第41話
文字数が多いです。
何か多くなっちゃいました。
それと活動報告にてご報告があります。
「セルラーヴ様!!」
予想通り、ラスカルの兄上様のようです。
それにしても凄く偉そう。
顔が良いから余計に腹立つわ。
「王子殿下、お初にお目に掛かります、アドバンス家当主、ラクトル・アドバンスと申します。」
父上、王子だからかめっちゃ丁寧だな。
もういきなりグーパンでも問題ないと思うんだが。
「ラルフの件につきましては国王陛下より許可を既に頂いておりますので何卒ご容赦下さい。」
うん、これで終わり
ませんよね?
「ならば勝負しようではないか。強き者がその強き魔物の所有者に相応しかろう?」
謎の思考回路ですな。
一回頭掻っ捌いて中身見てみたいわ。
「いえ、申し上げた様に国王陛下から許可を・・・・
父上ファイト!!
陰ながら応援してるぜ!
ん?おいおい何でこっちに王子の護衛らしき奴らが来てんだよ。
「これは如何様ですか?」
シュルツとマサが兵士の前に立ち、カゲゾウが問い掛ける。
イケメン過ぎぃ!!
「なに、その魔物も我と触れ合えば、我の偉大さに気付くであろう。だから、こちらに呼ぼうと思ってな。だからそこを退くが良い。」
結局はこれですよ。
話が通じないんだ。
世界の中心=俺様の超理論だもんな。
気付いて下さいよ、自分がどれだけ馬鹿な事してるかってことをさ。
あ、ラルフがGRRR唸ってる。
あれ食べちゃ駄目だよ?ばっちいから。
しゃーない
「セルラーヴ王子殿下、貴方様のやっていることは国王陛下に恥を掻かせることだと分かりませんか?国王陛下がお認めになったことをどうして殿下が否定なさるのです?」
「何だ、貴様は?我にその様な口を利いて唯で済むと思っておるのか?」
おい、人の話聞けよ。
何で偉そう云々の話になんだよ。
精神科医呼べ。
王家専用の心理カウンセラー用意しろ、急げ!
「話を理解できていない様なので再度申し上げます。国王陛下の裁決を王子殿下が覆すことなど不可能だと申したのです。お分かりですか?」
ちょっとどや顔で殿荷を見る。
字は間違えてないよ?だってお荷物じゃん、国の。
「貴様ぁぁぁぁ!!」
うるっさいなぁ。
図星を突かれるとすぐにキレる。
全く最近の若者はなっとらんな。
え?お前も10歳だろって?良いんですよ、実年齢(五)十歳なんですから私。
「殿下!!いけません。この様な場所で揉め事など」
宰相、はぁはぁ言いながら再登場。騒ぎを聞いて走って来たようですね。
少しは運動しろ。みっともないぞ。
そして、結構焦ってますな。
ま、醜聞には違いないしな。俺は悪くないぞ?手綱を握っておかなかったそちらの不手際だ。
「ビトレイ!!こやつを牢にぶち込め!!こやつ下級貴族の分際で、この我に!!」
おうおう、勝手に自爆して逝くな~
だから言ったでしょ、軽い神輿は壊れやすいって。
言ってない?んじゃ、今言った。これでOKですね。
「殿下、何卒、何卒、抑えて下され。ここで問題を起こしては後々の継承に支障が出ますぞ!」
いや、もう十分支障出てるだろ。
この姿を見てコイツを国王にしたがるなんてよっぽどの阿保か敵国の草ぐらいだぞ?
それでも支持する奴ってのはいるのかもな。自分の益の為に。
ホント糞だな。ちょっと国王に同情。
いや、息子に碌な教育してないからやっぱ同情は無しだな。
つか、どうやったらこんなモンスター出来るんだよ。
是非その調合方法教えて欲しいわ。
「何をやっている」
物凄く冷たい声が廊下に響き渡る。
騒いでいた殿荷ぁ!も冷水をぶっ掛けられたかのように静かになった。
「陛下っ!これはですな、「セルラーヴ、答えよ」
宰相閣下(笑)の言い訳しようとする声をぶった切り国王様は静かに殿荷に問い掛ける。
さっきの目もそうだったけど、本気で怒るとやっぱ一国の王って感じだな。
人としての重みって言うのかな、そう言うのが他の貴族とは段違いなのが分かる気がする。
そして多分だけどこの殿荷よりもラスカルの方がそれを色濃く受け継いでいる気がしなくもない。
素直に褒めるのは癪なので断定はしません。
「何もありま「これだけの騒ぎを起こして何もない訳がなかろうがっ!!」
いやぁ、すぐにでもこの場から退散したい。
他の貴族もこの公開説教の流れを感じ取ったのか、居心地が悪そうだ。
今、派閥を超えて皆の心は一つになったのだ!!
そしてシルフェウス王国は一つにまとまったのです。めでたしめでたし、とはいかないのです、残念ながら。
確か殿荷の御年は17,8だったか?丁度高校生ぐらいか。
高校生の年代って親に説教されるのすげぇ嫌がるもんだよね。
しかも公衆の面前で。そして殿荷はプライドめっさ高い。
ほら、例に漏れずプルプル震えてる。
もうね、敵方は兎に角プルプル震えないと気が済まない定めにでもあるんだろうよ。
モッチーは当然違うよ?
あんな奴らと一緒にしちゃあいかんぜよ?
「男爵家の者達に謝罪せよ」
え?国王様、流石にそこまでせんでよかとですよ?
うちはさっさとこの場をお開きにしてくれれば問題ないのですから。
「ッ!・・・・・」
ほらね?モラトリアム人間は繊細なんだから。
無理に謝らせるなんて逆効果ですって。本人がやったことの意味を理解できないうちは無駄ですよ。
だからね?もう
「だんまりか。自分のやったことの責任も取れぬような者には王位など相応しくない!しばらく謹慎して頭を冷やせ、この馬鹿者めが!!」
え~、ちょっと王様ぁ、味方してくれるのは嬉しいですが、素直に喜べませんぜこの状況。
「男爵家の者達よ済まなかった。この馬鹿者には確と言いつけておく故許してはもらえんか?」
「い、いえ大丈夫で御座います。国王様、そのお言葉だけで我々としては十分です」
父上テンパってる~
国王に謝られたらそら焦るわな。
「そうか、助かる。ではな、これからもこの国を支えてくれ、頼むぞ?」
『ははっ!』
男爵家一斉にお返事であります。
う~ん学生時代、スパルタ体育教師の集団行動の授業を思い出すな。
あれは辛かった。じーさん教師だったが、重箱の隅を突くかの如くネチネチ言われ続けたからな。
陰で悪口言いまくってたっけ。
そして国王は去っていく。
殿荷ぁ!はこっちをギロッと睨んで宰相と一緒に戻って行った。
お~い、菓子の出所聴いてないぞ~
ま、いいですけど。
そして周囲にいた観衆達もその場を次々と離れて行った。
「あ~あ、完全に殿下に嫌われちゃったね」
「元々は坊ちゃんが喧嘩売ったからでしょうに、まぁ大分スッキリはしましたがね?」
「私もあれは仕方ないかと、あまり下手に出ても付け上がらせるだけだったでしょうし」
「俺も若のおかげでスッキリしました!」
皆概ね肯定的だな。怒られるかと思ったけど、大丈夫なようだ。
「しかし、ご領主様如何しましょう?あの様子なら後々確実に我々を狙って来ます」
マサは冷静だな。見た目はめっちゃ脳筋っぽいのに。
マックスよりよっぽど物を考えてる。
「それは宿に戻ってから相談しよう。一刻も早く休みたいよ」
情けない声を上げる父上。
まぁ、今日は緊張の連続だったから仕方ないな。
「違いねぇや。早く帰って一杯やりましょうや」
お前特に何もしてないだろマックス。
〇 とある殿荷の私室にて 〇
「何故だ!!何故我があの様な恥を掻かんねばならんのだ!!」
セルラーヴ王子殿下は怒りが収まらない様子であった。
無理もない、これまで碌に叱られることなく、周りからは耳障りの良い言葉しか貰って来なかったのだ。
これは偏に国王の責とも言える。
「殿下、お控え下され。お怒りは分かりますが、今反省の兆しがなければ、陛下の御心は殿下より遠のきますぞ!」
既に結構な距離を離れているのだが、それを真面目に伝える訳にもいかず、ビトレイ宰相は内心舌打ちしながら王子を宥める。
「お前も我が悪いと言うのか、ビトレイ!!」
「い、いえ、決してその様には」
もし、この様な場面でビトレイ宰相がちゃんと殿荷を叱れるのであれば、王子のこの性格ももう少し真面になっていたかもしれない。
元々宰相には殿下を思う心など露ほどもないので土台無理な話なのだが。
「そうだろう?全てはあの男爵家の小童だ。あやつが我に盾突かず素直に魔物を差し出しておれば!!」
まだ怒りが収まらないのか、憤怒の顔を崩さぬまま王子は見るからに高価な杯に注がれた飲み物を荒々しく一気に飲み干す。
「殿下、ここは我慢の時ですぞ?ここで全てを許す姿を見せ、殿下の寛大な御心を皆に見せつけるのです。お辛いでしょうが、見事耐え抜けば陛下も殿下の事を見直すに違いありません」
王子は嫌そうな顔をするが、他に自分で良策を考え付く筈もなく、それを受け入れることにする。
「仕方ないな。そちの言う通りにしようぞ」
(当分は控えねばならんか・・・)
ビトレイ宰相は今回の一件で利かせていた幅を落とすことになったのは間違いない。
一男爵を嵌めようとして逆に自分が穴に嵌ったのだ、これは致し方ない事だ。
更にはセルラーヴ王子の騒動である。
(だが、阿呆のおかげで菓子の件は有耶無耶に出来そうだ。今回は大人しく身を引いてやろうではないかまぁ男爵如き何時でもどうにかできるであろうしな)
その男爵達に好い様にされたことを彼は既に記憶から消し去っている。
都合の良い頭とは正にこの事なのかもしれない。
そして、吉か将又、凶か、宰相派の首は何とか繋がったままで男爵の謁見は幕を閉じた。
今回の一件、宰相一派にとっては非常に大きいダメージだった。
恐らく今回の事を知った幾つかの家が宰相派を離れるだろう。
そして日和見していた者の中には恩を売ろうと宰相に近づく者、勝ち馬に乗ろうと公爵派に擦り寄ろうとする者と様々だろう。
しかし、彼等宰相派の首は何とか皮一枚繋がったのである。
この事が彼等の栄光を呼ぶか、破滅を招くかは本人たちには当然分かる筈もなかった。
〇 アドバンス男爵邸 ライゼン 〇
その日、ライゼンは男爵婦人とその子息達の護衛に着いていた。
現在、領内の主力とも言える戦力たちが居ない中、自分の責務に真剣に取り組んでいる。
「今日もご苦労様ですね、ライゼン」
男爵夫人は優しい微笑みで労を労う。
そこに竜人の彼を嘲る様な所は一切ない。
「ライゼン、喉渇いたでしょ?だからこれあげる!」
「ど、どうじょ」
子息達も同様でそれどころか竜人の彼に興味津々である。
これにも流石のライゼンは全く動じない。
「これはありがたい。是非とも頂こう」
そう言って、イリスからカップを受け取り、それを口にする。
「うむ、大変美味しゅう御座いますぞ」
キャッキャッと喜ぶ2人を尻目にライゼンはこれまでにない心の平穏を自覚する。
(この様な生活が出来るとはあの時は)
元々ライゼンは流れの冒険者だった。
様々な国を渡り歩き、半分旅人の様な所もあった。
彼の実力は当時から優れており、いくつものパーティやクランから誘いがあった。だが彼は一人であることを貫いた。
その結果、奴隷になってしまうのだが。
「ライゼンどうしたの?」
「どしたの~?」
イリスが過去を思い返していた彼の雰囲気の変化に目敏く気付く。
この年頃だから気付けた些細な変化だったのかもしれない。
オルトーは姉に乗っかっただけである。
「いや、過去を少し思い出していただけで御座います。」
夫人は彼が奴隷となっていたことを知っているので何も言わない。
優雅に茶を飲むのである。それが彼女なりの気遣いでもあった。
「む~、今はイリスやオルトーにお母様がいるから大丈夫だもん!今は居ないけどお父様やお兄様だっているもん!だからそんな悲しそうな顔しちゃだめ!」
「(コクコク)」
(幼子とは此処まで鋭い物なのか)
ライゼンはその鋭さに舌を巻く。
イリスはライゼンの過去など当然知らない。
しかし、その過去を彼自身がどのように思っているのか、なんとなくではあるが理解しているのだ。
そして彼は過去の事を一旦頭の片隅に追いやる。
護衛対象、それも子どもに心配されるなどあってはならないことなのだから。
「そうですな。これは失礼した。我には今男爵家の皆様がおりますものな」
ライゼンの返答に満足したようでイリスはウンウンと首を縦に振っている。
もし兄馬鹿が見ていたなら「なんて可愛さだ!!カメラ持って来い!!」等と宣っていただろう。
ライゼンが気を持ち直したその瞬間、男爵邸の周りに複数の気配を感じ取る。
間違いなく、男爵家の者とは異なる者達の気配。
傍にいた空忍のインとホウも少し遅れて気付いたようで、ライゼンに目配せする。
「奥方様、誠に申し訳ないのですが少し用足しに抜けても構いませぬか?」
「ええ、付きっ切りじゃ大変でしょう?いってらっしゃい。」
「忝い」
念の為、代わりに邸内の兵士を3人程呼んでから、その場を離れる。
皆、ライゼンが鍛えている者達で何かあっても問題なく対処できると踏んで護衛を任せる。
その場を離れた瞬間、身体強化を行い一気に目標の所まで駆け抜ける。
そして辿り着く。そこには6人組の男達が居た。
恐らく冒険者だろう。
「貴様ら男爵家に何用だ?」
あえて強い口調で問い掛ける。
只の有象無象なら大抵の場合これで逃げ帰る。
だが、今回はどうやら違うようだ。
「ノコノコ出て来るたぁご苦労なこったな」
「おい、気を抜くな。コイツできるぞ」
「でもこの人数差だし、問題ないだろ?」
「つか、コイツ何だよ?」
「亜人じゃねぇか?」
ライゼンを前に随分と余裕が見える。
この余裕、自分達の腕に自信もあるのだろうが数的優位によるのが大きい。
余裕を見せないのは先程注意を促した1人のみ。
そこそこの腕はあるのだろうがそこまでの者達。
ライゼンは警戒を怠ることなく、純然に相手の力量を計る。
「ま、少々強かろうが別に良いけどな、なんてったって俺達は「喋り過ぎだぞ!」わぁったよ、チッ!」
「それについては問題ない」
ライゼンの呟きは彼等には届かなかった。
「ま、悪いけど見られたからには死んでもらうぜ?俺達も貴族殺しで処刑されるなんて御免だからな。」
「確か今居るのって男爵夫人とガキ2人だろ?」
「美人だったら犯すのもありかもな?」
「それじゃあ早いとこコイツ片付けねぇとな?」
ゲラゲラと男共は下卑た笑い声を上げる。
仲間の一人がそれを嫌そうに目にやる。先程から仲間を注意している男だ。
ライゼンは男達の下衆な発言への怒りに蓋をする。
決して怒りを無理矢理抑え込む訳でも消す訳でもない。
二度とあの時の様な事は起こさせない。
彼自身の誓い。それに従い優しい竜人は修羅と化す。
(おじちゃん、ごめ・・・ん・・・・・ね)
幼い少女の途切れ途切れの声。
そして、それは正に刹那の出来事だった。
「えっ?」
気付いたら男達の内前方に居た2人の首が飛んでいた。
頭を失った体はそれに気付かず、立ったままとなっている。
「なっ!」
「遅い」
一瞬固まった男に竜人は一瞬で近寄り手刀で心臓を一突きする。
崩れ落ちる男。
なす術なく半数が屠られた。
残った3人の内の2人は漸く気付く、自分達は狩られる側だったのだと。
そして1人は竜人の予想を上回る強さに冷や汗が止まらなくなっている。
更にはこうも思った。
(俺の悪運もここまでか)
男は武器を地面に投げ捨てる。
しかし、運命の女神はこの男に機会を与えた。
恐怖した2人の男達が一目散に逃亡を図る。
戦いの最中相手に背を向けること程愚かなことは無い。
だが、それ程までに男2人は恐怖したのだ。怒れる竜人に。
竜人の素の身体能力に加え身体強化した速さからは人族の彼等では到底逃げられない。
一気に後ろに追いつき手刀で急所を貫く。
只の防具で防げる訳もなく、男達の一生は呆気なく終わった。
残されたのは、たった1人。
「お主は逃げんのか?」
「逃げた奴が今やられただろう。それに俺はこいつ等より弱い。だったら素直に殺された方がマシだ。それより俺をさっさと始末してターゲットに向かった方が良いぞ、別動隊が動いてる筈だ」
男は少し自暴自棄になっているようだった。
「それについては問題ない。こちらも気付いておる。既に粗方処理しておるようだしの。」
だから自分だけがこの場所に来ているのだ。
敵と思われる気配は既に殆どが消失している。
「そうか、最初からバレてたのか」
男は自嘲気味に笑う。
そして竜人は思っていた疑問をぶつける。
「何故、お主はこの者らと組んでおったのだ」
「そりゃ簡単だ。金さ。俺みたいな弱っちい奴が稼ぐには徒党を組むしかないのさ。アンタみたいな強さがあれば違ったんだろうけどな」
その言葉には妬みより羨望が含まれているように思えた。
この者はまだやり直せる、ライゼンは何となく分かった。
「ならば、我、いや、男爵家に身を置き鍛えてみんか?」
「えっ?」
男の顔は酷く愚かな顔だった。
それだけ吃驚したと言う事なのだろう。
「もう一度、一からやり直してみる気はないかと聞いておるのだ。お主は我の知る者によく似ておる。その者もお前の様な目をしておった」
それは他の誰でもないライゼン自身のこと。
だが深くは語らない。
そして男は尋ねる。
「出来るのか?俺なんかが?」
「それはお主次第だ。我はその機会を用意するだけに過ぎん。で、どうするのだ?」
男はしばらく悩んでいた。
そして、
「すーーーーはぁーーーーー」
一つ深呼吸。そして男は思い切り自分の両頬を叩く。
バシィィィン!!
男の頬は真っ赤で目には涙が浮かんでいる。
「襲っておいて非常識なのは俺も十分に分かってる!でも、俺も変わりたい!頼む、いやお願いします!自分に機会を下さい!」
そう言って男は土下座する。
竜人はそれを見て安堵する。
「よし、ならば付いて来い。この死体を片付けるのに人を呼ばねばならん。そしてお主の知っていることを洗いざらい話してもらうぞ?」
「は、はいっ!」
(勢いでやってしもうたが、ご領主と童は許してくれるだろうか)
襲撃者をスカウトしたなどと言うことをどう雇い主に説明しようかと悩むライゼンであった。




