第39話
はいはい、謁見当日でごわす。
朝食摂取完了。おトイレにも行きました。身嗜みも多分大丈夫。
謁見に伴う国王へのプレゼントもOK。
あ、このプレゼントってのは賄賂では御座いません。
所謂、戦国時代の高貴なる御方への献上品ってのと大差ない物とお思い下さい。
まぁ、言うなれば、謁見料ってやつなのかな?
呼ばれたから来たのに供物までとは理不尽ですよね?
てか、そんな品を泥まみれにしかけたんだから父上も怒るわな。
「いいかい、アッシュ?決して問題を起こさない様に、良いね?」
「父上、お言葉ですが、私は自分から問題は絶対に起こしませんよ?」
「言い換えれば、相手に何かされたらやり返すって聞こえるのは僕の気のせいかな?」
「そ、そそんな事ないですよ?(/ω・\)チラッ」
「両の眼でちゃんと僕の目を見て言ってくれると僕も安心できるんだけどな。」
「ご領主、坊ちゃんにそんな事期待しちゃいけませんぜ?なんてったっtグォッ!!」
神速の肘打ち!!
朝っぱらうるさいですよ?マックス君。
慎みというものがあなたには足りませんね?
「そういうところが心配なんだよ・・・」
「アシュラード様、私たちに謁見の権利は御座いません。ご領主様とアシュラード様のみです。十分に気を引き締めて、お臨み下さい。」
マリウス君、心配し過ぎだよ。
って、分かった分かった。ちゃんとするから。
だからその目を止めてくれ。さっき行ったばかりなのにまた用足しに行きたくなる。
「何言ったて主には無駄だろ。王子も言ってたし。」
キルト君、君も少しは敬意というものをだね
「キルト、王子殿下とちゃんとお呼びしろ。お前の軽率な発言でご領主様達に迷惑が掛かるんだぞ?」
え?そこぉ?
主に敬意を払えとかじゃなくてそこぉ?
僕ちゃん泣いても良いですかね?
「ちっ、分かってるよ。」
ここはマリウスに軍配。
皆も見慣れたのか、この2人の口論には一切口出さなかったな。
普通こういうのって止めないかね?
やっぱ男爵家ってちょっと変かも。
◇◇◇
やって参りました、王城です。
王城に入れるのは父上、ワイそして護衛4名まで。
護衛はマックス、シュルツ、カゲゾウ、マサです。
年若いマリウス、喧嘩っ早いキルトはお留守番です。護衛の腕も前述の4人には劣りますしね。
そして特例中の特例でラルフも。
まぁ、ラルフの件で呼んだんだから当たり前っちゃ当たり前だけど
衛兵さんめっさ警戒してます。
正直、疲れる。
ラルフに向ける視線がもうね、職務なのは分かりますけどどうにかなりませんかね?
そうやって城内に進むととある一団に出くわした。
何かニコニコと言うかニヤニヤと言うかそんな微妙な笑みを張り付けたおっさん集団。
着てる服は如何にも貴族って感じに煌びやかで贅を尽くしてます臭プンプンです。
「アドバンス男爵ですかな?」
出し抜けに太ましいおっさんが話し掛けて来る。
これ、かなりマナーとしては良くない行為です。
現代とかでも、最初は挨拶から入りますよね?この世界もそこは同じなのです。
それでも身分の高い者の中にはこういう人もやっぱりいるものです。
自分は偉い、自分は他とは違うと言った勘違いを現実として認識している人。
非常に迷惑です。
「はい、そちらは?」
お、父上、強気だねぇ。やっちまえ!右ストレートで一発K・Oじゃあ!!
相手も眉がピクッてなったぞ。ざまぁ
「いや、やはり田舎の男爵殿には流石に私の名も届いていないようですな。私はサルモネア伯爵家当主、ブッデーゲス・サルモネアです。以降お見知りおきを。」
ブフォ!!後ろから読むとスゲーデブだ。名は体を表すってか。
マックスがこちらを見ている。
口パクで「スゲーデブ」と伝えると意味を理解したのか、体を震わせている。
ん?俺は悪くないよ?勝手にマックスが笑い堪えてるだけだ。
「それはそれは。スッゲーデb、失礼。ブッデーゲス・サルモネア伯爵殿、私はラクトル・アドバンスと申します。爵位はご存知の通り男爵位です。それで此度は如何様でしょうか?」
『(ブハ!!)』
いやいや、父上。何やらかしてくれてんすか!?
マックスと俺の笑いが外に出るとこだったじゃないか。
態とか?いや強ち天然かもな。
いかんぞ、スゲーデブのこめかみがピクついてる。
必死に怒りを堪えてるようだ。
「な、なに、そちらの獣について話がありましてな。その狼、セルラーヴ王子殿下に献上して頂けませんかな?」
本題に来たぞ。
「そうすれば、殿下の覚えも良くなりますぞ?何と言っても次期国王様になられるお方ですからな。」
いやいやいや、国王様まだご存命だし気が早すぎだろ。
この発言ってかなり無礼な発言じゃないか?
ここで突然国王本人が来たら面白いんだけどな~
「それにその様な力男爵殿には過ぎたお力でしょう。昨日の様に何時何処から狙われるか分かりませんぞ?」
いや、まさかの自白か?
多分、盗賊かぶれを寄越したのはこいつ等だろう。
頭が碌に回らないとことかそっくりだし。
で、問題なのはカゲゾウ、マサのおっかねぇコンビから逃げ果せたあの刺客だ。
俺はどんな奴か全く分かんなかったからあのもこのもないけど。
あの刺客は何処からの手の者だったのか、考えても分かりませんから投げっぱなしジャーマンで。
小難しいことは頭脳明晰な方々に任せましょう。
「何よりその様な強き魔物は次期国王様たるセルラーヴ王子殿下にこそ「何をしている!」
いい加減煩わしいな~そろそろ血着と逝こうか、等とクソ共に必殺<地面の下からこんにちはカンチョ―アースニードル>でもしようかと思ったその瞬間、男性の声がその物騒な思考を奪い去った。そして俺達が来た方とは別の方向から人影がやって来た。
「アドバンス男爵御一行ですね?私は書記官のマーブルと申します。遅くなり大変申し訳御座いません。あなた方を待合室へお連れするよう申し使っております。」
眼鏡を掛けた細身の男性は丁寧に一礼する。
この人はクソ豚共と違いこちらに気遣いを感じる。
信用はおけそうだ。
「ご丁寧にありがとう御座います。私がラクトル・アドバンス、そしてこちらが息子のアシュラードです。それではお願い致します、マーブル殿。」
父上、先程とは180度真逆の丁寧な対応。
礼には礼を、非礼には非礼を。これ割と常識。
僕ちゃんもしっかり頭を下げます。
「ちょ、待ち給え、今我々は大事な話を、「それは国王様との謁見よりも優先すべき事ですか?」
マーブル殿カウンターはええ。
電光石火過ぎるわ。
「い、いやそういう訳では、しかし「ならば、謁見の後でも構いませんね?」
いや、最後まで言わせたげて~
さっきまでイライラMAXだったけど、溜飲が降りましたわ。
これが何処かの令嬢さんならステキ!!抱いてっ!!となったことだろう。
だが、残念なことに僕ちゃんは男なんでね。
「それでは参りましょうか、男爵殿。では、サルモネア伯爵失礼致します。」
そう言って歩き出すマーブルさん。
我々もそれに続きます。
すれ違い様
「平民風情が調子に乗りおって」
と聞こえた。
負け犬根性が染み着いてますね。何れその染みを根こそぎ洗い流して差し上げたいですね。
それにしても、平民ってもしかしてマーブルさんのことか?
平民ってのが本当ならかなり凄いんじゃないのか?
平民が王城に勤める文官になるなんてよっぽど優れてないとまず無理でしょうに。
是非ともお近づきに・・・等と狡い事を考えてしまいました。
僕ちゃん案外貴族に向いてるかも?
そして気のせいでしょうか、マーブルさんが時たまこっちに意識を向けてるような。
自意識過剰かも、何でもないでごわす。
待合室まで連れて来てくれたマーブルさん。急いでまた何処かに行ってしまいました。
扉の前にシュルツとマサを残し、残りの4人で部屋に入りました。ラルフも一緒です。それから一応部屋中を鑑定します。
ラスカルも気を付けろって言ってたし。
それから我々は部屋の中でくつろいでます。働け、マックス。
「坊ちゃん、俺はね、今ご領主と坊ちゃんを守ると言う大役を熟してる訳ですぜ?」
そう言いながら置いてあるお菓子を摘まもうとするのでその手を払い、奪い去る。
護衛のやることじゃない。父上も注意しないし、僕がしっかり教育せねば(使命感)
「働かざるもの食うべからずだよ?働かずにこんなもの食べちゃ体に毒だしね。働く働く。」
そう言ってお菓子を空間魔法で仕舞います。
本当に誰がこんな毒入りの物を用意したんですかねぇ?
飲み物の方には何も入って無いようだけどさ。
でも菓子の出所とか聴くと相手に速攻でバレそうだよな。
王城内で毒入りの食べ物。
う~んダークやで
それにしてもうちって本当に嫌われてるんだな。
誰のせいだ?マックスだな。そうに違いない。ふざけんなマックス!お前が仕事サボってるからアドバンス家が嫌われるんだぞ!
なんてのは冗談です。
そう、ほんの少し
ちょっぴりだけ・・・・・
「ひでぇぜ、俺はいつも真面目に働いてるってのに。」
どの口がそれを言うんでしょうかね?僕は君の命の恩人ですよ?もっと敬え。そしてひれ伏せ。
それに僕は知っています、君が領内の警邏中堂々と買い食いしていることを、若い女の子によく声を掛けていることを。
「そ、それは、頼んます!ミーシャにだけはご内密に!!後生です!」
「え~、マックスは真面目に仕事してただけだから別に良いんじゃないのかな~。真面目に買い食いして、真剣に若い乙女に声掛けてたんだからさ~。」
ここぞとばかりに責めさせて頂きます。
乾燥肉の恨み(理不尽)晴らさずでおくべきか!
「アッシュ、その辺にしといてあげなよ?」
父上、甘いです!甘すぎます!!
パンケーキにカスタードクリーム、生クリーム、チョコレート、更には粉砂糖を掛けるぐらい甘いです。
「父上、ミッシェルさんの様な綺麗で教養のあるお嫁さんを持ちながら、若い女性に軟派なコイツの〇〇〇をちょん切って斬首にすべきです!」
そうだそうだ!!嫁が居るのに他の女性に粉を掛けようとするなど、独り身男性からしたら言語道断な所業なり。俺の脳内裁判も裁判官全員が即刻有罪判決を出してるぞ。許すまじ。
「落ち着いて、アッシュ。今から国王様にお会いするんだからね?落ち着こう、そう、深呼吸しよう。」
スーハ―スーハ―スーー――ハーーーーーーー
よし落ち着いた。
「では父上早速この不届き者を根切りに致しましょうか。」
「話聞いてる!?」
失敬な。しっかり聞いてますとも。
落ち着いて根切りですよね?
「全然違うよっ!!」
コンコン
「ご領主様、御迎えの方が御着きになりましたのでお通ししてもよろしいでしょうか?」
マサの声だ。どうやら時間の様。
チッ
「マックス、命拾いしたね。国王様に感謝しなよ?」
「ご領主、坊ちゃんの育て方に異議を唱えさせてもらっても?」
「僕は何もやってないからね?アッシュが勝手にこうなったんだからね?」
全く以て失礼な男共だ。
顔がちょっと良いからって綺麗な嫁さん持ちやがって。
激辛新作料理考えとこっと。
「お待たせしました。国王様のご準備が出来ましたので、それではご案内いたします。」
それから我々はドナドナされて大きな扉の前に来ました。
この先に王様がいるようです。
ここで気を抜かないスタイル、鑑定スキルはつd
「ああ、それとここには魔法障壁が張られていますので、下手に魔法や鑑定系のスキルを発動すると自動迎撃が行われ近衛兵に捕縛されますのでご注意を。」
あっぶね~、マーブルさんそう言う事は早めに言って下さい。
危うく投獄されるとこだったじゃございませんか!
それにしても鑑定にも対応とはあれか、御目見え的な思想か?
国王様を鑑定するなど頭が高い!!って感じなのかもな。
「ラクトル・アドバンス男爵殿、その嫡子アシュラード殿をお連れしました。」
マーブルさんが扉の前の兵士に話すと兵士の一人が扉に向かって何か言ってる。
何アレ、もしかしてこの扉って魔道具か何かなのか?
スゲェな。
「許可が下りましたので、3人は扉の前へ。」
ほな行きまっか。
護衛の4人は置いて行くことになるけど、まぁ問題起こすタイプじゃないし大丈夫だろう。何かあったとしても柔軟に対応できるだろうし。
「あ、ラルフはどうするんですか?」
兵士さん顔顰めんなよ。
俺らとラルフは国王に呼ばれて来たんだからさ。
文句言いたいけど言えない元日本人な僕ちゃんです。
それにしてもやっぱり近衛兵って頭堅い人しかいないのかな?
まぁ、王族を守るという観点から見れば仕方ないのかもしれないけどさ。
「ご一緒にどうぞ。」
それじゃあお言葉に甘えまして、
「ラルフ行くよ?」
(主、分かった)
それでは襟元ピシッとして参りましょう。
国王様といざ、ご対面!!
マリウス君王子に頼まれたのに主の傍に居られない件について
すみません考えなしで書いた為にこうなりました。
許してつかあさい(´・ω・`)
あと、誤字、またはご意見・ご感想があればお気軽にどぞ(・ω・)




