第五話 -絶対魔法使い不可欠-
次の町・クルスイドを目指す途中で、
ゴブリンと出くわした。
ゴブリンはスライムと並んで、
ザコモンスターだが知恵がある。
戦闘に突入して全力で戦ったが、
結果無残にも敗北した。
また初めの街に戻されて、
神父さんの前で赤っ恥をしまった。
助言で「魔法使い」を雇うことにした。
再びギルドに足を運んで魔法使いをさがす。
僧侶のミナが知り合の魔法使いに声をかける。
「悪いが俺は特異点じゃないんだ。他をあたってくれ」
仕方なく特異点の魔法使いを探すことにしたが、
この街では見つからなかった。
さっきの魔法使いがクルスイドに、
いるかもしれないと言ってきた。
俺たちはゴブリンがいるから魔法使いが必要であって、
そこまで何とかならないものかっと考えていたら、
一人の女性が声をかけてきた。
「あなたたちが、ワタシを必要としてんだ?」
「あ、コガネットさん。久しぶりです」
どうやらミナとコガネットという女性は知り合いだしい。
何でも特異点の魔法使いで、
この街に頼まれごとをしにきたらしい。
「改めてよろしく。ワタシはコガネット・オークン。年は秘密よ」
年は秘密ということは相当年がいってんだな、とおもいつつ、
コガネットさんの仲間入りを歓迎したが、
依頼内容を聞くととんでもない内容だった。
それは凶悪モンスター・オークの撃退である。
普通に考えてゴブリンたちに手を焼いてる、
俺たちには過酷な試練だ。
「大丈夫よ。コガネットさんがいれば倒せれっるはず」
ミナはコガネットさんは絶対強いと豪語する。
ギガも「信じよう」と言ってきた。
あとは勇者たる俺の判断らしい。
俺は怖かったので首を横にふった。
「お前、この期に及んでいくじがないな」
ギガは俺の胸ぐらをつかんで壁に押しあてる。
俺はその手をふりはらいギガを押しのけた。
「俺抜きでも勝てんだろう。コガネットさんは強いらしいじゃん?」
「カレンさまはとんだ腰抜け勇者を呼んだものだな。いくら特異点だからって過去の勇者の方がいくぶん勇気があったよ」
俺をにらみつけるとみんなは部屋を出て行った。
「クソー、俺だって強くなれれば……」
壁を何度も殴って悔しさをぶつけた。
1時間がたったころ師匠のシドマが俺の肩を「ポン」と叩いてきた。
「師匠、どうしてここに?」
「様子を見てくるようにギガから頼まれてな」
どうやらギガたちはシドマたちのとこにいるらしい。
師匠はみんなも怖くてたまらないと、
俺に言いかけせてきた。
「そうなんだ……」
怖かったのは俺だけじゃない。
そう考えると断然勇気がわいてきた。
「俺、戦います。勇者として!」
シドマはみんなのところへ俺を連れていく。
そこでみんなに歓迎された。
「いいかオークはかなり強い。いくら魔法が強いコガネットがいようと、皆が協力しあわなければ勝てんだろう」
シドマはミナとコガネットの師匠でもあった。
コガネットが一期生だとすると、ミナが二期生だとか。
俺とギガは三期生だった。
作戦は俺とギガが剣で切り込み、
コガネットが魔法で応戦して、
傷ついたものをミナが回復させるという、
オーソドックスな方法だ。
作戦は明日、ムヤの森で決行される。
俺たちは自分たちをお互い信じることを誓う。