第70話
分量わりかし多めです。
↑安定しないのは最早言わずもがなですが、それでは、どうじょ(/・ω・)/
たたたたた
どーも、みなさんこんにちは、アシュラードでございます。
屋敷内ですが駆け足です、ええ。
某忍者漫画が如く両手を後方に伸ばして走るあの走法です。
いや~、こういうのも楽しいですね。
さて、そんな私は父上からの緊急の呼び出しが伝えられたのでこうして急いでいるのです。
カゲゾウもだんまりですし、一体どんな報せなのでしょう。
◇
「父上、失礼します!」
「失礼致します」
元気よくアシュラード選手が入場です。
その後ろにはカゲゾウ選手も続いています。
室内には父上と家令のマクネスさん、マックス、ダンジョウが待っていました。
この面子ってことはかなりの大事ではないかと私の第六感が囁いております。
「アッシュ、カゲゾウよく来てくれた。早速だけど本題に入らしてもらうよ」
うーむ、父上の表情が硬い。
というかこの室内何かがおかし、
あっ、マックスがピシッとしてるんだ!
いつもふざけてるのにやけにキリッとした顔つきだから違和感しかなかったんだな、納得。
「リッデルが我が国に宣戦布告した」
HAI?
なんかとんでもない言葉が聞えた気がしたんですが。
「これから大きな争いが起こる」
だああああああああああああ
ありえないって、ほんと。まじでやりやがった、隣国の王サマーさんよ!
何なの、マジで?そんなに戦いたいの?争いたいの?だったら一人でレゴブ〇ック遊びでもしてろってんだ!
「それで、だ。国内の貴族たちに召集令が出されてる。もちろん我が家にもね。それについて皆で話し合いたいんだ」
父上ェェそんな力なく笑わんでくだせぇ。
見ててすんごく悲しくなるんす。
「領内から連れて行ける兵士は100ほどですぜ」
マックス君はこれでも男爵家の兵士のまとめ役なのでこの100という数字は概ね間違いないと思われます。
「それぐらいだよね、でも、それだけでは」
「まぁ、お上の方々は認めないんじゃないんですかね?」
ですよね~
お国存亡に際して出せる兵力が100となると、宰相さんや公爵さんらがいちゃもん付けて来るよな。
僕ちゃんが逆の立場でも多分それは変わらない。
となると、
「徴兵ですか」
「それしかないんだよ、アッシュ。大変遺憾ではあるけどね」
全く、戦争なんてめんどくさいだけで一文の得もないっちゅうのに。
思い付くのは精々、社会の授業で習った戦争特需ってやつぐらいなもんでっせ。
武器商人、死の商人って言われる奴や争う国々の後ろで物資やらを援助する他の国がニコニコ笑顔になるぐらいの認識でしかないけども。
つか、この世界に武器商人っているのだろうか。
何にしても、うちにとっては得は何もない。
徴兵する領民に配布する槍や剣そして防具の類。
そして全員分の食糧。
これだけでも金貨数十枚どころの話ではないんです。
更に、戦いを終えた後のことも問題が「俺も」「ワイも」「拙者も」と押しかけて来ることは目に見えていると。
今回の我々男爵家にとっての戦いは命の奪い合いを意味する。。
生産性という言葉からは真逆に位置するそれはアドバンス家にとって好ましくない。
と、言うより、他の貴族からしてもたまったものではない筈だ。
死ぬと言うことは貴重な人的資源の消耗を意味する。
兵士しかり徴兵された領民しかり。
徴兵された民が死ねばその家族が大きな打撃を受ける。
身売りする者や盗賊に身を落とす者も現れるだろう。
そして兵士が死ねばその分領地の治安も乱れる。
為政者からすると良いことなんか欠片もない。
しかし、やらねば奪われる。
土地も人もなにもかも。
マジファ〇〇!
「旦那様どんなに集めても200が限度です」
マクネスさんからその数字が伝えられると父上はまた溜息をついた。
それだけしか集められないこととその少ない人手を争いで隣国の下らない野心で失うことへの板挟みなんだろう。
うちは盛況だと言っても男爵家。
元々の領地が領地な為、内政改革始めた10年前より人も増えはしたが、それでもキツイ。
この国の統治としては国王より託された土地を爵位を持つ貴族たちがそれを治めるという形をとっている。爵位が高いほど任される土地は広く、低いほど目に見えて減って行くのだ。
限られた土地では生活できる者の数も当然限られるというものだ。
男爵家である我が家の持つ土地はその様な訳でさして広くない。
当然人口も他の高位貴族の領地に比べると見劣りする。
つ ま り
「どうしようもないですね」
『・・・・・・』
皆の無言が答えである。
数は揃えられない。かと言ってたくさんの物資を用意できる訳でもない。
こんな男爵家を高位のおきぞくサマが口を揃えて叩きに来ることは容易に想像がつく。
それだけで済めばいいのだけれど、
「人が揃えられなかったのを理由に先陣切らされたりしたら目も当てられないですぜ?」
そう、マックスの言う様に何だかんだ理由を付けられて使い潰されるのが一番怖い。
唯でさえ少ない人を盾にするように使われちゃ、たまらんです。
「限界まで領内の兵士を連れて行くならば、我ら空忍も精々20人ほどしか出せません。それ以上抜けられると領内の守りに差し障りが出て来るかと」
カゲゾウの言う様に空忍に抜けられるとうちは確実に詰む。
今でさえかなり頑張って働いてもらっているのだ。
国内の他領から他国までの諜報活動に領内の警戒、正に大車輪の働きと言えるだろう。
「「七勇」や「九天騎士」みたいな物凄い大物が一人でもいればそれだけでどうにかなりそうですがね」
マックスの言う通り大陸に名が響くほどの者が配下に居れば、確かに他の貴族たちも露骨に嫌がらせはしにくいだろうな~
「それならばブランド殿は如何でしょう。元とは言えどAAランクの冒険者だったのでは?」
マクネスさんの考えは悪くはない、が
「ブランド様が冒険者だったならそれでも良かったでしょうが、彼の方は元冒険者で現在はアドバンス領の民です。領民を先頭に立たせるというのは些か不味いでしょうね」
カゲゾウの言う通り。
ブランドさんが現役冒険者であったなら正式に雇えば、それで十分だった。
しかし、冒険者を引退し領民となった彼を領軍の中心に置くのは頂けない。
その理由は単純。面子だ。
貴族が自領の民を自らの兵士達を退けて中心人物として扱った場合他からそれはどう見えるだろうか。
その貴族の抱える兵士達への頼りなさ、不信感を抱くに十分ではないだろうか。
それに領民が兵を率いてしまったらそれこそ貴族の役割って何なの?な状況に陥ってしまうだろう。
更にブランドさんはもう40代後半に差し掛かっている。
体力面から見ても全盛期の活躍を期待するのは勝手が過ぎる訳だ。
そんなことを考えているとダンジョウがニヤニヤしながらこちらを見て来た。
「ならば丁度良いのがおるではないか、のう?」
全員の視線がこちらに向けられる。
ワイ?いや、違う。そんなの自意識過剰だ。
アッシュ君より強い奴なんてこの領内にいくらでもいますし。
では、何故僕ちゃんの方を・・・・・・あ
「そういうこと」
「ふぉっふぉっふぉ」
いや、ふぉっふぉっふぉじゃねぇし。
相変わらず人使いが荒いな。
父上やマクネスさんはクエスチョンマークが浮かんでますな。
マックスは考えてるな。お前さんに真面目面は似合わんから止めときな。
カゲゾウはすぐにハッとした顔になった。やっぱり優秀。
「父上、今回のリッデルとの戦い、自分が名代として行きます」
アシュラード君はもうすぐ14歳です。
それぐらいこなして見せましょうとも。
◇◇◇
はい、父上にものごっつな勢いで止められました。
まぁ、子の親としては当然ですわな。
ですが、これが恐らく最善手なんですよね~
人員不足を補う為の手段、それはそう”ラルフ”です。
精霊狼は強さ、存在感ともに抜群。
”数字持ち”とは違った意味で相手を威圧できる。
これほど今回のことに打って付けな存在はいない。
では、何故アッシュ君が行くのが最善手なのか。
一つ目は単純にラルフが言う事を聞くのがワイ一人という点に尽きる。
他の人の言うことを全く聞かない訳ではないのだけれども、いざという時にその様な事が起こる危険性は無視できない。
それに自分で言うのもアレだけどラルフは俺っちのことを大事にしてくれてるから大抵の危険はどうにかなりそうとも考えている。彼女に負んぶに抱っこなヒモ男感が否めないがまぁ、気にせず行こう。
二つ目はアドバンス家存続の為と言える。
もし、ここで父上が戦いに参加し討ち死にした場合、後継者はワイということになる。
未成年のガキが盛況な領地を治める。未婚な上、未亡人で美人な母上はフリー。
厄介事しか起きないだろう。
で、だ。もし、私が名代として出向いたとする。
最悪、ワイが死んだとしても、現当主の父上は生きてるし、オルトーもいる。
父上が死ぬよりもだいぶマシということだ。
思いついた時は結構ナイスアイデアじゃないかと思ったんだが、ダンジョウ以外からの賛同が得られない。カゲゾウ辺りは賛成してくれるかと思ったんだけど。
「アッシュ、国の争いは盗賊退治や魔物退治とは違うんだ」
「アシュラード様、いいですか?戦とは」
父上やマクネスさんが一生懸命戦場の恐ろしさを伝えようとしてくれている。
しかしながら、申し訳ないことにわっちは戦場を知らんので今一つ理解できんのですわ。
それにこれ以上の案を思いつかないのですよ。
「ちょいと失礼。坊ちゃん、死ぬ気ですか?」
マックス、だからシリアス顔は止めろと。
ああ、鳥肌が。
「何言ってるんだ。そんな訳ないじゃないか。僕はリッデルにお仕置きに行くんだ。可愛いイリスやオルトー残していなくなる訳ないだろ?」
隣国さんはちょっとおイタが過ぎるよ。いや、マジで。
最悪死んでもとか言いましたが、死ぬ気?そんなもんある訳ないっしょ。
なんで第二の人生こんなちんけなことで終わらせなきゃならんのです。
ワイのチートで好きな子とのラブラブライフは始まってもいないというのに。
だから、
「父上、僕は好きな女の子とイチャイチャもしてないのに死ねる訳ないでしょう?それに僕の周りには優秀な人達がたくさんいますから、ね?」
「・・・・・・」
あれ、カゲゾウ乗って来てよ。格好つけて恥ずかしいんじゃん。ちょっとおおおおお
「ふぉっふぉっふぉ。そうじゃのう、このダンジョウがおるから大丈夫じゃのう」
ちょっ、そこでイタズラ爺かよ、まぁ、いっか。
この爺さんも凄腕なのは変わりないし。
老人を酷使するな?本人がピンピンしてるから良いんだよ!
「すぐに言葉が返せんようでは臣とは言えんぞ、カゲゾウ」
「!! 必ずやその御身お守り致します!」
援護射撃ありがとうだけど、うん、なんか良いとこダンジョウに全部持ってかれた気が。
「アシュラード様!「マクネスさんもう無理っすよ」・・・マックス」
激おこしかけたマクネスさんをマックスが止めてくれた。
お前、偶には役に立つな。
「父上」
しっかりとイケメンな今世の父の顔を見つめます。
うん、ホントこの人イケメンですわ。
「・・・」
じーっ
「・・・・・・」
じーーーーっ
「・・・・・・はぁ」
勝った!
「言いだしたら聞かない子だよ、本当に」
それがアシュラード君、貴方の息子です。
「ただし、絶対に生きて帰って来ること。いいね?」
ブ・ラジャー
絶対に帰って来ますともさ。
「あー、マリーをどう説得すれば、絶対怒られる」
あー、母上は怒るとおっかないからね~
任せた父上!
「もちろん、アッシュも一緒に説得するんだよ?」
そんなバハマ!
この戦いがアシュラードの名を各国に広めることになるとは終ぞ誰も気付くことはなかった。
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「これぁおもしろくなって来たなぁ!」
「あれだよね、チートで俺tueeeだよね!?」
「お前らはしゃぎ過ぎだ。それにしても自身の欲を満たすために争うとは」
「ですが、それが人というものです。それは我々が一番分かっているのでは?」
「何にしても美味い物が食えるならそれでおk」
「たたかい、きらい」
「おっ、こっちでは謀略合戦だ。こういうのも楽しいよな~」
神達は今日も自由であった。
最後に神様たちを出したのは気まぐれです。
本筋には全く関係御座いませんのでお気になさらず。
不定期更新ですが、筆が進めば短いスパンで投稿できます。
しかし、神がご降臨しない場合は間が開きます。
勝手ではありますが、そんな感じでご理解下さい。
でゅわ、ご意見ご感想お待ちしておりまする(`・ω・´)キリッ




