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第57話

 投稿時間ばらついてて申し訳ありませぬ。

 またもや急な展開かもしれませぬがご勘弁下され

 それでは、どうじょ(/・ω・)/



 「それでは、これより模擬戦を執り行う。両者前へ!」


 白いマントを優雅に羽織った二枚目優男と如何にも武人と言った雰囲気を漂わせる竜人が向かい合う。

 ギャラリーは結構居ます。

 父上とその護衛数名。

 ペジュ何とかさんとその付き添いの方々。

 マリウス、キルト、カゲゾウ、そしてワイ。

 モッチー、クロ、ラルフはイリスとオルトーの世話を母上としてもらっているので此処には居ません。


 「いや~楽しみだよ。ライゼンさんどうぞよろしく」


 「うむ。来るが良い」


 両者の会話は至って普通なんだけど、2人から漏れ出るオーラって言うのかね?それがもうなんか尋常じゃないって言うか。

 暴食のイケメンは目をギラギラ光らせて戦闘モードに移行してるし、ライゼンの方は静かなんだけど存在感をひしひしと感じると言いますか、ああ威圧感って言うんですかね?怖いデス



 「それでは、始めっ!」



 どしてこうなったんや



 ◇◇◇



 「これで全てになります」


 カゲゾウからぺさんのそのまたお付きの人に渡された冊子。

 アドバンス家で作られた数々の料理のレシピがそこには記述されている。

 はっきり言って無償で出すなど有り得ないのだが、相手は大国でそれもそこの崇める女神さん(・・・・)の肝入りの案件。中堅国家の弱小貴族に断れる筈もない。

 だから、出せる物は出しました。


 冊子を受け取ったぺさんのお付きの人が中身を確認し耳打ちする。

 どかっと座ってるぺさんを見てると少しイラッとするのは私だけでしょうか?

 なんか敬われるのが当然って態度が透けて見えて、思いっ切り顔面にグーパンかましたいです。

 そんなぺさんがうんうんと頷いているのでどうやら大丈夫なようです。


 「ふむ、レシピの方は大丈夫なようだな。では、保存の効く調味料の類もあるだけ渡してもらおうか」


 突然の略奪宣言。

 皆の時間が一瞬止まったのは間違いないだろう。

 

 「ぺ、ペジュミアン卿、貴方方の目的はレシピだけでは?」


 父上はあくまで営業スマイルだ。

 これ貴族には必須技能だからね。

 それでも後ろに回した固く握られている拳が震えている所を見ると父上の心情がよく分かる。

 男爵家側からははっきり言ってあまり良くない気が噴出している。皆オコなのだ。

 殺気ってやつでしょうかね。

 格言う私も隙あらばカンチョ―の構えであります。


 「そうだ。だが、これらの料理には幾つもの調味料が必須だ。ならばそれらを揃えるのも


 「お言葉ですが、レシピの中にはそれらの調味料の作り方も記されております。ですので教国にお戻り次第、教国の料理人に作らせれば問題ないのではありませんか?」


 父上かなり喰い気味な発言だ。

 が、確かに正論だ。

 つか、てめぇらの崇める神なんだからてめぇらが努力しろと声を高くして言いたい。言えないけど。


 「アドバンス男爵、貴方はルツィア様のお役に立てるのだから喜んで受け入れるべきだ。そうだろう?」


 お付きの人達はウンウン頷いてる。

 ああ、似たような方しかいないのね。

 リックは嫌な物を見る目で上司見てるけど、止めてはくれないのね~

 あ~メンドクセーけどやるっきゃないかぁ。


「あの~、我々は別にその女神ルツィア様を信仰している訳ではありませんので。それに無償で調味料を提供などそんな馬鹿げたこと領を治める一族の者としては頷けませんよ。ペジュミアン卿、領地経営という物を少々甘く見てませんか?それにその態度。人に頼む態度じゃないのでは?そんな偉そうに踏ん反り返っているだけでは人は動きませんよ?」


 あ、名乗り忘れたけどいっか。

 などと少しばかり反省しているとぺが怒りの形相で御座います。


 「キサマァァ、この私に、九天騎士のこの私にぃ」


 煽り耐性ゼロとは中々ですな。

 ですが、俺のターン!


 「何です?気に食わない意見はそうやって九天騎士の名で威圧すればどうにかなると思ってます?教国の武の象徴がその様な態度を取ることが国、ひいては女神ルツィア様の顔を汚していると何故分からないのですか?」


 「ッ!!」


 ブチ切れたかと思ったけどぺは何もして来なかった。

 いや、何も出来なかったのだ。


 「何の真似だ」


 「いや~、流石にこれ以上は止めないと。頼みごとを聞いてもらいに来たのに、無理難題吹っかけて、国政に禍根を残してしまいましたなんて報告する訳にはいきませんし」


 ぺの腕をいつの間にかリックが掴んでいた。

 正直僕ちゃん全く見えませんでした。

 末席とは言え国の顔ってのはスゲーんですね、よく分かりました。


 「それにあんまり調子に乗る様なら・・・」


 リックの目が細められる。

 そこには気の良い青年とも戦闘狂とも言えない初めて見せる彼の一面があった気がした。


 「くっ、分かった!何もせん!だから放せ!」


 一睨みいれてからリックはぺの腕を放す。

 そしていつの間にか冷え冷えとした雰囲気は鳴りを潜め、ニコニコイケメンに戻っていた。

 ぺのお付きの奴等がまだ何か言おうとしたけども、リックの「何か?」な顔に言い掛けた言葉をお口に仕舞い込んでました。


  この場はそれにて終わり、その後リックに感謝を述べたら


 「じゃあ、強い人と闘わせてよ」


 との一言。

 うん、素直に感謝したワイが馬鹿でした。

 父上に相談した所、稽古の体裁を取っての模擬戦ならば互いに問題ないだろうとなりました。

 誰が相手をするのかとなった所、実力や職務の都合を鑑みるにライゼンしかいないね、となりました。




 ◇◇◇



 そして現在に時は戻ります。


 「それでは、始めっ!」

 

 掛け声とともに駆け出したのはリック。

 手には木刀を持ち一気にライゼンへと襲い掛かる。

 しかし、一方でライゼンはその場に留まったまま動く気配はない。


 「てやっ!」


 リックの一太刀──いや目に見えない数太刀がライゼンを狙う。

 かなりの速さなのだがリックにはまだ底が見えず、余裕を感じる。

 

 「ふん!」


 ライゼンは足を動かさず、手の払いだけで斬撃を逸らし捌いていく。

 うん、頭おかしいね。


 「ハハハッ!すごい!すごい!」


 琴線に触れたのか、リックの斬撃の速度が速まった気がする。

 うん、こっちもこっちで頭おかしいわ。


 流石のライゼンもこうなると足を動かさなければならなかった様で軽いステップを踏みながら斬撃の幾つかを躱し始めた。


 「やっぱ、ライゼンさん半端じゃねぇな」


 「あの速度の斬撃を傷を負う事なく捌き続けるのは技術もですが、やはり経験なのでしょうね」


 キルトとマリウスの若手コンビは武の師匠の神業に良い刺激を受けているようです。

 え、僕ですか?やっぱり戦闘お化けだなぁぐらいにしか思いませんよ?

 だって、


 「うむ、一先ず合格だな。それではこちらからもゆくぞ」


 

 その人マジおっかないからね



 「!?」



 相手の変化をリックは見逃さなかった。

 攻め続けていたのを一瞬で止め、即座に距離を取る。

 いや、流石だわ。

 でもね、


 「うむ、判断も早い。良いぞ、馬鹿弟子と同程度か」


 その人も


 「ならば2つ(・・)か」


 更に底が見えないから


 ドンッと音が響くと同時に後ろに飛び退いた筈のリックの目の前にライゼンがいた。

 何故でしょう。

 答えは簡単、ただの脚力です。

 

 「羅アアアア!」


 そして気付いた時には既に拳が放たれている訳です。

 何この理不尽って感じです。


 「くっ!」


 拳を受けようとリックは咄嗟に体を屈め、的を小さくします。

 見事、木刀で拳を受けますが、余りの重い一撃に次に移れません。

 つか、木刀滅茶苦茶撓ってないか、あれ?


 威力を殺し切れず、後ろに押されるリック。

 そこに振り下ろされるライゼンの回し蹴り。突きの勢いのまま一回転しながらの蹴りです。当然威力はとんでもないことになっとります。

 これでチェックメイトか、と思った瞬間


 「────ティ」


 リックが確かに何かを呟きました。

 

 「ッ!チィ!」


 何とライゼンが蹴りを止めてしまいました。

 でも、何処か不自然な感じがしました。

 まるで蹴り足が何かにぶつかったような。


 恐らく何らかのスキルではあるのでしょうが、リックの羽織っているマントは鑑定を妨害する効果もあるようでステータスを覗けません。ですからスキルについてはわっかりっませ~ん。


 でも、そこはライゼン。

 すぐさま体勢を立て直し構えを取ります。


 「ここまでですかね」


 しかし、リックは構えを解き突然の終了宣言。

 ライゼンもその言葉に頷くと構えを解きました。

 どうやら本当に終わりのようです。


 「ベルフェル卿、よろしいので?」


 審判を務めていた兵士がリックに確認を取る。

 まぁ、勝負が着いた訳でもないし当然の疑問だろう。


 「ええ、魔法を使っちゃいましたしね。これ以上は稽古とはいかないでしょう」


 戦闘狂だけど分別はあるタイプ。

 う~ん、良く見える不思議。だが、騙されないぞ。コイツは戦闘狂だ。


 「ありがとうございました。貴方と闘えてとても良かったです」


 「うむ、お主も良い物を持っておる。精進せよ」


 仮にも一国の顔に向かってこの言い草。

 やはりライゼンはおかしい。


 「ん?」


 ナニモイッテマセンヨ?

 ホメテタダケデス。


 「ふん!」


 結果が気にくわなかったのかぺは鼻息を立てるとその場から去って行きました。

 

 「あ~、ごめんね?ホントあのごm──くz──人が」


 うん、本音がボロッボロッ出てますが気にしませんよ?

 触れちゃいかんものってあると思います。


 「いえ、リック様のおかげでこちらとしては助かりましたし、それにあの方は何れ勝手に痛い目を見ると思いますから」


 これは結構本気。

 あの尊大で狭い視野では遅かれ早かれ何かやらかすに違いないと思うのです。


 「そんなことあったら、教国うちとしては笑い事じゃ済まないんだけどね」


 ですよねー

 でも、うちからすればそんな事知ったこっちゃないんです。

 頑張れイケメン!



 こうして一騒動は幕を閉じた。

 そして何故かライゼンがハッスルして僕ちゃんへの扱きがいつも以上となりました。



 解せぬ





   


 

 

 

 やっぱり戦闘描写は難しゅう御座います。

 

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