オーガ?いいえハイエルフです
昔々あるところに、エルフの夫婦がおりました。
ともに暮らして200年。
いくら長寿な種族と言っても流石に子供が欲しいなあと思いはじめる頃合いです。
二人は頑張りました。
マムシドリンク
すっぽんの生き血
しかし…
いいとされるものは全て試して生まれて来たのは…
「おぎゃあ!」
「「え」」
それはそれは元気な…オーガのように筋骨隆々とした男の赤ん坊だったのです。
体型だけならいざ知らず、見事な翡翠のような目の色はともかく、髪の色が灰銀というのは一般的なエルフではありえない色彩です。
「お前…まさか」
「何よ」
当然というかなんというか…
夫は妻の不貞を疑い、妻はそんな夫に怒り狂いました。
「やめ!刺さる刺さる!」
「動くんじゃないわよこのゴブリンの鼻くそにも劣るクズ野郎!」
森の民らしく弓を片手に夫を狙う妻。
中性的な顔を冷や汗と涙と鼻水で汚しながら逃げ惑う夫。
そこには200年連れ添って来た仲睦まじい夫婦の姿はありません。
騒動を聞きつけた村の長老が止めるまで妻による一方的な蹂躙は続いたのでした。
しかし、長老が赤ん坊を見て出した答えは意外なものでした。
「…この子は確かにただのエルフではない。」
「やっぱり!」
「まだ言うか!」
騒ぐ夫、矢をつがえようとする妻…
「…話は最後まできかんかっ!?この子はハイエルフだ。」
二人に順番に拳骨を落とす長老…
そんなカオスな中、
オーガと間違えられるほどマッチョなハイエルフ、ザンギェフはこの世に生を受けたのでした…
続きをまたそのうち書くかもしれません