溜まりができてしまっていた。