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第48話

 更新ストップ詐欺で申し訳ない。

 只今、1話書けたら少ないストックから1話投稿と言う形でやってます。

 これなら理論上ストックはなくならない!(迷走感


 なので、投稿間隔が空いたらあの餃子先が書けてないんだなと思って下さい。


 そして目下の悩みは3つ

 ヒロイン 

 物語の流れ

 戦闘描写の薄さ

 

 になります。他にも問題は色々あるんですけどね。

 では、どうじょ(/・ω・)/


 試合が始まりました。

 試合順は1年、2年、3年の順です。

 試合時間は15分までだそうです。


 1年生の試合は、まぁ、お察しください。

 僕から言わせてもらえればお遊戯ですね。

 君達、うちのライゼン悪魔ダンジョウに遊んでもらいなさい。

 きっと目が覚めるよ?(*^▽^*)


 「ふわあぁぁ、眠いや」


 すっごい退屈です。


 「ふぉっふぉっふぉ、確かに物足りんの」


 「主、寝て良いか?」

 

 「私も読書して良いでしょうか?」


 爺ちゃんと若手2人はつまらなそう。

 実際苦痛過ぎる。リッデルの1年生もそれなりに鍛えていると言ってもまだ13歳。シルフェウスの1年生も正直頑張っているのだが、アドバンス男爵家(うちら)からしたらどんぐりの背比べですしね。


 「(アシュラード様少し離れても宜しいでしょうか?)」


 カゲゾウが指文字で伝えて来る。

 口にしないと言う事は何かあったのかな?


 「(クロ、付いて行ってあげて?)」


 ぷるぷる


 小さく呟くと「いいよ」と言ってカゲゾウの影に溶け込む。

 う~むやっぱスゲェな影魔法。ワイも欲しいでやんす。

 クロは試合前に怪しいのを見たとも教えてくれました。

 影の中に居るかと思ったら自由に動き回っていたようです。

 良い子だから帰って来たらまたなでなでしないとな。うんうん。

 え?決して俺の私欲じゃございませんからね!


 カゲゾウは静かに席を離れた。

 さてさて、お次は・・・げっ、金ぴか野郎か。

 何か叫んでるようだけど此処までは流石に聞こえない。と言うか聞きたくない。絶対碌でもない事言ってるだろうし。

 

 「ぎゃんぎゃんホントうっせえ」


 キルト君は犬の獣人だからあの声も聞こえてるんだろう。

 感覚が鋭いのも考え物だね。


 で、その金ぴか君の試合は何と言うか予想通りの展開だった。

 シルフェウスの代表選手は中々攻撃出来ず、金ぴか君が攻める一方的な試合だった。

 意外だったのが結局引き分けに終わったことだ。

 金ぴかは最後の方は攻め疲れてバテバテで決着がつかなかった。

 民衆もやっぱり不満気だったけど、野次を飛ばすような輩はいなかった。

 貴族はやっぱり怖いからね~


 1年生の部は結局2勝2敗1分けでドローだった。

 カゲゾウやダンジョウによるとリッデルの国王様の顔が不機嫌になったらしい。

 それ国のトップがやっちゃ駄目じゃね?と思ったけど口にはしません。


 「ていうか2人ともどんな目をしてるんだよ」


 「坊も鍛えれば良いではないか」

 「そうですね。鍛錬に追加しましょうか」


 突如藪蛇の2文字が舞い降りて来ました。何故?

 

 僕ちゃんがそれに絶望したり、モッチーと戯れたり、駄弁ったり、買い食いしている間に恙なく試合は消化されて行きました。内容?んなもん見てねえよ。唯一覚えてるのは筋肉君の試合かな。試合開始と同時にスタートダッシュしてぶっ飛ばして終わり。あれは中々だった。


 そして試合結果ですが、2年生の部は3勝2敗でシルフェウスの勝利。3年生の部は3勝2敗でリッデルの勝利。トータル1勝1敗1分けで御座います。

 で、会場の雰囲気もあまり盛り上がってない。

 勝敗が付かないのって人によっては消化不良起こすからなぁ。


 まぁ、僕ちんとしてはどうでもいいからさっさと終わらして欲しいんですけど・・・ん?


 「諸君、私はジャコンド・ザン・リッデルだ。皆はこの結果にどう思う。私は正直不満だ。結果とは勝敗が分かれてこそ意味がある、そうは思わないか?だから私は皆に問いたい。両国から1人代表を選び、その者達に今年の交流戦の行方を託すというのはどうだろうか!!」


 その声に多くの歓声が上がる。

 あちゃ~、ラスカルの父ちゃんやられたね。こんな不意打ち許しちゃうとは。

 両国民乗り気だし、ここで避けたら明らかに逃げと取られるし。

 つか、リッデルの国王やべぇだろ。どんだけ好戦的なんだよ。戦闘民族か何かですか?


 (単に負けず嫌いなだけですよ?)

 (まぁ、愚王ではないけど賢くもないよね~)

 (あのような輩がいるから自然が廃れていくのです!)


 神様激辛ですね。

 最後の方の言い分は今一理解できないけど、僕ちゃんも概ね同意っす。

 態々、国同士の溝を広げるなんて馬鹿でしょ?


 お偉い方の方の席はざわついてますなぁ。

 まぁ、僕ちゃんには関係ないけどネー。


 

 〇 ??? 〇


 (今回の交流戦は荒れてんなぁ)


 リッデル国王の突飛な発言にそんなことを感じながらも男は情報収集を続けていた。

 アシュラード達を警戒していた男である。

 その男がこの場で集められた情報は、彼等がシルフェウス王国のアドバンス男爵家という者達であること。彼の領地はここ10年ほどで途轍もなく潤っていると言う事等である。後は現領主の長男は変わり者だとか、ちょっかいを掛けた者は消されるなど噂の域を出ないものばかりであった。


 彼なりの推測だがこの家は要注意だと直感した。

 彼の家は男爵家だ。貴族の階級で言えば下級に属するのは間違いない。

 そんな家が領政に成功し富を築けば、上級貴族から搾取されるか、潰される未来しかないのがこの世界の常識なのだ。

 だが、アドバンス家は噂を聴く限り何処の傘下にも入っていないとの事だった。

 これは、武と文のバランスが取れていないととても難しい。

 武に偏れば文の口撃を受け、文に偏れば武の威圧を受けるのだ。

 この2つの両立が出来ているからこそ、この家は単独で貴族社会の海を泳いでいるのだ、男は確信した。


 そして、ここまでで引き揚げようかと思ったその瞬間、突如物陰に連れ込まれた。

 腕にはそれなりの自信があったが為す術がなかった。

 あっという間に首元に凶器を押し付けられ、身動きが取れなくなってしまった。


 「我々を探っていたのは知っている。答えろ、何処の者だ」


 相手の声に感情はない。見事に色を消している。

 男は経験から理解した。


 (こりゃだめだな。誤魔化しが効く輩じゃねぇ)


 恐らく自分が警戒していた2人のうちのどちらかだろう。

 全く情報がない状態から正解に辿り着く。彼の特質はこの「勘の鋭さ」である。

 とりあえず話をせねばと男は慎重に言葉を選ぶ。


 「分かった、話せる部分はちゃんと話す。だから武器を下ろしてはもらえないか?」


 「・・・変な動きを見せれば、分かっているな?」


 男の首元から圧迫感が消える。

 だが、威圧感と警戒は一向に消えることは無い。

 

 「ふー、じゃあ話すぞ。俺は情報屋だ。情報収集の為にこの交流戦に来ていたらアンタ等を見つけてな?それでちょいと情報収集をな」


 嘘ではない。

 男は情報屋としても実際に動いている。

 そして男は彼等の存在を今日の交流戦で初めて知った。

 そして気になったから調べている。


 見事に大事な部分・・・・・を隠しながら説明出来た。

 だが、この様な説明で目の前の人物が返してくれるとは思わない。


 「それは分かった。で、お前は何処の国の者だ」


 「・・・・・・」


 男は沈黙する。

 これが男の答えである。

 

 (あ~あ、死んだな、俺)


 裏に属する者として、自国の事は何があっても漏らしてはいけない。

 しかし、この相手に苦し紛れの嘘は通じない。

 それが分かっていたからこその沈黙。

 そして、話さない捕虜に容赦する輩はいない。

 その時だった


 「ちょっと待ってもらえないか?」


 男の聞き慣れた声がする。

 目の前の相手は振り向かず、そのまま口を開く。


 「此奴の仲間か?」


 「ああ、そうだ」


 あっさりと答える仲間に男は必死で驚きを抑える。


 (何やってんすか。アンタが出て来ちゃいかんでしょ!)


 内心の声が届く筈もない。

 それに既に仲間は来てしまっているのだ。


 「それで、ここにやって来た理由は?二対一ならどうにかなると?」


 「いや、そうじゃない。どうにかそいつを許してはもらえないかお願いに来たんだ。頼む」


 頭を下げる上司に目を伏せる男。

 自分の失態を拭う為に態々姿を現したのだ。

 心の中は歯痒かっただろう。


 「私が此奴を大人しく渡すと思っているのか?」


 「出来る限りの事は約束する。だから、お願い出来ないだろうか?」


 少し考えに耽る目の前の男。その姿は隙だらけにも見えるが、今動けば間違いなく自分の命は刈り取られる。

 捕まった男は動きそうになった体をしっかりその場に留める。


 「なるほど。分かった。それなら1つ約束しろ。我々の事を知りたいなら、好きにすると良い。だが、領民や領家に要らぬちょっかい出すようなら全力で排除する」


 「了解だ。決してそちらの逆鱗に触れるような事はしない。約束する」


 

 言質が取れると、男は去って行った。

 去っていく後ろ姿にも隙は一か所もなかった。


 「すみせんっした!」


 男はすぐに頭を下げる。

 明らかに自分の失態だからだ。


 「別に構わんさ。あれ(・・)は俺でもどうにもならなかったろうしな。だが、惜しいな。あそこまでの人物、是非ともうちに欲しかった」


 上司の目はスカウトの目になっていた。

 この男、優秀な人材を見つけると兎に角誘いたくなって仕方なくなるという癖を持つのだ。


 「それより良かったんすか?あんな約束して」


 あの約束は所謂不可侵の条約に近い。

 諜報活動をする自分達にとっては途轍もない痛手の筈だ。


 「まだまだだな。あの者は”変にちょっかいを出さなければ気にしない”と言ったのだ。だから、表で胸を張って情報収集出来るぞ?」


 「はぁ」


 男はここら辺の駆け引きではこの上司には勝てないなと思った。


 「よし、とりあえず我々も最後の試合を観に行こうじゃないか」


 そう言って上司は歩き始める。

 男もそれについて行った。


 その最後の試合で度肝を抜かれることになるのだが、この時彼等ははそんな事当然知る由もなかったのである。


 

 クロの出番なかったですね。

 いや、申し訳ないです。


 母のコロッケが無性に食べたいです。

 自分は名前通り餃子しか作れないので。


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