第17話
本日も12時に2話目を投稿しようと思います。
閑話を上げる予定なので、よろしければどうぞ。
突然ですが読んでくれる人がいるという事実は何よりも励みになります。
ありがとうございます。
何度も言ってますがこれからもよろしくお願いします。
あと、全く関係ありませんが月曜が休みなのでうまひは好物の餃子を作ろうと思います。
皆さんも思い思いの休日をお過ごし下さい。
1年なんてあっという間ですね。
え?僕ですよ、僕!
ア・シュ・ラ・ア・ド。
アシュラードですってば。
いやぁ、この1年忙しかったです。
主に父上が。
1年前の約束の手前、忙しい振りを頑張ってもらいました。
実際、仕事はたくさんあったけどね。
因みに今、僕の傍にはマリウスとキルトがいます。
2人共大人達にビシバシ扱かれたようで、何となく出会った時より大分逞しくなった様な気がします。
そんな2人のステータスはこちら
マリウス 12歳 人族 男性
Lv.13 HP 78/78 MP 82/82
スキル
鞭術Lv.2
火魔法Lv.2
交渉術Lv.3
ユニークスキル
賢政
キルト 10歳 犬獣人族 男性
Lv.17 HP 90/90 MP 47/47
スキル
剣術Lv.2
格闘術Lv.2
風魔法Lv.1
気配探知Lv.3
ユニークスキル
武心
優秀ですね。大変素晴らしい!
彼等がこれらのスキルをアドバンス領に来てから取得したと考えればその凄さをお分かりになっていただけるだろう。2年でこれですから本当に大したもんです。
それに2人共頑張ってたからね。
マリウスは鍛錬と内政官見習いの仕事両方やってたから、キルトよりレベルは低い。
ただ、内政官としてはもう立派な一戦力だ。
これからも頑張ってくれ給え。
キルトは折角風魔法があるのにそれを使おうとせず、スキルレベル、MP値共に低い。
ただ、ブランドさんがちゃんと指導してくれているみたいなので魔法についてはこれからに期待しよう。
そして彼等のユニークスキルだが、これも何となくだが分かる。
マリウスの賢政は政に対して何らかの補正が、キルトの武心は戦闘に関しての恩恵があると思われます。
因みに鑑定してもそのスキルの効果説明までは載ってません。どんなスキルか分からないのに彼等を衝動買いしたのです。責められても仕方ないです。が、皆様ならわかるでしょう?ユニークスキルと言う響き、何と甘美で魅惑的なことでしょう。
話を戻しましょう。
効果についてはスキルレベルが上がればもしかしたら見られるようになるかもしれませんが何時になるやら。
そのスキルレベルですが、1年前から変化なしです。
ただ、本格的に鍛錬を始めたためか、HPとMPが少しずつ上がって来ています。
父上やマックス達と長距離走をしたり魔法を細かく制御する為の訓練したり、頑張りました!褒めてくれて構いませんよ?
遂に、ウィズル伯爵との会談の為に父上が出発しました。
そしてこの数日前にBADなタイミングで母上の妊娠が発覚してしまい、父上は元々伯爵領に行きたくなかったので、かなりごねられました。こればかりは諦めて下さいと僕ちゃんと母上が何とか説得しました。
この世界には当然コンドームなんてないので、避妊しようとしても中々難しいのです。だから、元の世界より出生率高そうです。
父上不在の間は僕ちんが代理として働くことになりました。
母上は妊娠してるし仕方ないね。
その代わりと言っては何だが爺ちゃん、婆ちゃんがお助けしてくれることになったので、特に爺ちゃんには頑張ってもらいます。
え?老人を思いやる心?使える物はジジイでも使えって言うじゃないですか?
うちに爺ちゃんを遊ばせてる余裕などないのですよ。
「くぁ~、肩凝った~。よしっ切りが良いからここまでにして、昼ご飯、昼ご飯っと。」
僕ちゃん今迄書類と格闘しておりました。領主代理として提出された書類には目を通さないといけませんし、中身の確認も最低限やらなきゃあかんのです。
昼食の時間になったので、一旦休憩です。
「みんな、ご飯にしようか。」
「そうですね。」「分かりました。」「・・・・んがぁ!つД`)キョロキョロ飯か。」
うん、約一名寝てたけど、気にしない。
マリウスやカゲゾウも華麗にスルーしている。
ここで俺が突っ込んだら駄目だ。
「ふぁぁぁ、よく寝たから腹減ったぜ。」
「いや、それ色々とおかしいからね!?」
「細かいこと言うなよ。それより早くメシ食いに行こうぜ。」
皆さんお分かりのようにキルトは俺に対してタメ口だ。
俺は別に構わないんだけど、流石に時と場所は選んで欲しい。
カゲゾウの目が凄く怖い。
はぁ、
「カゲゾウ、大丈夫だから。キルト、タメ口で喋るのは時と場所を選べと言ったはずだぞ。」
「へいへい、分かりましたよっ。分かったからメシ~。」
やっぱり分かってないですな。
誰に教育頑張ってもらおうか。
頭を悩ませながら昼食を食べに行くのでした。
〇 移動中の馬車にて アドバンス男爵 〇
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ」
溜息しか出て来ない。
何故僕はウィズル伯爵領に向かっているのだろう。
いや、分かっている。
義兄殿───ゲイン子爵の為、ひいては我が領の為でもあるのだ。
その理由も総てアッシュから聞いている。とても許せるものではない。
だけど、行く寸前になってマリーの妊娠が分かるなんて誰が思うだろう。
心配だ。
「はあぁぁぁ」
「ご領主、でっけぇ溜息ですなぁ。」
そう言って笑うのは幼馴染のマックスだ。
彼はいつもこんな態度だ。昔から全く変わらない。
だが、アッシュによると最近侍女のミッシェルと良い雰囲気らしい。
そのネタで弄り返してやろうかと思ったけど、人の恋路を笑いものにするのって凄く質が悪いと思ったから止めておいた。
「マックスも分かってるだろ?マリーの事がどうしても気になって仕方ないんだ。」
領主として、これからの仕事に集中しなけらばならないのは分かっている。
だが、どうしてもマリーの顔が頭の隅にチラついてしまう。
「ご領主様、差し出がましいようですが、気にしないようにしようとお思いになるから逆に気になってしまうのではないかと。常に心の内で奥様のことを思っていらっしゃれば、気が散るようなことにはならないかと。」
そう助言を告げて来たのは、アッシュの部下のセキ。彼は1年前から僕のお付きの者として従ってくれている。戦闘も然る事ながら、文官としての手腕もかなりのものだ。今回の会談でも僕のサポート役としても同行してくれている。
というか、今回の為だけに僕のお付きの者となったのだから正直凄いと思う。
そしてこの助言も何となくだけど分かる気がする。
無理矢理仕事だけに集中しようとしても駄目だと言う事なのだろう。
気持ちが大分楽になった気がする。
「ありがとう、セキ。大分楽になったよ。」
「いえ、それにしてもご領主様は奥様のことをとても愛していらっしゃるのですね?」
「当たり前だぜ。なんてったって、ご両人は領内一の相思相愛夫婦って呼ばれるぐらいだからな。なぁ、お前ら?」
すると護衛の兵士たちから笑いが起こる。
マックスめ、気を遣うんじゃなかった。
「それにしても、問題は坊ちゃんだな。ありゃいつ結婚できるかねぇ?ご領主、良い縁談は来てないのかい?」
そう、将来的にアドバンス家最大の難問になるであろう我が子アッシュの婚約者問題。これに僕とマリーは頭を痛めている。
アッシュは優秀だ。親の贔屓目を抜きにしても十分天才と言えるだけの能力を持っている。
普通なら縁談の申し込みが絶えない様な逸材の筈だ。
だけど、アッシュは普通じゃない。
民と共に働いて汗を流し、一緒になってご飯を食べ、笑い合って話をする。
僕も大分気安い貴族だと思うけど、アッシュはその比じゃない。
だから、領民や部下からの信が篤い。
だけど、それを気に食わなく思うのが貴族と言う者だ。
そんなアッシュに娘を預けようとする奇特な貴族はこの国には恐らくいないだろう。
「残念だけど、全くだよ。本当にどうしようね?」
「ガハハハハ!流石坊ちゃんだ!天下の貴族様が坊ちゃんを恐れて近づけないらしい。」
兵士達もそれにつられて大笑いしている。
「笑い事じゃないって、マックス。もし、このまま・・・」
「良いじゃないですか、ご領主。無理に変に高飛車なご令嬢くっつけちゃ坊ちゃんが可哀想だ。」
兵士達から「そうだよなー」と声が上がる。
「坊ちゃんの事を理解して大切にしてくれる子は絶対いる。そんな子と一緒になりゃいいのさ。貴族、平民関係なく。」
衝撃だった。
確かに言われた通りだ。
無理に貴族の令嬢を娶る必要など何処にあったんだろうか?
領内が豊かになったことで僕もマリーも何処か焦っていたのかもしれない。
「そうだね。アッシュを大事に想ってくれる子なら、貴賤なんて関係ないよね。」
「そうっすよ。それに坊ちゃんなら、「高飛車なお嬢様なんてこっちからごめんだよ」なんて言うでしょうしね。」
「それは間違いない」と三度笑いが起きる。
こんな笑いがあるのも全てアッシュのおかげかな?
本当に自慢の息子だよ。
そこに先程までの憂鬱な顔はなかった。
馬車はウィズル伯爵領へ歩みを進める。
遅くなりましたが、評価して下さった方、ブックマーク登録して下さった方にも改めまして、お礼を。
ありがとうございます(/・ω・)/
うまひは小躍りして喜んでいます。
自分、短編とかは見てなかったんですけど読んでみたら面白くて、色々と漁っています。
偏読、偏食、偏屈なうまひが言えた義理じゃありませんが、皆さんも普段読まない様な作品を読んでみると素敵な作品との出会いがあるかもですよ?




