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第23話 アオイの歌

『スニーカーはもう使えませんね。この世界では、人間界の服装は変でしょう。いっそのこと、全て着替えてしまいましょう。2番目はルナちゃんですね』


 リーフは息を止め、目を瞑って手に力をこめた。2分もすると、セトの服が大幅に変わった。


 髪の色は前のままなのだが、ハンチングをかぶり、後ろでおだんごしばりをしている。服は白のロングコートで、手首の部分に黒いラインが2本ある。


 ロングコートの下に少しだけ見えるのは、黒い服と黒いジャージ。手には、白く輝く長いスティック。その先はサッカーボールが入るぐらいのわっかになっていて、その中に1本白い棒が、横に貫くように刺さっている。


 靴は黒いスニーカーだった。


「白黒ですね」

『そう・・・です。でも、とてもお似合いですよ』

 セトはリーフに褒められ、頭をかきながら礼を言った。


 ルナの格好は、髪を二つにしばり、ロングコートだった。ロングコートの色は黒。ロングコートの下は濃い緑の服だった。

 ルナの手にはスティックではなく、剣士が持つような銀色の長い剣があった。その剣に日光があたり、ぎらぎら光っている。


『ルナさんもお似合いです』

 ルナもリーフに頭を下げた。その後、もくもくと煙の上がる火山を見つめた。





 ―現代―


『また地震・・・もう床が抜けてるね』

 現代では、頻繁に起こる地震のせいで床が抜け、天上も剥がれ落ちている。地震がくるたび連絡しなければならないので、大変だ。

『もしもしリーフ? 今の状況を言うね。床が抜けて天上もはがれてる。人々は大パニックだ。引き続き、がんばってね! じゃあ』

 急いで通信機を切り、地震が収まるまで抱き合って待った。この地震で倒れたり崩れたりしない、この建物はかなり丈夫である。


「早く、早く帰ってくるのさ、みんな」

『今は信じて待っているだけだよ』


 アオイは、アクアになだめられ、静かに座り込んでいた。しかし、地震が止まることはない。そのことよりも、みんなのパニック状態が気になっているアオイ。


「きゃー、きゃー!」

「もう、地球が終わってしまうよ」

 他の学校の者は、生きる希望と地球の明日をあきらめ、目が死んでいる。萌と藍も黙って、地震がおさまるのを待っている。


「てめぇら騒ぐな、殺すぞ」

 一人の少年が、怖い目で目が死んでいる人をにらんだ。その少年は、のりおだった。

「の、のりおくん!?」

『どうも、のりおくん。ボクもこのまま見てるわけにはいけないね。さぁ、少しでも元気になってもらおう。それがボクたちの使命だよ』


 アクアは、目が死んでいる人々の前に立ち、一つ礼をした。これから何が始まろうとするのか、他の者には何一つ分からなかった。

 地震が起こっている中、時折バランスを崩したりしたものの、きちんと前を向き、息を大きく吸った。高く飛び上がり、空中で2回転をした。


『みんなが地震を止めようと頑張っている。そのなかでボクらはただ待っているだけでいいのだろうか。いまこそ力をあわせ、戦うときだ。ボクに、どうか力を貸してください』

 アクアが言い終えると、あちこちで喝采が起こった。


「俺たちは、何をすればいいんだ?」

『ボクはこれから、災害の威力を少しでも小さくする魔術を使う。その後ろで踊っていて欲しいんだ』


 アクアの言葉に、人々は迷うものもいたが、大半は頷いた。早速、人々は準備についた。アクアは先頭にたち、斧の先端のほうを下に置いた。


『不格好でもいい、楽しく踊るんだ。愉快に、爽快に。さあ、踊ってくれ!』

「いくよー、せぇのっ!」


 失わないで 無邪気さと生きる希望



 大切な者を 守りたいのならば



 愛想笑いなんか 必要ないんだ



 なんにも考えずに 心から笑うんだ



 大切な者は いつだって傍にいてくれるから



 いい調子でアオイが歌い始めた。それにあわせて他の者も、飛び跳ねたり回転したりして踊っている。アクアも斧で波動を作り、それを地面に叩きつけた。5分、10分と経ち、地震の威力は半分ほどにおさまった。


『ありがとう、みんな。地震の威力を半分に出来た。これ以上出来ることは、他の者を信じること。まだ仲間が頑張ってるんだ。信じて待っていよう』


 人々は、アクアの言葉を聞いたあと、倒れこんだ。

更新が遅くなりました。お久しぶりです。


こういうシーンを書くのは、結構楽しかったです。これからもっと出てくると思います。


では、またお会いしましょう!

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