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電車から降りよう!

「バ、バトルロワイヤル……それも私がキャラクターを操作するのではなくて、私自身が……ですか?」


「はい、そうです」


「えっと……痛みは……?」


「あります」


「降りさせていただきます」


穂乃華は席を立った。そして、扉をくぐろうとする。だが、どの道先は死しかない。この少女が脅すために嘘をついている可能性もあるだろうが、穂乃華はその時冷静な思考を持ち合わせてはおらず、目先の事を間に受けてしまった。


「……」


扉から外へ出たら死、その中にいても、殺し合いに参加されてしまう。参加者も多いだろう、その中で一位しか生き残れず、それ以外は死……0%か0に限りなく近いが0ではない可能性に賭けるか。しばらく、考える。どの道死ぬなら、少しでも生きる方に賭けよう。そう思い、結局は席に戻り座った。


「良かったです。参加する……という事でいいですか?」


少女はどことなく安心したような表情を見せた。


「……お願いします」


「では、簡単に内容を説明します。ルールは先程言った通りのバトルロワイヤル。ですが、あなたの知るバトルロワイヤルではすぐに終わるように色々な工夫がありますが、それを参考にしてしまうと、一日も経たずに終わってしまいますから」


「という事は、本当にその世界全体で、範囲がそのままの殺し合いを?」


「はい。あと、各街がセーフティエリアとして戦闘ができなくなっております。しかし、ずっとセーフティエリアから出ずにそのまま終わらなくなる可能性があるので特殊なミニゲームも存在してます」


「ミニゲーム?」


「はい、ランダムで選ばれたメンバーが決められたステージで生死を賭けた鬼ごっこをするという内容です」


「……」


バトルロワイヤルをしているのに、そんな最中さらに別の生死を賭けたゲームをする。ふざけるな、と穂乃華は思った。


「言いたい気持ちは分かります。ですが、悪い事だけではありません。そのミニゲームのみチーム作成が可能です。そのチームは通常のバトルロワイヤルにも引き継がれます。人数制限は五人です」


たしかに、最初は全員一人から始まるバトルロワイヤルだが、そんな中で五人ものチームが出来たとしたら、当然有利になるだろう。だが、言ってしまえば敵同士が手を組むのだ。そう思い通りにいけないだろう。組むふりをして裏切る、なんて事が起こりうるのだから。

穂乃華はずくにチーム作成は出来ないと思った。こんな鈍臭い自分を受け入れてくれるチームが存在するはずがない、と。


「そのミニゲーム内容ですが、少し詳しく話します。鬼ごっこなので、選ばれたプレイヤーから追う側と逃げる側で別れます。追う側よりも逃げる側の方が多いですが、追う側には有利にミニゲームを進めるためにアイテムを手にする事が出来ます。そして、逃げる側は追う側に対して殺傷能力のある行動が禁じられています。ステージには逃げるのに有利なアイテムが存在し、それを使いつつエリアから脱出するのが主な内容です」


穂乃華は追う側有利なミニゲームだと感じた。ランダムなので、いつ選ばれるか分からないがもし選ばれたとしたら、追う側になりたいと思った。


「すみません。そのミニゲームの脱出条件はなんですか?」


「結界を解くことです」


「鬼の人数は何人ですか?」


「三人以上は増えません」


「まさか、鬼同士でもチームは作れますか?」


「不可能です。逃げる側のみチーム作成ができます」


質問も終えたので、穂乃華のミニゲームに対しての悩みは少し消えた。だが、これから殺し合いをするのだ。不安も悩みも無くなる事はない。


「最後にあなたが心配している痛みですが、肉体は普通のとは違う我々が作った肉体でバトルロワイヤルを行ってもらいます。ので、身体能力が高く、痛みも感じにくいです。そして、飲食は無しでも生きていく事ができますが味は感じる事ができます。汚れは出ませんし、成長や老化などはしません」


穂乃華はすごいとしか思えなかった。老化しないなんて、人類が求める願いの一つである不老が簡単に実現してしまっているのだから。


「では、早速その体になってもらいましょう」


「え……!」


穂乃華の目の前が歪む。そして、徐々に周りの腰掛ける所が大きくなり、ついには届いていたつり革に手が届かなくなった。


「あ……ぇ?」


穂乃華は喉元を手で触る。声が高くなっているような気がする。


「あなたは人間では、なくなりました。天使(プレイヤー)として、バトルロワイヤルに参加してください」


電車の扉についているガラスのところを鏡のように自分の顔を見る。そこには、まだ幼いが完成されつつある美少女が映っていた。


「ふわぁ!」


驚いた。先程までの顔とは違いとても、可愛いと思える顔になっていたのだ。そして、身長が縮んでいる。この姿を誰かが見れば、小学生か中学生だと決めつけるだろう。中身は女子高生だが……。


「……目的地に着きました」


そんな劇的な変化を体験して、しばらく動かなくなった穂乃華を少女は構いもせずに変化するまでは同じくらいの背丈だった穂乃華を抱き抱えた。


「……!ふあ!?何をするのですか!」


「目的地に着きました」


すると、扉が開く。それと、同時に勢いよく風が車内に入り込んできた。


「この世界はバトルロワイヤルの会場ですが、あなたが生きていたように、この世界に生きている人がいます。そんな人との出会いも楽しんでください。後、そんな住民とプレイヤーの区別ですが右腕に自分と模様がある、もしくは街の外でプレイヤーを見れば分かるようになってます。では最後に、穂乃華という名前では生きにくいでしょう。私からあなたに仮の名前を授けます。レーニャ、別に他の仮の名前があれば、変えて名乗ってもいいです」


少女が話しながら、穂乃華を抱き扉前で止まる。


穂乃華は下を見る、すると視界には雲が映っており相当高い事が分かる。しかも、レールがないのにも関わらず乗っている電車はまだ動き続けている。そう、空を飛んでいるのだ。そして、前の方の車両を見ると、人影が落ちていくのが見えた。すぐに悟った。落とされる、そう思うと身が震え上がった。


「死にませんよ。安心してください」


少女は話し終えると、穂乃華を落とした。

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