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牢獄

作者: トム

朝、目を覚ますとそこは牢獄の中だった。牢獄には、もう一人囚人らしき人物が寝ている。2人は手錠をかけられていて、記憶がなくなっている。


なぜこのような状態になっているのかわからず、二人は現実を受けいられずにいる。


やがて看守がきて、二人は仕事場に連れていかされ労働させられることに。そこには、同じような境遇の人々がぞろぞろいる。


二人は協力して、この一連の状況を作り上げた黒幕を探し出し、復讐することを決意した。


しかし、はじめは復讐すると決意していた二人だが、仕事の報酬を貰うことができ、仕事の業績いかんによっては、肩書きがつき、職場での地位があがり、報酬〔給料)がアップすることになるのでしゃかりきに働くようになる。

〔働かなければ生きていけない)


己の地位が上がると、手錠の色が変わっていく。


長年奴隷の境遇に身を落としていた二人は、すっかり当初の計画を忘れてしまい、どれだけこの中で富を蓄えてきたのか、地位があるのかを競うようになる。

彼らは自分の手錠を自慢するようになる。

いかに良く働き、消費するかが彼らのステータスになる。

彼らは、その境遇に慣れ居心地が良くなっていく。そのコミュニティでは必然的に肩書きがつきえらくなっていく。

とうとう相部屋の人間との出世競争にも勝ち、一番の偉いさんになり、

相部屋の方は過労で倒れて死んでしまう。


働き盛りをとうに過ぎた、65歳になって彼はついに、外に出ることができた。しかし、外の世界には身寄りもなく、外の世界に適応できなくなった彼は、牢獄の中に再び入ることを切望する。

しかし、牢獄の中にいれてもらえないことに絶望し、自殺する。


これは刑務所慣れした囚人が娑婆の世界で生きていけず自殺するという話ではありません。

現代人は皆奴隷である。

奴隷はその境遇に慣れすぎると自分が奴隷という事実にすら気づかないようになり、奴隷同士で地位や金を争うようになる。

彼らは自分を中流階級と信じ、バリバリ働くようになる。

奴隷であることが自らの唯一のアイデンティティになっていくというお話です。



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