第六話 -絶対魔物討伐-
翌日、午前9時にオークの多発地帯、
ムヤの森に入った俺たちを待ていたのは、
オークじゃなくリザードマンだった。
リザードマンもやっかいなモンスターだが、
ここは体力を温存しときたい。
「リザードマンは無視して進め。走るぞ!」
コガネットさんのとっさの判断に、
俺たちは走ってどうにかリザードマンをまいた。
そして息を息をつくヒマもなく、
目の前に大きな影が見えた。
間違いなくオークだ。
緊張感がますます強くなり、
不穏な雰囲気に辺りはつつまれた。
先に動いたのはオークだ。
巨大な剣を振り回して急接近してくる。
俺とギガはすかさず剣をとり、
オークの足をめがけて切りかかったが、
相手はジャンプしてそれをかわした。
オークの方が一枚上手のよう。
次はコルネットさんが、
特大の炎の魔法をくりだす。
炎につつまれて苦しんでいるかに見えたが、
煙の中からオークが無傷で現れた。
そして俺たちはオークの剣を、
まともに食らってしまう。
文字通り大ダメージの俺たちに、
ミナが回復魔法をかけてくれたが、
持久戦に持ち込めば確実に、
俺たちの方がヤバい感じだ。
ふと、周囲を見るとリザードマンが、
ハイエナのように群がっている。
これは大誤算だ。
「やれるのか?」
ギガがコルネットさんに愚問したが、
返答は「やるんだ!」だった。
そう、俺たちはやるしか道はない。
破れかぶれで俺たちはオークを相手取り、
リザードマンは後回しにすることにした。
モンスターの世界では、
リザードマンよりオークの方が上である。
そのためリザードマンは襲ってこない。
これは最大のチャンスだった。
時は動いた。
けん制したのは俺たちだ。
とっさの判断でミナが、
リザードマンに石をぶつけて、
注意を向けて動かした。
モンスターのルール上、
上級モンスターを怒らせたら、
下級モンスターは殺される。
弱肉強食のせかいだ。
オークはリザードマンに、
敵意をむき出しにする。
その間、俺たちはオークと、
リザードマンに立ち向かう。
オークは俺たちと、
リザードマンを相手取る形のなっていまい、
自ら滅ぶこととなった。
しかもリザードマンも、
オークとの戦闘で体力を消耗していた。
倒すのはたやすい。
「今だ、たたみかけろ!」
俺の合図でギガたちは、
それぞれ攻撃を仕掛けた。
喜びもつかのま、
リザードマンとオークを倒した、
俺たちの前に、
魔王ハバネルが現れた。
目的は、カノン・ジーク・エルクェイドからの命令で、
俺たちの抹殺だとか。
「カノンは本当に俺たちを殺すつもりか?」
「当然。お前たち特異点は、本来このフリーアースにいてはいけないのだ」
俺たちはカノンを絶対本気で恨むことにした。
魔王ハバネルの攻撃はカノンと、
逆の能力で相手を異世界に飛ばものだ。
そして全員を別世界に送り込む。
そこは「魔界ダークアース」である。
俺たちは当分この世界でさまようこととなった。