第15話
毎度どうもです。
本日もお楽しみいただければと思います。
とりあえず、場を仕切り直しています。
母上が禿頭の爺さんと話してる間に、俺が父上を落ち着かせる。
何とも頼りない親父だ。
多分年頃の娘さんがいたら「キモッ」のクリティカルな一言を頂けるぐらい情けない。
イリスに見られなくて良かったねと心底思う。
ツルツルの爺さん──マフモフの第一印象は、「名は体を表す」を全否定しているということだけ。
いやぁ、笑いを堪えるのが大変ですよ。
しかもこれから行われるのは恐らく真面目なお話。
緊張感が高まってる時ってくだらないことでも笑いを堪えられなくなるからさ、頑張ろう。
「うぉっほん!それでは本題に入らせて頂きますぞ。」
皆、席に着きようやく始まった。
見た目はただの爺さんって感じなんだけど、能力は本物っぽいからな。さっきこっそり鑑定使って分かったけど
マフモフ 63歳 人族 男
Lv.22 HP 67/67 MP 160/160
スキル
火魔法Lv.3
杖術Lv.3
交渉術Lv.7
こんなんでした。レベルもそこまで高くないし、スキルの数は3つと多くない。
けど、交渉術Lv.7は凄い。
このオリシスではスキルのレベルは1~10までと言われていて、
1,2が初級
3,4が中級
5,6が上級
7 が達人級
8、9が超人級
10 が滅級
といった感じに区分されている。歴史に名を残す者は大抵Lv.7以上のスキルを保持していたと言われている。スキルレベルは常人の限界がLv.4、優秀な者の限界がLv.6で、Lv.7からは怪物の領域と称され、それだけで国などから優遇されることも少なくないとのこと。
Lv.10が滅級と呼ばれるのは、滅多にその存在が確認できないことと、オリシスの歴史で唯一記録に残っているLv.10のスキル保持者によって国が滅ぼされたことから由来しているらしい。
後者の理由物騒過ぎるだろ、おい。
まぁ、そう言う事でこの爺さんが飛び切り優秀であることは間違いない。
ついでに僕ちんのステータスもほいっと。
アシュラード・アドバンス 5歳 人族 男
Lv.11 HP 50/50 MP 186/186
スキル
土魔法Lv.4
水魔法Lv.4
空間魔法Lv.4
交渉術Lv.3
鑑定Lv.5
集中Lv.5
気配探知Lv.2(New)
ユニークスキル
良縁
教導
盗賊デストロイしたり、魔物討伐したり、盗賊デストロイしてたらこうなってました。
気配探知は森に入って魔物さんをコロコロしてたら覚えました。
スキルが上がっていくのは正直ワクワクします。
僕としてはですね次は調教術か召喚術を覚えたいです。
テイマー、サモナーにはやっぱり憧れがあるんですよ。
キャラメイクでも取ろうか迷ったけど使用ポイント多いし、何よりゲームみたいにやり直しがきかないから見送ったのです。
え?20ポイントも使って良縁スキル取ったじゃないかって?
良いんですよ。役に立ってるんですから。多分。
おっと、話が逸れてしまいました。
マフモフ爺さんのお話しを聞かねば!
「まずは、ご領主様からの手紙になりますぞ。」
と言って父上にクルクル丸めた書簡が手渡される。
小学校の頃はよくあれでチャンバラごっこをしたものだ。
チャンバラが終わる頃にはどれもしなしなに折れていたっけなぁ。
テストの答案用紙なんか絶対親に見せる前にぐちゃぐちゃで毎回怒られてたなー。
などとおっさん臭く思い出に浸っていると、父上が書簡を読み終えたようで、ツルモhいやマフモフ爺さんに問い掛ける。
「これは・・・」
父上が緊張してます。
シリアスです。
いかん、こう言うと全くシリアスさが伝わらない。
それにしても手紙の内容が気になる見たいけど、今は無理だよなぁ。
とりあえず、お話をお聞かせ願おうか。
「アッシュ、見てごらんよ。」
父上ナイス!
多分、領主としてはOUTだろうけど。
「アドバンス男爵!いくらご子息とはいえども「構わん」・・・な!?」
今迄空気だった爺さんのお付きの人が注意しようとしたけど、何故か爺さんが許可をくれた。
ラッキー、お付きの人ゴメンね?うちでは父→息子の回し読みが普通なのですよ。
「しかし、マフモフ殿!」
「使者はあくまでも儂じゃ。裁量についても一任されとる。そして儂はこれが必要なことと判断した。だから許可を出したまでじゃ。」
有無を言わさぬ爺さん。
このやり取りには何処か違和感がある。
ま、気にせず読みましょうかね。
えーっと、なになに?
ふむふむ、成程。
「うちには少し厳しいですね。」
読み終わって感じたことをそのまま口にする。
手紙の内容を意訳的に要約すると
これからはウィズル伯爵家、ゲイン子爵家、アドバンス男爵家の三家で協力体制を敷こう。
とりあえず、話し合わないか?
ウィズル伯爵領でお茶会でもしようよ?
ゲイン子爵家は前向きに検討してくれているから、アドバンス男爵家も勿論受けてくれるよね?
こんな感じ。
父上も頷いている。やっぱり難しいと思ってたんだろう。
すると、それを見たお付きの人が急に立ち上がった。
「有り得ない!伯爵家からの誘いを断るというのか!!」
お~い、地がでてますよぉ~。
仮にも男爵位持ちですからねうちの父上。
それに、
「うちの領地は近年栄え始めたところ、父上は政務に追われる日々です。そんな中父上に領地から抜けられれば、折角上手く回り始めた領政が滞ってしまいます故。」
それっぽいことを言って断るスタンスを取る。
忙しいってのも嘘ではないしね。
おうおう、そんな怖い顔しないでよ。
僕ちゃん5歳だよ?
更に何か言おうとしたお付きの人だったけど、
「若造、もう一度言う。使者は儂じゃ、これ以上無暗に出しゃばる様なら叩き出すぞ。」
の一言に顔を顰めながらも、言葉を呑み込み席に着いた。
んー、もしかして
「マフモフ殿、もしやその方は」
「ハァ、流石にお分かりになりますかの。ご想像通り、この者はウィズル伯爵家の者で御座います。真に申し訳ない。」
爺さん、あんたは悪くないさ。恐らく伯父さんも断り切れなかったんだろう。
だから、信頼できてうちとの繋がりもある爺さんを寄越したんだ。
それにしてもこれって何て言うのかな。
伯爵さんが何を思ってこんな真似したかは知んないけどさ、正直不愉快でしかないわ。
無所属派だしご近所さんでもあるからカゲゾウ達にはあまり詮索しないように言って配慮してたけど、甘かったな。
すぐさま父上が立ち上がる。
「マフモフ殿お気に為さらないで下さい。とりあえず、本日はここでお開きとしましょう。明日、正式にお返事をさせて頂こうと思います。部屋を用意するので、今日は泊まっていって下さい。」
そしてお開きとなった後自室に戻り、カゲゾウを呼び出す。
「カゲゾウ、ウィズル伯爵家を徹底的に調査してくれ。それと今夜・・・・・」
「かしこまりました。」
と言ってカゲゾウは出て行った。
さぁて、如何してくれようか。
おいもの毒はこ~わいぞ~。




