第56話
それでは、どうじょ(/・ω・)/
リックさんがバトルジャンキーだった件について。
もうね、目がやばかったですよ、ギラッギラッに光ってて。
なんとか宥めましたが、再発注意って所ですかね、あれは。
とりあえず、彼の近くにはカゲゾウやライゼンは近付けない様にしなければ!
ダンジョウはこういう自分の身に不都合が及びそうな時に限って姿をくらますので安心ですが。
正直護衛としては微妙だけど、まぁ、気にしちゃダメな気がするから放っておこう。
そして現在、どういう訳か私アシュラードはリック氏を引き連れて食い倒れ通りに来ております。
まぁ、折角だから美味いもん食ってけや、みたいな感じです。
先程から目線があっちにいったりこっちにいったりと忙しそうな九天騎士様であります。
彼が気に入ったのはホットケーキみたいで何枚も食べてます。
コヤツ巷で話題のスイーツ男子の様である。
イケメンで甘いもの好きとはあざとい。流石イケメン、汚い。
え?僻みいくない?ばっきゃろう!モテない系男子の僻みは簡単にはなくならないんだよ!
(この様子だと、出来ないに賭けた私の勝ちは堅いようですね(∩´∀`)∩)
(つっても出来るに賭けたのって道具のだけたろ。賭けとして成立してんのか、ありゃ?)
(・・・・・・僕が悪かったから、許してよぉぉ)
(道具の、貴方は今は皆の小間使いなのですから弱音を吐かずに仕事をしなさい)
おんどりゃあなぁんの話をしとるぜよ?
ワシも混ぜちゃあくれんきに?
(三十六計|:3ミ)
(ガハハハハハハハ)
(ああああああああ)
(う、うふふふふふ)
ふん!
つか、1人だけ毛色が違ってたような。まっ、いっか。
それにしても人の事出汁にして賭けとは相変わらず良い根性しとるやんけ?
(落ち着いて下さいよぉ~これはある意味お仕置きなんですからね~(・ω・))
お仕置き?ワイは悪い事した覚えはねえぞい?
(いえ、こちらの話です。まぁ、一番の被害者はあなたなんですけどね?)
ん?聞き捨てならん事仰らなかったかい、今?
(はい、あなたの所に騎士さん寄越したのが我々の中の一柱なんですよ。めんご?(^_-)-☆)
その話詳しく聞かせてもらおうじゃないか。
おっと、拒否権はありませんよ?
事情は分かりました。
先ず、女神ルツィアと言う神は存在しない。
基本神達には人の様な名前はないらしい。武の神だったり豊穣の神だったり〇〇神って感じの識別名が普通らしい。
そして、道具の神とやらがその女神の名を騙って美味い物を信徒にお供えさせようとした、と言うのがこの騒動の原因との事だった。
で、今回の騒動は神の決まりにおいて限りなく黒に近いグレーの判定らしく、道具の神は現在神々のパシリになってヒィヒィ言ってるようだ。
多少、溜飲は下がったもののネチネチアシュラード君はそう簡単には許しません。
神々とゴニョゴニョした結果、これから女神ルツィアに奉げられる供物は他の神々に召し上げられ、当分の間道具の神には回されない事になりました。
けど、話を聞く限りどうやら道具の神がやってることを目溢ししようとしてた神々も居た臭い。ホント神って碌でもない。
とりあえず、裏事情をリック達にぶっちゃける訳にもいかないのでこの事はそっと私の心のタンスに仕舞われましたとさ。
「おっと、失礼っす」
「あ、いえ、こちらこそ」
いかんいかん、歩きながら考え事してると危ないな。
皆もながら歩きには気を付けよう。
ぶつかりそうになった人もだけど、他国から来る人増えたよなぁ。
このままの集客率を維持して僕ちゃんも安泰な領主ライフを送りたいもんだよ。
「おや、坊ちゃんじゃないか。これどうだい?」
気の良いおっちゃんが何かくれたぞ。
串焼きだ。はぐはぐ
うめー。ピリ辛ダレが食欲をそそるのだぁ
これに米があればなぁ~
空忍たちにそれとな~く米を探してもらっているのだが、全然見つからない。
もしかしたらこの世界に米など存在しないのかと絶望に打ちひしがれている今日この頃。
「それ美味しそうだね~」
ハングリー王子ことリック様が串焼きに狙いを定めてやがる。
一体コイツの胃袋はどうなってやがる!
「ん?なんだい、隣のお偉いさんっぽい兄ちゃんも欲しいのかい?あげても良いけどその衣装にタレが着いちまわないかい?」
確かに白を基調とする九天騎士の正装に汚れなんか着いたら大変かもしれない。
もし、それが普通の服ならばだが。
「あ、おじさん、大丈夫だよ!このマントは特別だから!」
そう、彼の着ているマント何と汚れや傷が付くと勝手に修復するらしい。
所謂、魔導具に分類される超貴重品なんだとか。
因みに戦闘の際はしっかりと防具として機能するこれまた優れものらしい。
魔道具ってのは魔力を通すと火が付くコンロとか灯りがつくランプとか魔力を使って動かす身近な道具のことで、その中でもリックの羽織ってるマントの様な桁違いなものを魔導具と呼ぶのだとか。
自分も欲しいっす。
「そうかい?なら良いんだけど、気を付けて食べな」
「ありがとっ!」
目にも止まらぬ速さで串を掻っ攫うと串を横に倒しタレが落ちる前に一気に下段の肉から串先の肉までを串から引き抜きごくりんこ。ここまでおよそ3秒。
君はフードファイターか何かかい?
「うまい!!濃いけどピリッとした辛みが食欲を進ませる~」
満面の笑みです。
近くに居たマダムや若い女子たちが頬を赤らめてるのはナンデカナ?
チッ、これが格差社会の現実だよチクショウめ!
「この味、サウザールのオッコメ―と合いそうだよなぁ」
うん?今何か言ったか?
「リック様、今何と?」
「へ?いや、このお肉がオッコメーと合いそうだなぁって」
「そのオッコメーとは一体!!」
「いや、何か今日一番の熱だね?まぁ、僕達の主食ってパンでしょ?オッコメーはね、サウザール王国で好まれている穀物なんだ。白くてぷちぷちしてるんだよ?」
なんと!
それは正しくおっ米-じゃありませんか!
サウザール王国聞いた事がある様なない様な。
誰か教えて!
「坊ちゃん。サウザールっつったらあれですよ。幾つもの獣人たちが集まってできてる多種族国家じゃないすか?」
マックスよ久し振りの登場と説明ありがとう。
そんな国があったとは、では早速
「でも、確かオッコメ―はサウザールの本国内でしか食べられなかったんだよなぁ、外への持ち出しは出来なかったっけ」
ぬうあにぃぃぃ?
何ですか、つまり食いたいならその国に行くしかないと。
ならば行った序でにワイの空間魔法でちょちょいと
「坊ちゃん、何考えてるのか大体分かりますけど、国単位で問題起こさないで下さいね?」
ナ、ナニヲイッテルノカナー?
マックス君、君の言ってる事僕には全然全く見当もツカナイヨー
「この事ご領主には伝えときますからね?」
クソがあああ!
不真面目マックスが調子に乗りおってえええ
許さんぞおおお!
こうして折角灯ったアシュラード君の希望はすぐに掻き消されるのであった。




