第27話 幼女
第2グループのあらすじ
大洪水の地を目指して、4人は歩いていた。人々を避難させるために、パンチョはジャンク・ドールを出し、避難させた。
そんな時、コゴウと名乗る男が現れる。その男は、いきなりるいに雷を落とし、るいは倒れてしまう。そんな時、パンチョのドールが戻ってくる。ドールも、るいのようになった。
またあのときのようになったとパンチョは言う。あのときもこのような感じだったらしいのだ。
戦おうとするパンチョをよそに、コゴウはもう1グループのほうへ向かって行った。
―第2グループ―
「るい……! 死なないで、死んじゃやだよぉっ!」
未だにるいは起きない。ひのりが耳元で大声で叫んでも、パンチョが魔法をかけても、1ミリも動かない。まるで、道端で死んでいる蝉のようだった。
「るい! 起きないとっ、殺しちゃ、うよっ! ねえ、聞こえて、るんでしょ!」
ひのりは声を枯らせて泣きじゃくり、はにわを構えた。はにわからは既にビームが飛びそうだった。サンはそれを手で止めた。
『ひのりちゃん、落ち着いて。本当に殺しちゃ、余計起きないよ? ひのりちゃんは、成功を祈っていて。あたしとパンチョに任せてね。さあ、パンチョ! いっくよーぅ!』
『いいけど……成功率は3%ぐらいよ? 賭けてみるしかないわ』
パンチョとサンはマントを構えた。そして5秒間ほど目を瞑り、いきなりかっ、と目を見開いた。マントがひらりと揺れた。
それと同時に、マントから激しい光が発生した。あたりは黄色い光に包まれた。
「な、にこの光……!」
『お、おかしいかも! こんなこと起こったこと、1度もなかったよ!』
『成功確率は1%に縮んだかしら?』
サンとパンチョの慌てようによると、とてつもなく大変らしい。しかし、黄色い光は止まることなく、るいに向かっていく。
『あぶないっ!』
サンが叫んだときにはもう遅かった。るいに黄色い光は直撃した。
その時だった。
「ん……え?」
今までぐったりしていたるいが、突然起き上がり、光はるいの顔に直撃した。
「ああああああああああああ!?」
意味不明な叫び声。るいの頬に傷が出来てしまった。それだけで済んだ理由は、目の前に透明な物体が来たからなのだった。
「パンチョ……痛いじゃないの! 何をするのよ、全くもう!」
「ち、ちがうの! みんなね、るいのことを助けようとしてたの! ごめん……」
ひのりはるいに頭を下げた。るいは首をかしげながらも、何度か頷いた。
「誰なのかしら……」
「え?」
「私を助けてくれた透明な……その……?」
るいはまたしても首をかしげた。透明な物体とは、ひのりたちには理解不能だった。何のことかも分からない。分からないので、ほうっておくことにした。
「うえ―――ん!!!!」
ひのりの耳元で、泣く声がした。耳を破壊するほどの大きな声。特に耳元では、かなり、いや、とてつもなく大変な大きさ。
「うるさ―――ぁい!」
「あ、ご、ごめんなさいぃっ!」
ぴたりと音が止んだ。先ほどまで透明だった物体は、姿をあらわした。真っ青なドレスを纏っており、髪の後ろに藍色のリボンを結えてある。6〜8歳ぐらいの女の子だった。
「私……マイっていいます。魔導士に憧れてて、練習してたら……いきなり変なのが突っ込んで来まして……大声出してごめんなさい!」
マイと名乗る幼女は、泣きそうな顔で頭を下げた。
「い、いいわよ! 守ってくれて嬉しかったわ」
「いいえ、私が悪いんです。お詫びと言ってはなんですが、私も、この世界を救いたいんです! あなた達に、付いていかせて下さい!」
マイはにこっと笑ってるいの服のすそを引っ張った。るいとひのりは顔を見合わせ、サンとパンチョもまた、顔を見合わせている。
「無理だと……思うよ? セトに電話して聞いてみるけど……」
ひのりは通信機を手にとり、電話をかけた。リーフがでた。
『ハイ、こちら第1グループ、リーフ。どうかなさいましたか?』
「リーフ、セトはいる?」
リーフはすぐに『ハイ』といい、セトに代わってくれた。
「もしもしー? ひのりちゃん」
「ここに、小さい女の子がいるんだけど、連れて行っても良いかな?」
セトは少し黙っていたが、状況が分かると、答えた。
「いいんじゃないですか? その子に人生の厳しさと楽しさを教えてあげてください」
それだけ言って、電話は切れた。ひのりは、あまり納得がいかなかった。せめて、両親の許可が下りてからにしよう、という考えが浮かんだ。
「そうだ、お父さんの許可を入れな
「いないよ」
うわぁ、更新遅っ!
すみませんでした。1か月以上も更新してなくて……。
どうしたら皆さんの信頼を取り戻せるか分かりません。心から謝罪いたします! すいません!