眠。
この題名はなんだ!?
すりー...スリー...スリープ、寝る、眠る、....まぁいいか←
みたいなノリでつけられました
なんと哀れな....
『やっと、どっか行ったね、アイツ』
頭の中で谺する
腕をがっちりと掴まれ、半ば強制的に引きずられて生徒相談室に連れて行かれる
...後で、何か痣が出来ていないかを見とかなきゃな
「...お前が、毎日毎日夢にうなされている理由を、私は識っている」
「っ!!?」
ビックリして、思わず凝視してしまう
目の前で煙草をくわえた"先生"は、いつもとは違い、不機嫌な顔になっていた
...ニコニコ笑顔の鉄仮面がはがれた瞬間。
写真部や新聞部がこの場に居れば、絶対にシャッターの耳障りな音を響かせるだろう
...だけど、ここには二人しかいない。
静かな空間に、煙草の煙がユラユラと形を変えて、消える
「...私は、あの女神姉妹に送られた、”お使い”だ」
「.......先生が、お使い....」
「お前が一刻でも長く、夢と現実の狭間に居れる様に、あの二人から任務をうけた。」
長く、長く、煙草を携えて、吐息を吐き出す
冷めた目で、窓側を見つめる”先生"は、どこか寂しそうに見えた
「...だけど、」
「.....?」
「お前は、あちらに往かなくても良いんじゃないかと、思い始めた」
あちらというのが何処かは、はっきりとは解らない
だけど、あの双子の生きる世界なんだろうとは、ボンヤリと、理解していた
...世界?
「...."先生"、世界って、何?私、なんで呼ばれてるの?」
「.....お前、何も憶えていないんだな。」
至極、驚いた顔をされた
黒ブチの眼鏡の奥の、静かな瞳が揺れる
こくり、頷いた
「...そうか、なら、尚更あっちに往く必要が無い。寧ろここに居ないといけない」
「あの、教えてほしい。私を、何が取り巻いているのか。彼女達は...あっちの世界は、何なの?」
ジュッ
煙草が机に押し付けられて、焦げた臭いがさらにキツくなる
"先生"は、怒ったように、私を睨んだ
「お前は、このまま平穏に生きていたくないのか?」
「あちらの事を知らないのに、あちらの事を毎夜、毎夜言われる苦痛のほうが嫌なの」
「もしもあちらの記憶を取り戻せば、毎晩凄まじい激痛と吐き気を伴うとしても.....か?」
息を、飲んだ
そんな脅しをかけられるなんて、微塵も思っていない
いつもの説教よりも、言われている事は軽い事。
けれど、それは、真剣な眼差し
瞳の奥が語る真実
これから起きる、|"何か"《災厄》
「...脅して、悪いとは思う。だけど、本当に止めておいた方が良い。」
「...いえ、我が儘言ったのは、私ですから。」
静寂に包まれる中。
フッ
突然襲う、睡魔
驚く暇もない。
先生も、目を見張って近寄ってくる
「もう、来たのか!!!!!」
怒鳴り声
あぁ、先生が、本当に怒っている
「だって、稚草は私たちのものでしょう?」
「返してほしかったんだもん!それなのにアナタったら_..」
平凡な教室に不釣り合いな、見覚えのある美しい顔が目に映る
にこりと微笑まれ、私の意識は遠く、遠く_____...
深淵に堕ちる寸前
「_...稚草、絶対に迎えに行ってやるよ」
「「迎えに上がりましたわ、我が君」」
そう、呟かれた気がした
やっと動き出した気がします。。。。。
はひーっ