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第22話




 どうも、アシュラードです。

 最近、お兄ちゃんは寂しいデス。

 その理由は、イリスがモッチーを気に入ってお兄ちゃんの方を見てくれないのです。

 モッチーもイリスの事を気に入ったようで触られると嬉しそうにプルプル震えています。

 でもやっぱり寂しいのです。

 

 そんな悲しい僕を笑ったマックスと言う人物が居ました。

 勿論、戦闘訓練と称して魔法の的になってもらいました。

 少しはスッキリしました。


 そうそう、モッチーのステータスですが、こんな感じです。




 モッチー  (ミニライトスライム)  属性 光 


 Lv.1  HP 5/5  MP 8/8


 スキル


 光魔法Lv.1

 溶解Lv.1



 そうです。モッチーはただのスライムではなかったのです!!

 まぁ、こっちの世界のスライムは魔物の中でも最底辺に位置する所謂雑魚モンスターにカテゴライズされていて、それに漏れずモッチーも弱いですけど。

 

 プルプル!


 あ、ゴメンモッチー。

 

 プルプル


 そうだね。これから強くなれば良いんだよね。

 


 てな感じで普通に意思疎通が出来ちゃうのでとても楽しいです。

 父上や母上もモッチーを可愛がってくれて、特に母上からは我が子のように溺愛されております。


 

 そして、今ですが、モッチーを頭の上に乗せて領内を視察と言うか散歩してます。

 領民は適応力が高く、モッチーはすぐさま受け入れられました。

 そして子供からご老人まで兎に角人気です。


 「モッチーちゃ~ん。これ食べる?あ、アシュラード様こんにちは。」


 「若様、これをモッチーに。」


 等とどうやら僕はモッチーのお付きの人と化してしまったようです。

 

 「モッチー、良かったね?」


 プルプルプル!!


 大変嬉しそうで見ているこっちが幸せです。


 すると向こうの方で人だかりができていて、ガヤガヤしています。

 揉め事かな?

 とりあえず、行ってみましょう。



 近づいて見ると何やら男2人が揉めているようです。

 何を揉めているのかな?

 すると背が少し高い方の男が


 「フライドモーイはトメートケチャップ一択だろ!馬鹿にしてんのか!!」

 と言えば背が少し低い方の男が


 「何言ってんだ、少量の塩で素材の味を楽しむのが王道だろうが!そっちこっそ馬鹿にしてんのか!」


 と、とてもどうでも良い喧嘩内容でした。

 あ、因みにトメートは元の世界で言うトマトね。

 家の料理部隊ケチャップまで作っちゃったからね。

 もうね、素晴らしいの一言ですよ。


 で、周りの反応を見てみると、


 「そうだ!そうだ!ケチャップが一番だー。」


 「何言ってんだ!トメートケチャップとマヨネーゼのハーフ&ハーフこそ至高だ。」


 と飛び火してお祭り騒ぎ状態。


 まぁ、剣呑な雰囲気ではないけど、通りでやられると邪魔だなぁ。

 うーん・・・チーン!

 閃きました。

 傍にいたカゲゾウにゴニョゴニョ


 「承知しました。」

 と言うや否やカゲゾウは消えました。物理的に。

 忍者半端ないっすわ。

 いや、今はそれどころじゃないや。


 

 そして僕ちんは喧騒の中心地へ飛び込みます。


 「ちょっと待ったぁぁぁぁ」


 6歳児の乱入に気勢を削がれたようです。


 「お二人さん、揉めてらっしゃるようですが此処ではお店に迷惑が掛かりますよ?」


 「何だ、坊主?子どもはあっち行ってろ。てか何で頭にスライム乗せてんだ?」


 僕ちんを知らないってことは余所から来た人だな。

 しゃーない。自己紹介しとくか。


 「僕の名はアシュラード・アドバンスです。一応此処の領主の息子です。ですから話を聞いてください。」


 揉めていた2人はギョッとしていたが俺を知ってる人は


 「若様~、やっちまえ~。」等とおふざけまくりである。


 「流石に人通りの多いこの場所では、他の人にそしてお店にも迷惑が掛かります。ですが、あなた達の熱い思いも理解はできます。ですから、少しの間待っていて下さい。僕が勝負の場を設けます。そこで白黒はっきりさせて下さい。」


 2人は渋々ではあるが納得してくれた。

 するとナイスタイミングでカゲゾウが戻って来た。


 「此処からすぐの所に丁度良い場所が御座いました。」

 流石カゲゾウ君、デキる男。


 「ありがとう、カゲゾウ。それと悪いんだけどもう一仕事お願いできる?」


 「アシュラード様の御為なら何なりと。」

 この忠誠心は一体どこから来ているんだろう。

 まぁ、いいや。ゴニョゴニョゴニョ。


 「承知しました。」

 と再び消えるカゲゾウ。


 するとマサがやって来て案内してくれるとのこと。

 なので、


 「どうぞ皆様も行きませんか。面白いものが見られるかもしれませんよ?」


 と宣伝しておく。

 そして案内された場所は空地だった。

 皆頭の上に?マーク状態です。


 ここからは僕ちゃんが頑張ります。

 「アースライジング」


 正方形上に土が30cm程隆起します。

 突然のことに驚いている人多数。

 そこで宣言する。



 「これより、第1回フロンテルム杯相撲トーナメントを行います!」


 当然、皆ぽか~んとしている。

 寂しい。


 「ゴホン。其処のお二方が揉めてらっしゃったように、フライドモーイに熱い思いをお持ちの方は他にもいらっしゃると思います。ですので、此処で我こそはと言う者達でトーナメントを行い、最後まで勝ち残った方にはアドバンス家直営店モーイの館の無料食事券を贈呈します。」


 それまでぽかんとしていた人達の目の色が俺の最後の一言によってがらりと変わる。

 そりゃそうです。

 うちが直営しているモーイの館は品数・味共に領内トップの料理屋で超が付くほどの人気店なのだ。


 マックスが

 「ちょいと趣旨が変わってやしませんかね?」と言っていたが、面白けりゃ良いんですよ。

 人生潤いが大事です。


 すると、大勢の人がにじり寄って来た。

 目が怖い。何かぎらついてる。


 「それで、ルールは!?」「俺も参加したいぞ!」「スモーって何だ?」と盛り上がっているようです。


 「先ずは、ルールについて説明します。ルールは相撲と言う競技のルールに基づいて執り行います。勝敗についてですが、2つ有ります。あの舞台から落ちた場合と舞台にて身体の足の裏以外の部分が地面に触れると負けとなります。つまり、勝者だけがあの場に立ち続けるということです。」


 何となくは分かってる感じかな?


 「次に戦い方ですが、これはかなり独特です。まず着用できるのは衣服のみで、靴も脱いでもらいます。そして急所攻撃は勿論ながら殴る、蹴るも禁止とし、叩きと相手を掴んで投げる技のみを使用可能とします。」


 分かってない人の方が多いな。どう説明したら良いんだ?


 すると、マックスが

 「つまり、取っ組み合いで相手を倒せばいいってことだ。殴る蹴るは無しで掴み合いだけでな。」

 と言った。

 なんかスゲェざっくりした説明だな。

 そして皆、納得している。


 「マックスもたまには良い仕事するね?」


 「坊ちゃん、そこは素直に褒めてもらえないっすかね?」



 何を言う。君の信頼度の低さは領内でダントツなのですから。


 皆大体のルールは分かったようなので早速始めましょう。










 

 はい、相撲です。

 異世界でも通用しそうな分かりやすい競技はないかな?と愚考した結果こうなりました。

 うまひは相撲素人ですので、描写は期待しないで下さい。ごめんなさい。 

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