第25話 たこの意外なこと
2話も間を空けると、話が分からなくなってしまいそうなので、第1グループのあらすじを書きます。混乱させてしまい、申し訳ございません。
リーフ、セト、ノア、ルナの4人は聖界へたどり着いた。まずは黒炎山へ向かうことにした。しかし、ルナとセトは飛ぶことは出来ない。
そこで、魔導力を初めて使い、とべるものを出すことになった。
ルナはうまく成功したが、セトはうまくいかない。ようやくたこを出すものの、飛び立たない。
溶岩で足を焦がしてしまったが、ノアの手当てで治る。
アクアから連絡が入り、人間界にも異変が起きていることを知る―――
―第1グループ―
あたりは暗くなっているはずだった。本当ならば今は深夜0時過ぎ。本当の人間界では、月が出ていて、星が輝いていて、涼しくて―――
しかし、このあたりは違うのだった。相変わらず太陽はジリジリ照りつけるし、不思議なことに眠気もなかった。4人もこの暑さで息が切れてきた。
「暑い、です〜」
『黒炎山付近だからです〜。はぁ、暑い〜』
「あ〜。たこが〜!」
セトが乗っていたたこは、真っ赤になってよれよれになり、しおれている。仕方なく、ノアはじょうろを出し、たこにかけてやった。
「ぷしゅー!」
「わぁっ!?」
たこはいつものように、セトに墨をかけた。再び水を上げると、たこはますます赤くなり、しわしわになっている。セトは怒って、
「せっかく水を上げてるのに! 火でも出しちゃえ」
といった。
しかしセトは、火の出し方だけでなく、魔導力の使い方さえ知らなかったので、どうすることも出来なかった。戸惑うセトに、リーフが優しく教えた。
『そのスティックの前の部分を、たこに向けてください。頭の中で、魔導力を使う様子を思い浮かべてください。目を瞑り、力を抜いてください。スティックが熱くなったら、完了です』
セトは言われたとおりにした。しかし、待っても待ってもスティックが熱くならない。そんな様子に呆れたのか、リーフは火を出してやった。
「ありがとうです。たこにつけちゃって下さい」
『……止めたほうが良いと思いますが』
呟きながらも、リーフはたこに火をつけた。ところがたこは熱がるどころか、喜んでいる。どうやらこのたこは、火が好きなようだ。
『たこは普通、水が好きだった気がするんですが……』
「そう、ですね。て言うか、空を飛べる自体おかしいです」
セトとリーフが呆れている中、ルナとノアは青く染まった空を見つめていた。黒い物体がこっちに近づいたように見えたからだった。
「セト、リーフ! 上を見ろ!」
「上?」
セトが見上げたときには、黒い物体はセトの真上にあった。そう、黒い物体はコゴウだった。コゴウはセトの上に着地した。
「はははははは、久しぶりだな、守護霊共よ!」
コゴウはセトのことなど気にせず、平気で話している。腕を組み、高らかに笑った。うつぶせ状態のセトは、しばらくじっとしていたが、我慢が出来ず、コゴウの足を掴んだ。
「いったいです―――! どいてください!」
「ふん、いつからそこにいたのだ」
「あなたが降ってきたときからです!」
セトは立ち上がろうとするものの、コゴウが腰に乗っているため、立つに立てなかった。コゴウはその様子を見て、小さく笑った。
「しばらくぶりだなぁ、守護霊。君たちにも名前が付いたんだろう」
『オレ様はノア。こっちはリーフだ。お前が何の用だ、コゴウ。パンチョには会ったのか?』
「会った。一人負傷者がいるようだね。こっちも一人負傷者を出そうかね」
コゴウは上に手を伸ばした。雲1つない晴天の中で、雷を起こそうというのだろうか。
『セトちゃん! 危ない!』
危険を察し、リーフが叫んだ。しかし、セトは身動きすら取れない。3人はセトを助けようと向かおうとした。何故か動けない。金縛りのようなもので、動けなくなっている。
「雷は無理だが、炎ならばいつでもお前に与えられる。さあ、喰らうがいい!」
コゴウはセトを金縛り状態にし、退いた。セトは死を覚悟した。
(私は、6年生にならないで死んじゃうのかな……)
真っ赤な炎が、勢いよくセトに近づく。セトはじっと目を瞑り、体が溶けるのを待った。
炎がセトに届くことはなかった。セトが乗っていたたこが、セトの盾となって攻撃を防いでいる。むしろ、炎を浴びて元気になっているようだった。
「しゅーぷしゅー!」
「こ、の私が、たこ如きに攻撃を防がれるだと!」
たこは墨を吐いて、炎を跳ね返した。コゴウはその場から離れ、立ち去った。
「ありがとう、たこさん! たまには役に立つじゃないかー」
「しゅーしゅー!」
たこは墨をセトに吐き、ちぢんだ。
このたこは炎が好きなようです。みなさん、いっぱいあげましょう!(ぇ
こんにちは。前までは、更新が遅くなりました。
お話を考えるって、やっぱり楽しいです! わーいわーい!
では、頭が狂ってしまったようなので、また。