表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/100

第28話

 どうじょ('ω')ノ



 只今、地球時間で大体朝の7時ぐらいですかね?領内の入口で王子を待ってます。

 殿下を付けなくていいのかって?良いんですよ、口にする時はちゃんと付けますから。

 わたしゃ、機嫌が悪いんですよ。

 2時間前に起床し、朝食を取って、身だしなみを整え、1時間前からこうして待っているのですから。


 何故こんな早くから待機しているんですかねぇ?

 勿論、腕白な王子の行動を予測しての事です。

 この時期は今から3時間前には外が明るくなり始めますからね。王子一行が泊まっている所から此処までは馬で来れば掛かる時間は3時間と少し。

 独断専行当たり前で好奇心旺盛な王子が目的地を目前に朝駆けをしない筈がないと、予想してこうやって待っているわけです。


 「坊ちゃん、暇ですなぁ」


 そう言って緊張感の欠片もない欠伸をするマックス。

 まぁ、暇だよね。

 そう言えばこの国にはオセロやチェスと言ったボードゲームがなかったな。

 作っちゃおうか。他国に同郷の人が伝えてたとしてもうちの領内に広める分には構わないだろ。

 この世界に特許なんてないからな。ゲヘヘ


 「若、楽しそうですが、どうしたんですか?」


 シュルツ君は相変わらず爽やかだ。

 武芸も達者そして、気遣いもそれなりにできる。

 モテるな。モテない筈がない。


 「えっとね、新しく、ん?皆、準備して。」


 全員が前方に視線を向ける。

 そしてその先には3頭の馬が見える。

 結構なスピードだ。

 馬が近づくにつれ、その乗り手の存在も確認できるようになった。

 間違いないでしょうね。



 そして、目の前に馬が止まる。

 

 「朝早くこうして出迎えとは読まれておったか!やはり、此処は面白そうだ!」


 朝から場違いなでかい声が「ハハハハ!」と響き渡る。


 「よくぞいらっしゃいました。ラスカル王子殿下。」


 俺の声につられて全員が膝を突き、首を垂れる。


 「そんな堅苦しいのはいらん。頭を上げよ、アドバンス家の異才よ。」


 そう言って馬から飛び降りたのは燃えるような赤髪に如何にも高貴な衣装を着崩した少年だった。

 めっちゃかぶいとるうううううううう


 「ん?どうした?我の格好に魂消たか?」

 

 ニヤニヤしてる。

 多分、こうやって人を驚かすのが好きなんだな?

 それなら乗って差し上げようではありませんか。


 「はい、何分後ろから指す朝日もあって宛ら、王が如き御威光に御座います。」


 服装については一切肯定せず、朝日が眩しいですねと暗にスルー。

 褒めはしません。したら負けな気がする。


 

 「ほう」


 俺のある意味言葉のキャッチボールストライキな一言に王子はその一言だけだった。

 話に聞く兄や姉よりは理性があるのかとふと思ったが、そんな幻想は一瞬で消えた。


 「うむ。気に入った。お主、我の傍に就け!」


 うん、王族なんて皆、真面まともじゃないや、チクショウ。

 

 「そのお言葉は大変ありがたく御座います。ですが私はこの領地を何れ父から譲り受けます。そして、その為には今の時分より、領政に触れておかねばなりません。ですので、申し訳御座いませんが、ご辞退させて頂きます。」


 皆が王子のトンデモ発言にギョッとしたが、俺の断固とした返事を聞いて、心配半分安心半分と言った感じになった。

 当の王子は一瞬驚いたようだったが、すぐに笑い始めた。

 笑いのツボが読めない。

 一頻り笑い終えると、嬉しそうに言った。


 「うむ、益々気に入ったぞ!これからも民の為、精進するが良い!」


 再び頭を下げるが、その時俺は少なからずショックを受けていた。

 それは「民の為に」の部分。

 この世界のボンボン貴族・王族なら絶対に言わないであろうその言葉。

 僕ちんは思った。コイツ信長みたいじゃね?と。


 型に嵌ったものを良しとせず、鉄砲オタクで珍しい南蛮物スキー、好きな偉人で必ず上位に入るあの人物。俺は当然会ったことないけど、伝わってる逸話とかと合わせると凄く王子が重なる。


 無礼と言うか極刑モノだとは思ったが、王子を鑑定させてもらった。



 ラスカル・シルフェウス  8歳  人族  男性


 Lv.9  HP 53/53  MP 80/80


 スキル


 剣術Lv.2

 弓術Lv.2

 馬術Lv.3

 火魔法Lv.2

 風魔法Lv.2


 ユニークスキル


 紙一重



 


 戦狂いにしか見えないスキル構成。

 そしてユニークスキル紙一重。

 明らかにアレですよね?

 馬鹿と天災はってやつですよね?

 字が違う?

 良いんですよ、どっちも大差ないんですから。

 何にせよ普通じゃございませんね、この王子。

 


 そんなことを考えていると、「殿下ぁぁぁぁぁぁぁ」と叫ぶ声が聞こえて来た。

 王子に置いてけぼり喰らった人達だろう。

 考えなしを主に持つと大変だねぇ。

 はい?僕は違いますよ。

 考えなしではありますけど、それを行動に移したりはしませんし、そもそも僕の考えなしは基本的に「(部下に任せて)考えない」ですからね。

 尚更酷い?

 下手な事して部下の仕事増やすよりかはマシでしょう?



 「殿下!今日と言う今日は爺やも許しませんぞ!」

 

 追っかけて来た一団の1人の老人が王子に怒ってます。

 見た目じゃ幾つか分かんないけど自分で「爺や」って言ってるから教育係みたいなもんか?

 正に平手政秀って感じだなぁ。

 大変だろうけど自害しなさんなよ?

 そしたら殿下が魔王化しちゃうから。多分冗談じゃなく。



 「じい、朝っぱらからうるさいぞ。それにアドバンス家の者の前だ、控えい!」


 いや、アンタの声も大分デカかったよ?

 俺とその護衛達全員の思いが一つになった瞬間だった。

 


 「こっ、これは失礼致しました。私はウォード・グルソンと申します。殿下の目付をやっております。此度は真申し訳なく!」


 ガバッと頭を下げられる。

 この人こうやって頭下げてばっかなんだろうな。

 

 「グルソン殿、どうか頭をお上げください。元はと言えば、王子殿下に責があるのですから。」


 思いっ切り、王子を責めます。容赦はしません。

 何故かって?ここでこの謝罪を受け入れてしまっては王子の暴挙が許されてしまいます。

 ですから、王子だけを注意します。


 似非信長は笑ってます。

 そして、爺さんはぽか~んとしてます。

 護衛達も俺の発言に動揺を隠せません。


 「王子殿下はこの様な態度はお気に召しませんか?」


 「良いぞ。其方のようなはっきりと物を言える者は嫌いじゃない。爺。すまんかったな。」


 よし!

 予想通り、こう言うはっきりした態度の方が好きなんだな。

 てか、爺さんが王子の方を向いて更にぽか~んなんだが。どうした?


 「で、殿下が、しゃ、謝罪を口に・・・・・・なんと、なんと、爺やは嬉しゅう御座いますぞ。」


 顔を抑えて泣き始めちゃった。

 えっ?謝っただけでこれって、お前どんだけやらかしてきたんだよ!?

 いや、ホント爺さん、アンタ頑張ってるよ。



 爺さんが正常になったので、これからの事について話す為、屋敷へ向かうことになった。

 その間も王子は色々なことが気になるようで次々と質問して来た。

 何か勉強してる時の子ども達と重なって見えた。


 屋敷に着くと先触れを出していたので、父上、母上以下使用人達が待っていた。

 大袈裟なんじゃないかと思ったけど、よくよく考えると王子だもんな。そりゃ気を遣うか。

 

 「よ、ようこそ御越し下さいましゃた、ラ、ラスカル王子殿下。」


 噛んじゃってますよ、父上。

 つか、皆緊張し過ぎだろうに。

 こんな奴に緊張なんかしなくて良いのに。

 あ、こんな奴言っちゃった。テヘッ


 「そう堅くならずとも好い。今日から短い間だが、よろしく頼むぞ?アドバンス家の者達よ。」


 「は、はっ!!」


 再び皆が頭を下げる。

 駄目だ。父上は使い物にならん。


 「では、王子殿下。朝食の方をご用意させますので、それまでお話でもいかがですか?」


 「ラスカルだ。」


 「は?」


 何かムスッとしてる。


 「ラスカルと呼べ。歳も確か1つしか変わらんのだろう?」


 爺さんに視線を送る、が首を横に振られた。処置無しですか。

 我が儘ボーイめ。

 まぁ、そういうのは嫌いじゃないから良いけどね。


 「分かりました。ではラスカル様と。」


 「う~む、まあここではそれで良い。では、頼む。」

 

 「かしこまりました。」


 そう言って使用人たちに指示を出す。

 父上は空気です。

 

 「それでは参りましょうか。こちらです。」


 王子も頷いて屋敷の中へと向かう。





 さてさて、これからどうなる事やら。





 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ