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第30話 ひのりVSマイ! 短い戦い

第2グループのあらすじ


お父さんは死んだと言うマイ。お母さんも自分を見捨てて出て行ったという。また、大きな声で泣き出す。そんなマイをひのりは、「泣けばいいと思っている」と思い込み、乱暴な言葉をはき捨てる。

ついには、マイをおいて雨の中を進んでいってしまった。


第1グループのあらすじ


・・・はいいか。

1話前ですもんね(面倒くさいだけ)。すみません、こんなだらけで!

 ―第2グループ―

 るいは、少し浮かない顔をしていた。本当にマイを置いてきてもよかったのか、と。ひのりはかなり前をずんずん進んでいくし、他のみんなも、さほど気にしていないようだった。

「ね、ねぇ? パンチョ。いいのかしら? あの少女のこと」

『はぁー……人間って、こんなに鈍かったのね。それなら気にする必要はないわ。後ろ』

 パンチョは振り向かずに後ろを指差した。るいは、パンチョの言葉にむっとしながらも振り向いた。



 木の陰からチラッと見えたのは、黒のような青のような、暗い系の布。少し蠢くその正体がどうしても気になったるいは後ろに戻って、正体を突き止めようとした。

「勝手は許さないよ、るい」

 2、3歩進んだところで呼び止められた。びくっとして振り向くるい。振り向いた先には、立ち止まってはいるがこっちを見ていないひのりがいた。

「ど、どうしてこっちを見ていないのに様子がわかるの……?」

「んー、なんでだろうね。ま、るいには関係ないし。それよりさ」

 ひのりは振り向いた。その瞳には、もう既にるいは映っていなかった。むしろ、光すら映っていなかった。


「いつまで隠れていられるかな〜、待ってみよ。ね、マイちゃん?」

「い、つから……?」

「ずぅーと前からだよー? あれれれ、分からないとでも思ってたのかな? あたしのことをなめてるんだ。……こっちにおいでよ、ストーカーマイちゃん?」

 マイは1歩木の横にずれたが、しゃがみ込んで頭を抱えた。そして、ひのりのことを鋭く睨みつけた。一方のひのりは、そんなものに怯むわけもなかった。

「怖がらなくても良いよ、こっち来て。今は何にもしないよ。素直に言うこと聞いて?」

「私も連れて行ってくれたって良いじゃないですかぁ」

「じゃ、そのための試験をする。そのために呼んでるんじゃん。早く、こっち来いよ」

 その言葉にびくびくしながらも、マイは恐る恐る立ち上がった。


「試験ってなんのですか」

「お前を連れて行くためのー。本当はこんな暇ないんだけどね、特別。それなりの能力があったら連れてってあげるよ? どうする?」

 ひのりは既に戦闘体勢に入っている。

 マイめがけて、はにわを振りおろす準備をしている。

「やります! 私は行きたいんです」

 マイも負けていられなくなり、杖を握りしめた。マイの杖は、杖というよりもスティックというのふさわしい。両先端部分に、紅い水晶が輝いていた。


 ひのりはマイに飛び掛かった。かなり距離があるはずなのにひのりは楽そうだった。マイは1歩遅れて構えた。ひのりははにわでマイを、力いっぱい殴りつけた。

「あ……ッが」

 ひのりのもっているはにわは、普通の土器を作る粘土で作られたのではない。どんなに叩こうが踏みつけようが、決して割れない鉱石で作られている。

「あれま、以外にあっさりだったね? それで終わり!? 時間取っておいて? へーぇ、じゃああたしたちもういくね!? それで良いんでしょ、答えろマイ!」



 ひのりの後に続く者はいなかった。るいも、パンチョも、サンも、みんな口をぽかりとあけている。マイも、手を前について跪いている。

「うっ……わ、たしもぉ」

 先ほどの衝撃がまだ残っているのか、マイは力なく地面に突っ伏した。血が、マイの額を流れていく。やがてその血は、マイの目に入り、頬を伝って地面へ落ちた。

「さすがに、ここまでする必要はなかったわ」

「るいはあたしのこと、分かってないよ。あたしがどれだけこの子を嫌っていたか。それに、たった1発殴っただけ。罪悪感がないなんてことはない。あたしだって人間だもん、罪悪感は感じる……」



 ひのりは泣き出した。今まで溜まっていた自分の「悪」を、全て吐き出すかのように思い切り泣いた。大粒の涙をたくさん零した。

「どうしていいか、分からな、かったの。あたし、小さい子きらい、じゃん? とにかく、自分の意見、を、通したかった、の!」

「わたしが、わるか、たんです」

 倒れていたはずのマイが小さく口を開いた。

「聞いてた? あたし、は、小さい、子、嫌いなの! だけど、だけどぉっ! 努力するよ、努力してあんたを好きになるから! だから、来ても、良いよ。頭、痛かったでしょ?」

 ひのりはマイのもとへ走った。倒れているマイを抱えて、抱きしめた。


 ひのりが幼女を抱きしめられたのは、初めてのことだった。

 マイも、頭が痛いのを我慢して抱きしめ返して言った。


「ありがとうございます」

ちょっとひのりの設定忘れてました(・3・)


更新遅れました。いやぁ、さすがに毎日更新は無理です。でも、なるべく早く更新が夏休みの目標です。


では、また次のお話で。

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