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第21話

 大ニュースです!!

 漸く1年目が終わりました!

 冬は白菜の種が売られていることに気付かず、大根と小麦育ててました。

 おかげで大根だけで1年生活できそうです;つД`)

 そしてまた春かぁって感じです(´;ω;`)

 頑張って苺と米育てようと思います。米の収穫はまだ先なんですけどね・・・


 何の話か分からなかったらすみません(;´Д`A ```


 父上が伯爵領から帰って来ました。

 無事、切り抜けられたようです。

 まぁ、事前に相手の弱み握っておけば、案外どうにでもなるもんだね。

 腹黒?いえいえ、慎重なんですよ。

 

 ゲイン子爵の下に出向していたインとホウも帰って来た。

 伯父さんから俺宛に手紙を預かっているとのことで、その中身は感謝の言葉とこれからもよろしくといった感じの内容だった。

 態々6歳の甥に手紙をくれた点も驚きだが、書き方が丁寧なのには更に驚いた。

 2人も伯父さんの人柄は良いものだったと言うので、それならば是非これからも良いお付き合いをして行きたいと思う。


 父上は帰って来るなり母上の元へすっ飛んでいった。

 部下達も大爆笑でしまらないなぁと思いつつ、そんな父上の変わらない家族愛にちょっぴり嬉しくなったのは秘密です。



 そして僕ちゃんは領内の森に護衛を引き連れて来ています。

 目的は僕ちゃん、マリウスのレベル上げです。キルトは兵士達やブランドさんと鍛錬しているからいません。

 その子ども2人の傍にはライゼン・シュルツ等々強者がずらり。これちゃんと野生の勘が働く魔物だったら襲って来ないよね?

 そんな心配は杞憂なようで、ランクの低い魔物は知能も低くそういった機微を感じ取れないらしい。

 その情報は確かなようで先程から結構な数の魔物達をコロコロしてます。

 作業ゲー感が否めませんが仕方ありません。

 仮にも次期領主ですから、当然護衛という存在は必要不可欠なのです。


 え?お前が領主をやれるのかって?

 安心して下さい。政務をやるのは部下達で僕は判子を押すだけの予定ですから。

 能力のある奴がやった方が効率良いですし、僕ちゃんはその責任を持つだけで良いんですよ。

 楽ちんな未来が見える、見えるぞ~。


 そうこうしているうちに、大分森の奥まで来ていました。


 「今回はこの位でいいかな。マリウスも良い?」

 俺としては十分なのでマリウスに確認する。


 「はい、僕の方もレベルは上がりましたし、大丈夫です。」


 よし、それじゃあ帰ろうかなと思ったときふと何かを感じて周囲を見回すが何も変わったところはない。


 「ん?気のせいかな。」


 「どうした?」

 ライゼンも何かに気付いた様子はない。

 勘違いかと思い再び帰ろうと思ったその瞬間


 ───────────────


 頭の中で何かが響く。

 例えるならモスキート音と言えばいいのか。

 いや、音かどうかすら分からない。

 だが、何故かそれが何かの声であるのは分かった。

 不思議とその声の主がいるであろう方角も分かる。

 気になる。

 普通だったら避けるようなことかもしれない。

 でも、行くべきであると、俺の勘が訴えている。


 「皆、済まない。勝手で悪いんだけど、あっちに行きたいんだ。もう少し付き合ってくれない?」

 俺の我が儘で巻き込もうとしているのだからちゃんと謝っておく。


 「我はまだ余裕があるから問題ない。」

 流石ライゼン、頼もしい。


 「若、自分もまだまだ大丈夫です!」

 シュルツも相変わらず元気だ。


 他の者達も大丈夫と返事をくれる。

 

 「マリウスは大丈夫?」

 

 「魔力は減っていますが、体力的には問題ありません。大丈夫です。」


 「皆、ありがとう。それじゃあよろしく頼む。」


 そして僕ちゃん一行は更に森の奥へと進んで行く。

 進む毎に謎の声に近づいているのが分かる。

 しばらく行くと前方から小さな生体反応を気配探知スキルで確認した。


 その瞬間駆け出していた。


 「若!」「アシュラード様!!」

 皆が驚いて声を上げている。

 ホントゴメン!!でも急がなきゃ!!


 そして見つけた。

 其処には一匹のスライムがいた。汚れているけど色は若干黄色っぽい?

 かなり弱っているようでプル・・・プル・・・と弱弱しく揺れている。

 持っていたポーションをスライムに振りかける。

 少しすると回復できたようで、先程までの弱弱しさはなくなっていた。


 「よし、もう大丈夫だな。ほら、行きな。」

 そう言ってスライムを地面に下ろす。

 放すぐらいなら助けるなと言われそうだが、今回はどうしてか助けずにはいられなかったのだ。

 だから許して下さい。


 しかし、スライムはその場から一向に動かない。

 不思議そうに見ていると、ライゼンが寄って来て


 「もしやすると、お主に懐いたのではないか?」と言って来た。

 するとそれに頷くかのようにスライムが縦に伸び縮みする。

 そして何となく連れてってと言っているような気がした。


 「ホントに?一緒に来る?」

 と聞くとスライムは1回伸び縮みして、俺の胸に飛び込んできた。

 何とか抱きかかえられてホッとする。


 「若、スライムをテイムしたんですね?流石です!」

 シュルツ君毎度褒めてくれてありがとう。

 だけど、これはテイムって言うのだろうか。何か違うと思う。

 多分ライゼンが言ったように懐かれたって言うのが正しいと思う。

 まぁ、そんなのどっちでも良いか。


 そんな詮の無い事を考えていると腕の中でスライムがプルプル震えて何か主張してきた。

 

 「ん?名前が欲しいのか」

 頷いている。合ってるっぽい。

 と言うかなんで意思疎通できるんだ?

 考えても分からんな。一旦置いとこ。

 名前、名前。うーん、前世(?)でもペットとか飼ったことなかったしな。

 それにしてもコイツ、かなりのモチモチ感だ、癖になるな。

 モチモチ・・・モチ・・・・・モッチー!


 「モッチーってのはどうだ?」

 プルプル揺れている。

 嬉しそうだ。良かった、拒否されたらまた考えなきゃならんかった。


 「それじゃ、モッチーこれからよろしくな?」

 プルプルが加速する。気持ちいいな。







 「おい、戻って来い。」


 はっ!いかんいかん。ライゼンナイス。

 モッチーのスペシャルボディに魅了されてしまった。

 これからは気を付けよう。

 これは正に魔性だ。


 「ごめん。それじゃあ、今度こそ戻ろうか。」


 




 マリウスに懇々と諭されながら俺は森を後にした。

 申し訳ありません、もう勝手なことは致しません。許して下さい。トホホ



 翌日、モッチーとの事のあらましを護衛に付いて来ていた兵士から聞いたマックスが


 「坊ちゃんの垂らしは魔物にも有効なんですな。ププッ。」

 等とほざいてきたので軽く土魔法で物理的に絞めときました。


 うん、敬意って大事だよね?モッチー?


 プルプル


 

 






  〇 とある会議室にて 〇


 「どうやら、ウィズル伯爵は失敗したらしい。」


 その報告に多くの者が「おお!」と歓声を漏らすし、「所詮は田舎者の伯爵だな。」等と揶揄する声まで上がる始末。

 こいつらは本当に分かっているのだろうか?

 アドバンス男爵家は確かに今国内で最も勢いのある家だ。

 だが、それもここ2,3年の話で、それ以前は言うに及ばない、国内底辺に位置する弱小貴族だったのだ。

 それに対しウィズル伯爵家は、それなりに歴史もあり現当主の伯爵も決して頭の出来は悪くない人物だったと把握している。

 

 アドバンス家現当主は年若く、交渉や権謀術数とは縁もゆかりもなかった筈。

 それが見事にウィズル伯爵の手をすり抜けたのだ。

 何かある。普通の感覚を持っている者なら分かる事だ。

 だが、此処にいる殆どの者がそれに気づいていない。

 

 何故か?

 それは自分たちは特別だと思っているから以外の何物でもない。

 自分は選ばれた者だ。自分は特別だ。自分は優秀だ。

 そんな淀み切った驕りに浸かり切っているのだ。

 そんなものただの妄想に過ぎないというのに。


 「ますます、こちらに引き入れたいですな。」


 「ですが、あそこは我々の折角の申し出を断るような程度の低い輩ですぞ。」


 「まあまあ、そこは我々が直接御せばどうということは無いでしょう。」


 「それは確かに」と多くの者達が笑っている。


 その能天気さと馬鹿さ加減に思わず溜め息が出そうになる。

 こんなことでは公爵派に何れ出し抜かれるであろうことは想像に難くない。


 せめて国王がしっかりなされていたら違うのだがな。

 ふと思い浮かべる国王の姿は頼りないもので、溜め息以外何も出て来なかった。

 フェルシウス国王は平凡だ。

 善政を施す訳ではないがかと言って悪政で国を苦しめる愚王でもない。

 良くも悪くも王族の威光と言ったものを全く感じさせないのだ。

 それ故、貴族達には舐められている。

 この会議にだって国王の姿はない。

 この会合を開いているのは国王ではなく宰相である。

 巷では国王派等と呼ばれてはいるが実質この派閥を掌握しているのはこの宰相なのだ。

 いくら飾りと言っても国王を抜きにして幹部達が勝手に会議を開いて方針を決めているのだ。不敬どころの話ではない。

 そして、そのことに王は気付いている。その上で、黙認しているのだ。

 もしかするとそれを注意して彼等が自分の下を離れるのを恐れているのかもしれない。

 理由の方はさて置き、そんな王の態度がこいつらを更に付け上がらせることになっているのは確かだ。


 ぼちぼち乗り換えも考えておかねばな。


 参加メンバーのとある高官の部下はそんなことを密かに考えるのだった。








 〇 とある館の執務室にて 〇



 「ウィズル伯爵はアドバンス家の取り込みに失敗したようです。パーティーに呼ばれていた数名の方の証言により裏が取れました。」


  「そうか」


 報告を受けた部屋の主はただ一言答えただけで書類に目を通している。

 

 「いかがいたしましょうか?」


 「当分は探るだけにしておけ。ないとは思うが下手に手を出して私の下まで辿り着かれても面倒だ。」


 「かしこまりました」


 「それとマルコスを呼んでくれ。」



 老執事は軽く一礼して部屋を後にする。

 2人の遣り取りには互いに一切の感情がなく、機械的で、もしこれを10人が見ていたなら10人が薄気味悪く思ったことだろう。


 それから少しするとその部屋に1人の少年が入って来た。

 歳は14,5と言った所か。

 その眉目は均整が取れており更にその顔からは貴族としての誇りと自分への絶対的な自信が窺える。


 「父上、いかがされました?」


 「いや、王女殿下とはどうかと思ってな。」


 「そうでしたか。問題ありません。あの女、少し褒めただけで「王女殿下だ。」・・・申し訳御座いません。」


 「まぁ、いい。それで上手く御せそうか?」


 「はい。第1王子殿下程ではありませんが、頭に血が上りやすい方です。しかし、御し易くはあります。監視付きである程度の自由を与えれば、特に問題はないかと。」


 少年の言葉に男は少しの間沈黙する。

 その目は机に向けられているがその焦点は此処ではない何処か遠くを覗いているかの様だ。


 「分かった。焦ることは無いから少しずつ親交を深めて行け。急いて疑いが深まるなど許さんぞ。」


 「分かりました。お任せ下さい。」


 「用件はそれだけだ。戻っていいぞ。」


 「はい、失礼します。」


 

 そして室内は静寂に包まれる。

 男は窓際に立ち月を見上げる。

 部屋の窓から見える月は雲に覆われ、闇は一段と濃くなるのだった。


 

  


 はい、登場したのはスライムでした~。

 うまひ的にスライムさんは絶対に仲間にしたい感じだったので、良かったです。

 それで、モッチーですが形はド〇クエで有名なあのスライムと全く同じで、目や口はありません。


 その後に付けた??視点ですが、上手く書けているか本人には判断できません。 

 ですので、こうした方が良いよ?な点があれば感想でもレビューでも良ければお願いします。

 また、単純につまらなかったや面白かった等の感想等もお気軽にどうぞ~。

 うまひの牧場について知りたいことでも構いませんよ?


 それでは、これからもよろしくお願いします<m(__)m>



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