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第76話

 あー、お腹減りましたなぁ

 それでは、どうじょ(/・ω・)/



 

 「戦い始まったけど、どうしよっかね」


 両軍がぶつかったのが、剣戟がぶつかり合う音が耳に届き出したので間違いないだろう。

 恐らく、視線の先では既に命を散らした人物がいるのだ。

 少し気分が落ち掛けたが、そんな暇はないと両頬を思いっ切り叩いたけど、いってぇ~


 「何してんだ?」


 キルトが不思議そうに尋ねて来た。

 相変わらずイケメンやな~


 「いや、怖気そうだったから活をいれただけ」


 「ふ~ん」


 訊いて来たから話したのに、その態度は酷くないかね?

 まぁ、いつものことか。


 部下の冷たい態度にも負けず、気持ちを切り替えましょう。


 「カゲゾウ、左翼と右翼どっちが良いかな?」


 中央は無視。

 これは当然である。

 だって分厚いし逃げ場がないのだ。


 「まだ、第一報が届いていませんので何とも・・・」


 逸っちゃったか。

 まだ、序盤も序盤だったな。


 「ただ、左翼は気に掛けておいた方が良いかと」


 左翼、その心は?


 「左翼には奇襲に打って付けの丘が御座います。此度は人員が足りず、手が回せておりませんが、伏兵がいてもおかしくないです」


 なるほどぉ


 「でもそれなら、らす、王子殿下は何か手を打ってるんじゃ?」


 確か繋ぎを入れているから、カゲゾウの懸念は伝わっているはず。


 「その王子殿下から発せられる注意に一体どれだけの者が耳を傾けるでしょうか?」


 さいでしたな。

 総代と言えどお飾りですからな。


 「とは言っても戦いが始まってすぐにそれを使うとは思えませんが」


 確かに。

 ここぞという時に使ってこその伏兵だもんね。


 「分かった。右翼は問題ないの?」


 「地理的にはどちらに有利不利と言った点は御座いません。そして、両軍の規模は同程度なので拮抗すると思われます」


 うん、どこも大変だ。

 ホント、遊撃で良かったな、うち。


 「まぁ、我々はそこに突っ込んでいく訳ですけど」


 はい、そうでしたね。

 相変わらず一言多いマックス君。

 一遍、口を縫ってやろうか?


 (主、アイツ、お仕置き?)


 ラルフ、気にしなくて良いんだよ?

 あれはね、奥さんに後でこってり絞られるから。


 (???)


 首を傾げるラルフが可愛すぎてつらいです。

 ついでにもふもふ。


 「やっぱり狼殿がおると心強いの」

 「ああ、強そうだよな」

 「確か精霊の化身とかじゃなかったか?」

 「なに?それは良いじゃねえか。精霊様の加護があるなら俺達に怖いもんはねえよ」

 「もふもふもふもふ」


 ラルフ効果恐るべし。

 味方の士気が保てるのはデカいよな、いや、お見事。

 つか、同志が居た気がしたが、気のせいか。


 「結局、坊ちゃんは坊ちゃんですな~」


 そんな褒めるなよ~


 「褒めてないんですがねぇ」


 「アドバンス家アシュラード殿は何処に!」


 軽口を叩き合っていると、伝令役の兵士さんが馬に乗ってやって来た。

 手を上げようとしたら止められた。はしたない真似はメッらしいです。

 

 「こちらです」

 

 カゲゾウが声を掛けると馬を態々降りてこっちに来てくれた。

 

 「王子殿下からの命をお伝えします!最初の衝突で自軍左翼が思いの外苦戦しているとのこと。よって先ずは左翼への助太刀を、とのことです。そして、左翼の立て直しが出来ればその後は自由に動いてよろしいそうです!」


 左翼が押されているっぽい。

 他はどうなのだろう?


 「伝令殿、急いでいる所申し訳ないが、中央、右翼については如何に?」


 「はっ、中央、右翼何れも第一報では拮抗しているとのことです!」


 じゃあ、左翼の不利を何とかしたいと思うのもしゃーないか。

 正直、多少の不利には目を瞑って、相手の出方や戦力を見たいところだけど、そんな余裕が我が国にある訳がないのです。


 「委細承知したと王子殿下にお伝えください。ご苦労様でした」

 

 現状で出来ることをやるだけっすな。

 伝令さんは一礼すると急いで馬に乗って別の場所へと向かって行った。


 「さて、ということですけど」


 見ると、部下たちがとても凛々しい顔をしている。

 頼もしすぎる。更に皆イケメンとか何処のイケメンパラダイスやねん。


 「皆、訊くまでもないね。そいじゃあ、行こうか、嫌がらせに」


 『はっ!』


 相手の兵士さんには悪いけど、こっちも家族や故郷掛かっているんでね。

 全力で行かせてもらうとしましょうか。




 □■□■




 戦いが始まってどの位経ったんだ?

 正直、すぐにでも地べたに寝転がって目を閉じてしまいたくなるほど、体が重てぇ。

 喉はカラカラだし、傷口から血は流れるし、本当にやってらんねぇよ。


 本音を言えば、殺し合いなんてしたくなかった。

 だってそうだろ?こちとら何代遡っても立派な農家の出なんだ、戦いなんてそれこそ畑違いだ。

 それでも、配られたボロい槍を構えて必死に目の前の奴に振るったさ。

 じゃなきゃ、こっちがおっちんじまうんだ。

 でもな、いざとなると手が止まるんだよ。

 コイツにも家族が居るんじゃないか。

 帰りを待っている女が居るんじゃないかって、さ。


 無駄な事をって思うか?

 生憎、俺は学がない馬鹿なんでな、割り切ったりなんか出来ねぇよ。

 だから、兎に角俺は生き残るために槍を振るったんだ。

 隣の奴らと組になって一人を襲うんだ。


 言ってることと違う?

 へっ、俺は高潔なキゾクサマと違って生き汚ぇボロの農民だからな、結局は自分の命が一番さ。

 まぁ、御大層なこと言っておいて、いざとなったら俺ら領民ほっぽって逃げる奴よか幾分マシじゃねぇかと思うけどな。

 

 そんな俺にもどうやら命の納め時が来たらしい。

 気付いたら、右隣の奴が居なくなっていた。

 この場から逃げたのか、いや、多分気付かないうちにやられたんだろう。

 名前を交わしたぐらいだったが、寂しくなる俺は女々しいのかねぇ。


 左隣の奴も胸に剣生やしてやがる。

 確か、天涯孤独な身だったか。安心しろ、俺がお前のことは憶えといてやるよ。それも短い間だろうけどな。


 大層な鎧着た奴が剣振り上げて向かって来てやがる。

 ありゃあ正規の兵士だな。俺の悪運も此処までか。


 あー、腕が重てぇ。目がボヤけるし、足も動かねぇ。

 日頃からちっとは鍛えておきゃあ良かったな。

 つっても遅いかぁ。


 ホント、いっつも後悔してばっかだなぁ、俺は。

 若い頃はオヤジとも喧嘩ばっかで、お袋にも迷惑掛けて、孝行なんて嫁さん捕まえて孫の顔見せたぐらいか。楽させてやることも出来なくて、二人ともシワッシワな顔して、髪の毛白くして、手も荒れてて。

 ルピンの奴にも苦労させちまうなぁ。

 まぁ、もしもの時はイイ男捕まえろって言ってあるしな。

 アイツは器量もあるし、女としてもなんら問題ねぇ。うん、大丈夫だな。

 ケール、カーヴ、こんな事言える親父じゃねぇが、デッケェ男になれよ。あと、良い嫁さん見つけるんだぞ。

 ピッシュ、ルピンみたくイイ女になって、俺みたいじゃねぇ、稼ぎの良い旦那に嫁げよ。



 ああ、先に逝く馬鹿な息子を、旦那を、親父を許してくれよ?




 

 男は目を瞑った。

 そして一振りの剣が振り下ろされた。





 ガギィィン!

 


 金属が何かにぶつかる音がした。

 しかし、来る筈の衝撃や痛みが何時まで経っても来ない。


 男は恐る恐る目を開いた。

 そして目を見張った。

 なんせ自分のすぐ目の前には振り下ろされようかという剣があるのだから。


 「おわああっ!」


 男が驚くのも無理はなかった。


 そして目の前の敵もその異常な事態に驚いていた。


 「なっ、これはなんだ!」


 男は自分の身に起きた不可思議な幸運にのまれていた。

 しかし、男の意識はすぐに引き戻される。


 「ふぅ、間一髪セーフとは正にこのことで候」


 声の出所を見るとそこには一人の少年が立っており、その傍には見たことがない程の大きさの狼が控えていた。


 


 □■□■




 やられそうな味方さん、咄嗟に結界作って守っちゃったけど、まぁ、いっか。


 「敵の側面、横からぶつかれ!それから弧を描きつつ離脱しろ!深入りはするな!」


 マックス然り、兵のまとめ役の人達が大声で指示を出しています。


 我々、なんとか敵右軍の側面に着いので、敵さんの横っ腹目掛けて突撃しとります。

 流石に私が突っ込むのはやめろ、とのことでしたのでお供を連れて身内の救助に来た訳です。

 まぁ、これもかなり反対されましたが、目の前で味方がやられるのを黙って見ているのは元二ホン=ジンの私には耐えられませんで、強引に押し通した訳です。


 「さ、早く退いて下さい」


 「お、おお。ありがとよ」


 おっさんはふらつきながらも小走りで何とか後ろに退いて行きました。

 ふぅ、一先ず安心ですな。


 「な、なんだ、その獣はあああ!」


 敵さんがラルフに気付いて叫んでる。


 「ラルフですが、何か?」


 「せ、戦場に魔物を引っ張って来るとは卑怯な!」


 いや、その指摘はだいぶズレてると思うぞ。

 この世界にはテイマーとか召喚士とか探せばいくらでも居るはずだ、多分。

 言い方は悪いけどラルフだってきちんとした戦力だ。

 いちゃもんつけられる覚えはないです。


 (主、アレ、何?)


 「あれはね、身勝手って言うんだ」


 (ミガッテ、身勝手、分かった)


 うんうん、ラルフもかなり流暢にやり取りできるようになったね、素晴らしい。


 「隙アリィィ!!」


 空間魔法解いてたから、敵の兵士が突っ込んで来た。

 てか、騙し討ちなのに叫んじゃ意味ないでしょうよ。


 「練気法」


 魔力を体中に行き渡らせます。

 イメージは血管を通る血をイメージです。

 体がポカポカというか不思議な温もりを感じます。


 「でやああああ!」


 腰を少し下げて構えを取る。

 相手が剣を振り下ろす瞬間、体を最小限にズラして剣の軌道から逃れると、なんと目の前にはがら空きな敵さん。


 「チェストォォォ!」


 「カハッッ」


 結構本気の掌底が入りました。身体強化したからね。

 感触的に骨の二、三本は逝ったと思います。

 どうかご自愛ください。


 「ハッ、もしや僕ちゃん、主人公してない!?」


 そんな私のステータスがこちら



 アシュラード・アドバンス  13歳  人族  男


 Lv.32  HP 322/330  MP 705/725


 スキル


 土魔法Lv.6  

 水魔法Lv.6  

 空間魔法Lv.5  

 交渉術Lv.3

 鑑定Lv.6   

 集中Lv.6

 気配探知Lv.4

 気配遮断Lv.4(New)

 体術Lv.5(New)

 身体強化Lv.4(New)


 ユニークスキル


 良縁

 教導



 どうです?

 成長したでしょう?

 新しく生えたものもあれば一切成長してないスキルもありますが、それは相性っぽいですね。

 つまり、私に交渉の才能はそんなになかったということで(泣)。

 戦闘系、主に肉体系の伸びに関しては鬼軍曹のせいです。 

 私は知りません。


 (?)


 あ、ごめんね、ラルフ。何でもないからね?

 


 「アシュラード様、撤退です!」


 あいよ!

 そいじゃあ、一先ずバイならさっさ。


 「ラルフ、行こう」


 コクリ


 ファーストミッションは何とかこなせた。

 問題は次から奇襲警戒されちゃうことなんだよな。

 まぁ、難しいことは皆に考えてもらおう、っと。




 このアドバンス家の働きは敵味方を問わず伝わり、特に美しい毛並みの巨狼を引き連れた少年の噂は周囲の耳目を集めて放さなかった。




 

 久々のステータス。

 奴は実在した(`・ω・´)キリッ


 そろそろ本格的に引っ越しの準備しないとマズいんで、頑張ります。

 間空くかもしれんですが、ご了承くださいな。


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