第34話
書き始めた当初は戦闘系で行くぞ!と思ったのに気が付いたら銭湯系のまったりな感じに。
どうやらうまひにはドキドキする荒事は描けないようです。
現在の目標:餃子回を何時か描く(*´ω`)
ウルフという魔物は大抵単体では低ランクのものだ。
これが群れになると危険度が少し上がり、群れになると中級冒険者でも死を覚悟しなければならない程危険度が増す。
大抵のウルフは元の素早さに牙や爪を用いた接近戦で獲物を狙う。
しかし言い換えれば攻撃手段はそれだけ。
身軽で素早いがそれ故に、物理、魔法を問わず耐久性は低い。
その為、単体では駆け出し冒険者の獲物とされることが一般的である。
しかし、稀にその様なウルフ種とは異なったものが現れる。
その一つがエレメンタルウルフである。
エレメンタルウルフとは所謂属性持ちの魔物で、極めて厄介な存在である。
一般的なウルフ種とは異なりそれぞれが魔法を使うのである。
特徴は額に埋め込まれた体毛と同系色の鉱物で、一般的に「魔石」と呼ばれるものだ。
元々の素早さに加え、魔法も使う上に、筋力も只のウルフの数倍はあると言われランクは最低でもAに分類される。それほど強い魔物なのだ。
だが、エレメンタルウルフは知性を持つ故、比較的争いを避ける傾向にもあると言う研究もされており、一部では精霊の使いとして崇められたりもしている。
そして群れを作ることも殆どないとのことだ。
そんなエレメンタルウルフの突然の登場に兵士や冒険者達は驚いているようだった。
そして私はちゃっかり鑑定するのであります。
ライトニングウルフ 属性 光 雷
Lv.45 HP 512/512 MP 283/283
スキル
光魔法Lv.5
雷魔法Lv.6
威圧Lv.4
ユニークスキル
瞬光
鑑定して分かったこと。
つよっ!!
体格的にはそこまで大きくないのでまだ若いと思うけど、ステータスの高さが他の魔物と段違いです。
名前の方もライトニングと、多分雷の意味だったと思う。エレメンタルウルフってのは総称なのね。
ユニークスキルもね、何か速そうだよね?
鬼ごっことか敵なしでしょ、これ?
とか、くだらないこと考えてたら目が合いました。
気のせいかなと思ったけど、確かにこっちガン見してます。
あれ~おかしいな?
俺なんかしたっけ?
そう言や鑑定したもんな。ばれちったか?
気に障ったならゴメンナサイ。だから、たしけて~。
動いた、と思ったら目の前まで来ていました。
ん?
「アシュラード様!!」
「大丈夫!だから構えは解いてくれ」
今からどうにかしようにも無理ですからね。
周りの護衛達も分かってくれたようで、武器を持った腕を下ろしてくれた。
そして狼さんだがジーッと俺を見つめている。
観察してるって表現が正しいと思う。
クンクン匂いも嗅がれてます。ちょっと恥ずかしい。
そしてモフモフです。そうモフモフ。
野生の生き物の筈なのに何ですかこの艶のある毛は!
さらさらで肌触りもとても気持ち良さそうで、欲望を抑え込むのに必死ですよ!!
な、なでたい。そんでもってもふもふしてダイブしたい。
あぁ、辛いデス。手もプルプル震えてます。
しか~し、そんな素振りを見せて逃げられでもしたら元も子もないのです。
(人間、変わった匂い)
何処からか声がしました。
しかし、周りの皆には変わった反応はないです。
ということはこれは頭に直接届く念話的なアレでしょうか。
そしてその発信源になりそうなのは・・・
「お前か?」
ライトニングウルフは肯定しているのか「ウァン!」と一吠え。
(人間、何故戦う?)
戦いの訳を聞いてるのか?
「あの魔物の群れが、人の生きる街に被害を出しそうだったからだ。」
これで通じるのだろうか?
(理解、人間、我、狙う?)
お、分かってくれたようだ。やっぱり頭良いなこの狼。
で、「我、狙う」ってのは自分も討伐対象かってことかな?
「その前に確認させてくれ。お前はこの群れの主じゃないんだな?」
これが今一番大事なことだ。
話してみた感じ悪意はない様なので大丈夫だとは思うが、一応確認しておく。
(我、群れ、違う)
一安心。
「なら大丈夫だ。お前を攻撃したりはしないよ。」
意思疎通の出来る高ランクの魔物と態々争う必要はないですしね。
(理解、我、手伝う)
「え?」
と聞き返した時には目の前からライトニングウルフは消え、光の様な線が飛行機雲の如く一匹の魔物が向かった先を示していた。
行っちゃった、と呆けていると、カゲゾウ達が近寄って来た。
「アシュラード様!」
心配掛けちゃいましたね。
ごめんなさい。
「気が付かなかったけど、もう終わりそうだね。」
ミン兄さん達の方は危なげなくけりが付きそうだ。
怪我人も出ているようだが死人は出ていないので、とりあえずは問題なさそう。
「はい、後は群れのトップをどうにかできれば良いのですが。」
「それについてだけど、多分大丈夫だと思う。」
「・・・あのエレメンタルウルフですか?先程は何やら意思疎通を図っていたようですが。」
「うん。理屈は分からないけど、頭の中に声が響いて来て会話が出来たんだ。それで今回の訳を話したら協力してくれるって言って消えちゃったんだよね~。」
皆、口角がひくひくしてる。
流石に笑えないのかな?
「何で魔物はたらせるのに女子は誑し込めないんですかね~?」
煩い、マックス。
モッチーさんやってしまいなさい。
プルプルプル
モッチーさんが触手を伸ばし、マックスを攻め立てます。
いいぞーもっとやれー
「ちょっ、坊ちゃん本当の事言って悪かったですって。だから勘弁、ブフォ!!」
な~にが本当の事なのかな~?
嫁さんとラブラブ(死語)だからって調子乗んじゃねぇぞ!!
おっと、いけません。少々気が立ってましたね。
「モッチーそのくらいでダイジョブ」
ぷるぽよ~ん
見事に頭の上に戻って来ました。
芸術点10点満点!!と褒めたくなるような勢いを殺した見事な着地。
勿論、頭が揺れることもありません。
などとふざけていると狼さんが何か咥えて戻って来ました。
そしておいどんの目の前にドサッと落とします。
「これは・・・」
でかい虎だ。
でかいだけでなく魔力の残り香も感じる。
こりゃつええ奴だわ。
間違いなくこの死んでいる虎が今回の群れを率いていたのだろう。それだけの風格はあるように思える。
ただ、そんなのを無傷で軽々倒してくるこの狼さんは尋常じゃないですね。
何かこっち見てるし。
まるで投げたボール取って来た犬みたいだ。
褒めればいいのか?
「ありがとな。それにしてもお前凄いな!」
実際に思ったことを口にする。
すると、尻尾がパタパタと左右に振られている。褒められて嬉しいのかな?
ほんとにワンコみたいだ。
てか、どうしようかね?
丁度、森から出て来ていた魔物の殲滅も終わったようなので、ミン兄さんを呼ぶことにした。
狼さんは敵意はないとは言え高ランクの魔物なので兄さん達は慎重にこちらにやって来た。
そして虎の死体を見せて説明する。
「つまり、今回の群れの主をこのエレメンタルウルフが倒して持って来てくれた、と」
いぐざくとりー。私は何もしておりません。
「というか、アッシュは意思疎通が取れるんだよね?」
「はい、何故か分かりませんが」
「それじゃあ、この死骸を持ち帰る許可を取ってくれないか?」
誰とは言わない。この場合、許可を取る人物(?)は一匹のみだ。
「この虎の死骸貰っても良いか?」
(我、いらない、人間、好きにする)
器がデカいね。
礼を言ってから、ミン兄さんにその旨を伝える。
「エレメンタルウルフよ、礼を言わせてくれ。ありがとう。」
こういうきちんと礼を言える兄さんはやっぱりイケメンだ。
狼さんも、気分は悪くないようで
(我、気にしない、人間、持って行く)
と、ミン兄さんに直接伝えていた。何故か俺にも聞こえるんですが。
兄さん驚いてたわ。
「それと、疑っているようで悪いけど、確認のために斥候を出させてもらうよ?」
これは仕方ないだろう。
確認もせずに狼さんの言葉(?)を鵜呑みにするのは次期領主としても完全には安心できないだろうし。
(我、気にしない、好きにする)
話の分かる狼さん、すごいわぁ。
その後、兄さん達が死骸を運んでいくと、狼さんはまたこっちをジーッと見つめて来た。
動く気配はない。
「まだ何か用か?」
(我、人間、気になる)
分からん。何が言いたいんだ?
プルプル
BAW!BAWBAW!!
何かモッチーがコミュニケーション取り始めたんですけど。
まぁ、此処は任せましょう。
因みにこの時は何話してるのか分かりませんでした。
どうやら会話が終わったようです。
プルプルプル
えー、何々?
この子も連れて行って?何処に?
プルプルプル!!
え、もしかして領地にってことか?
プルプル!
うーん、僕としてはモフモフさんが来てくれるのは大歓迎ですけど、
「本当に良いのか?」
(我、行く)
さいですか。
それじゃあとりあえず子爵家に戻ろうか。
プルプル
BAW!
仲間が増えました。
その強さは正にチート。
そしてモフモフ。モフモフです。
大事だから2回言いました。ここ重要です。
周りの視線が気になりますが、まぁ諦めましょう。
あ、先に父上には先触れを出しておこう。
いきなり高ランクの魔物を連れ帰ったら吃驚するでしょうし、間違えて攻撃されては堪りませんしね。
後、伯父さんとこにも出しとくかねー
尚、アッシュの魔法により魔物の素材の多くが採取できず、アッシュ君は自腹で兵士や冒険者に宴の酒や食い物を奢った。
本人はほろほろと涙を流し、傍にいたスライムとウルフがそれを慰めていたとか。
〇 帰路にて ミンヒルト 〇
私はゲイン子爵家の長男だ。
父上やマフモフ爺には厳しくもそれ以上の優しさを伴って鍛えて頂いている。
領民との仲も良好で、街の出店に赴くと売り子の女性からは必ずタダで何かを貰っている。
皆、顔が赤く熱がありそうで、何かの病ではないのかと思うのだが、父上達には「お前の朴念仁っぷりも大したものだ。」等と言われて丸っきり相手にされない。私はこれでも自分はそれなりに聡いという自負があるが、この事ばかりはお手上げだ。一体どういう事なのだろう?
話は変わるが、私には変わった従弟がいる。
歳は6つも下なのだが、大人顔負けの落ち着きと知性を持ち、魔法の腕も確かとのことだった。
私はこれまでに2度ほど顔を合わせているが、彼が私に見せる顔はとても子どもらしいものだ。
領内の子供達とスモーという競技で汗を流し、「泥ん子祭り」と言う祭事で無邪気に泥を投げる姿からは全く大人びた印象は受けなかった。
だが、その印象も今回の事で大分変ったように思う。
彼、アッシュの放つ魔法はどれも大規模で更にとても緻密だった。
あの歳にしてここまでの魔法を使うとは全く考えていなかった。
そして、更に驚かされたのは、その魔法を実戦で初めて使用したと言う事だ。
これは自分の腕に余程の自信がなければできないことで、普通の魔法士ならばまず絶対できない。
極め付けに従弟はエレメンタルウルフまで従えてしまった。
まだ成獣ではないとは言え、その力は確かなものの筈。
傍にいるスライムにしてもそうだが、やはり彼には何か引き付けるものがあるのだろうか。
とは言え、アッシュはまだ10歳。
どんなに頭が良く、魔法に優れていようと子どもであることに変わりはない。
今回の事が他方に知れれば、善からぬ思惑を持つ者共が何かしら動くことは想像に難くない。
何処の国でも馬鹿な貴族はいるもので、奴等は優れた存在を決して見逃さない。
大抵自分の支配下に置こうとし、それが無理ならば潰そうとする。
人の欲には際限がないとはよく言ったものだ、本当に。
ゲイン家もアドバンス家も近年、国内では比較的裕福な家柄だが、家格はそう高くない。
今も私や従妹弟のイリス・オルトーには縁談の申し込みが絶えないのも、上手く両家から益を得ようという邪な考えを他の貴族が持っているからだろう。
父上も頭を悩ませているが、そこは頑張ってもらおう。私にはどうしようもないことだしな。
そしてアッシュだが、彼には全く縁談が来ていないらしい。
今の私としてはどの貴族も見る目がないなと心から思う。
人に好かれる親しみやすさ。
領政への深い理解。
類稀な魔法の技術。
これ程の逸材は中々居ないと思うのだが、近しい私でさえ今日再認識したのだから、他の貴族には到底分からないか。
「おぉ~、やっぱりモフモフだぁ~。気持ちいいな~」
当の本人はエレメンタルウルフの毛触りに魅了されている。
そしてエレメンタルウルフの方も完全にアッシュに気を許しているようだ。
少し羨ましいな。
父上に相談してみるか。
アッシュに魔物を従魔にするコツを聞いてみるのも良いかもしれない。
「ミンヒルト様、館に着いてからですが、エレメンタルウルフについては如何しましょう?」
そう言えば、その事を考えていなかった。
普通なら、邸内に入れることは無いだろうが、今回は別だ。
「直ちに父上に使いを出して今回のあらましを説明して邸内へ入れる許可を取ってくれ。」
「かしこまりました」
一先ず、これで大丈夫な筈・・・いや、領民にもお触れを出さねば騒ぎになるか。
別の者を呼びその旨を伝え、すぐに向かってもらった。
何れ私も領地を継ぐのだから、この様な判断は迅速でないとな。
そんなミンヒルトだったが、それより先にアッシュの手の者が先触れを出していたことを知り軽くショックを受けることになるのは少し先の話。
やったぞー
モフモフが仲間になった(/・ω・)/バンザーイ
モフモフ君はまだ子どもの部類です。でかいですが。
そしてぱぱーっと終わっちゃいました。
消化不足な方がいらっしゃったら大変申し訳ないです。
戦闘頑張って書こう!と思ったのですが無理でした。
モフモフに免じて許してつかーさい<m(__)m>




