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第50話

 休みって素晴らしいですよね。

 失って気付くその輝き。


 今話は視点がコロッコロ変わりますのでご注意ください。

 では、どうじょ(/・ω・)/



 振り向くと予想通り、金ぴか君が仁王立ちで踏ん反り返ってました。

 何でしょう。苛つくから蹴って良いですかね?

 え?ちょっとだけだから。先っぽだけだからさ、イイヨネ?


 「貴様、あのような勝ち方で恥ずかしくないのか!?」


 あ~、あなたそういうタイプですか。

 メンディー!!審判員さん、後宜しく!


 「正面からあの平民に勝てんと思ったからあのような小狡い手を使ったのだろう?ん?」


 「いや、狡いも何も魔法の使用は認められていますよね?直接ダメージを与える技を使った訳でもないのにどうして貴方はそんな下らない言い掛かりをなさるのです?」


 煽ってるって?知るか。

 こんなアホ真面目に話してもこっちが馬鹿らしくなるだけだ。

 しかもゼンさんを平民扱い。特権階級意識が滲み出過ぎてて気分が悪い!


 「な、キサマァァ、この俺の言葉を下らない言い掛かりだとおおおお!!」


 ほら、自分が侮辱されたと勝手に思い込むんだもん。

 自分が少し前に言ったこと思い出してみろっつうの。


 「エビル様、どうか、この場ではお控え下さい!おい、そこのお前もエビル様に謝罪しろ!」


 は?誰アンタ?

 つか、俺が謝る理由何処にもないんですけど。

 もうどうなってもいいや。こいつらにはぜぇぇぇっったい謝らんのです。


 「お付きの方ですか?お願いしますよ、しっかり監督して頂かないと。こっちはいらぬ言い掛かりをつけられて大変迷惑してるんです」


 「なっ!貴様、この方はな「エビル・サークッド様でしょう。知っていますとも。ですが、それと、この事は全く関係がないのでは?この場はシルフェウスとリッデルの両国の学生が鎬を削り、友好を深める筈の場です。そしてこの場において平民と貴族、下級貴族と上級貴族そんなもの不要なものの筈。そのような場において戦った者の意を汚し、更にはそこに家名など持ち出すなど、その方こそ謝罪すべきなのでは?」


 いかんいかん。久し振りにキレちまったよ。

 あ、あと忘れてた


 「そしてエビル殿。ぜんさ、ゼンガロム殿の近接戦闘は真に見事なものでした。ですから私はそれに敬意を表して自らの本気でお相手したのです。その本気の勝負に貴方は異を唱えられていらっしゃる。これほど私、そしてゼンガロム殿にとって恥を塗られることは無いと思いますが、如何です?」


 男の喧嘩に口を出すなってじっちゃん(転生前)も言ってたぞ!

 ったく、見苦しいんだよ。

 ん?あれ?なんで観客の皆さん静まってんの?

 なんかマイクっぽいのがこっちに向けられてる・・・・・・嫌な予感が


 ワアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!


 どうやら今の遣り取りを閉会式用にセットされていたマイクがしっかり拾っていたらしい。

 いかん、キレすぎて気付かんかった(;^ω^)


 てか、皆さん何故にそないに盛り上がってまんねん。

 まぁ、でもおかげで金ぴかもちょっかい出せなくなったから良しとしよう。

 では、さいなら~

 アシュラード君は逃げるのです。



 因みにこの試合とその直後の遣り取りからアドバンス家の長男の勇名はシルフェウス、リッデルにてしばらく噂されることになる。更にはそれ以外の国々にもその名が届くことになるのだが知らぬはやはり本人だけである。




 〇 ジャコンド・ザン・リッデル 〇




 パリィィィン


 高価なグラスが宙を舞い高い音を立てて砕け散る。

 そのグラスを投げたのは1人の王だった。


 「この怒り、どうすればいい」


 ここでお付きの者は「既にグラスにぶつけておられます」等と揚げ足を取ったりしない。

 そんな発言は自分の命を縮めるだけと分かっているからだ。


 「折角、完膚なきまでにシルフェウスを折れると思っていたと言うのになんだあの様は!!」


 今年度代表最強の呼び声高いゼンガロムを出しての一騎打ち。

 勝利を確信したジャコンドは遂シルフェウスの王にこう口を滑らせてしまった。


 「13~15歳の者であればこちらは構いませんぞ?何でしたか、噂に聞くアドバンス家でしたか?そこの倅がとても優秀と聞いておりますぞ?」


 今思えば、あれは失言だった。

 シルフェウス国王は「リッデル国王が良いのならば是非こちらはアドバンス家のアシュラードを出させて頂きます」と乗って来たのだ。

 もし、これでゼンガロムが勝てば、シルフェウスは在学生以外の者まで出しておいて負けた情けない国との印象を強められる。

 ジャコンドは内心シメシメと言った所だった。


 そして、舞台に上がったアドバンス家の倅は一見線が細く、とてもゼンガロムの相手が務まるとは思えなかった。ジャコンドの期待は今までにない程に膨らんでいた。


 だが、結果は違った。

 アドバンス家の倅はゼンガロムの剣を難なく躱し、その上で魔法を発動し身動きを取れなくさせ、勝利をものにした。

 完敗だった。少しでも戦いの心得を持つ者が見れば一目瞭然だった。


 それだけなら、彼は不機嫌になるだけで済んでいた。

 問題はその後だ。サークッド家の倅がやらかしたのだ。

 そして、それをアドバンス家の倅がぴしゃりと説き伏せた。

 あれは戦いに従事する・しない関係なく聴く者達の心を掴んだ。

 なんせ、貴族である自身が貴賤など関係ないと声高々に述べたのだから。


 あれがなければ、良い交流戦で済む筈だった。

 だが、あの一連の出来事のおかげで、シルフェウス天晴の声が数多く生まれてしまったのだ。

 完全に今年の交流戦はシルフェウス王国の勝利であった。



 「おい、あのゼンガロムを破った者について調査せよ。あれはいずれ我が国の障害に成り得る」


 「はっ!」

 

 当然、以前からの調査していた情報もあったのだが、これを言っては「何故報告しなかった!」と理不尽な怒りを買うだけなので、部下は只々返事をするだけである。


 もしかしたら、これが完全にアシュラード・アドバンスがオリシスの表舞台に立った瞬間だったのかもしれない。




 〇 ??? 〇




 「まさかだったな」


 「そうっすね。あれは別格でしたね」


 男2人が話題にしているのはアドバンス家の長男のことである。

 ゼンガロムを圧倒した戦いの腕、そして王族の縁戚にも怯まぬあの弁論。


 「要注意だな」


 「ええ、それとあの男にしてもそうですが、あの家はちょっと普通じゃないですって」


 自分を簡単にあしらった男の事を思い出し、真面目な顔の上司に部下の男はついつい愚痴ってしまう。

 だが、それほどのものなのだ、アドバンス家と言う存在は。

 今もシルフェウスの王都にて情報収集を続けているが、詳しい情報は一切手に出来ていない。

 叩いても叩いても埃一つ出て来ないのだ。

 アドバンス家自体をやっかんで生まれた出鱈目で悪意のある噂はある程度存在を確認している。

 だが、根拠のある悪い噂や男爵家の内実の情報が全くと言って良い程掴めていない。


 「恐らく、我々のような存在がいるのだろうな」


 上司の男は事も無げに男が薄々思っていたことを口にする。

 一貴族、それも男爵家がその様な裏の存在を使役する。はっきり言って異常だ。


 「あの男もそうなんでしょうね」


 「ああ、間違いないだろう。と言うかそれ以外考えられん」


 男は溜息をつきたくなった。

 全員があの男レベルの者とはいかないだろうが、末端の者でもそれなりの腕があると推測はできる。

 男の勘もそう言っている。これは男達の中で確定事項だ。


 「まぁ、そこまで気に病むな。あのような存在が他国にあったと分かっただけマシだ。それにあの男もそうだが、あの家自体話の出来そうな感じだったし今の所は問題ないだろうさ」


 上司の男は全く気にする素振りはない。

 だが、部下の男は知っている。上司が次から次に酒を飲む時は、嘘を言っているという事を。

 それを分かった上で男は上司に乗っかることにする。


 「そっすね。ま、今は酒を楽しみましょーか」


 「そうだぞ。飲め飲め」


 上司に酒を注がれながら男は王都の夜を飲み明かすのであった。




 〇 パトリオット公爵邸にて パトリオット公爵 〇




 噂以上だった。

 アドバンス家の長男。魔法に優れているとは耳にしていたが、まさかあれほどの戦いが出来るとは。

 恐らく王国内の同世代に彼の者に比肩するような者はいないだろう。


 「経済力に後継者は武勇を持つか。厄介だ。が、敵ではないな」


 この男相変わらず何を考えているのか読み辛い。だが、

 

 「全ては、あの方の為に」


 この言葉にだけは普段見せることのない彼の熱が篭っていた。




 下衆キャラ、主にヘイト(?)を集めるキャラが上手に書けません。

 よく書いてるうちにイライラして来てその存在を小説上から消してしまいます。


 難しいのです(´・ω・`)

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