三題噺:『チャイム』『鍋』『青春』 リベンジ
また玄関のチャイムがなる。何回目だよ……とか思っているところにもう一度。さらにもう一度、さらに……って連打すんなや!
続いて今度はドアを叩く音まで追加される。うるさくて仕方がない。てかやめろ、やめてくれ今何時だと思ってるんだ。ほら隣の部屋からの壁ドンまで追加された……
「せんぱぁい、開けてくださいよぉ……私今日お鍋作ってきたんですよぉ?お鍋、お嫌いですかぁ?」
「嫌いじゃねぇけど絶対にここは開けん!その鍋を食う気もない!どうせまたなんか入ってんだろ!?」
「嫌ですねぇ……ただのお鍋ですよぉ……私の唾液も血液も髪の毛も、入っているわけないじゃないですかぁ」
「ほぉらやっぱりだ!俺はそんなもん絶対に食わねぇからな!さっさと帰ってくれ!」
「もぉ……先輩のイケズ」
ようやくヤツの気配がドアの前からなくなった。
「なぁにがイケズだあの野郎。これまで俺にした数々の狼藉を忘れたんじゃねぇだろうな」
「忘れてませんよぉ。私が先輩に関することを忘れるはずないじゃないですかぁ。あ、ところで私は女の子ですよぉ?野郎じゃないですぅ」
真後ろから聞こえた声に、一瞬で背筋が凍りついた。
「おい、どっから入った?」
「窓の鍵はちゃんと閉めておいたほうがいいですよぉ?泥棒さんに入られちゃうかもしれませんからぁ」
「ご忠告ありがとう。だがな、一つだけ言わせてくれ」
「ここは4階だ!!」
「ふふ、わかってますよぉ。泥棒さんは冗談ですけど、恋する乙女には余裕ですからぁ」
「ああ、そうみたいだな。身をもって知ったよ」
「ふふ、それじゃあ、今度からは気をつけてくださいねぇ?泥棒さんは来れなくても、泥棒猫さんはわかりませんからぁ」
「何を言って……」
「さ、そんなことより早く食べちゃいましょうよぉ。私の色んなものが入った、お・な・べ」
あぁ……できることなら、もっと普通の青春が送りたかったぜ
「ご飯を食べたら一緒にお風呂ですからねぇ?その後は一緒のベッドで……うふふふふ」
切実にな