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Innocent Game  作者: Liar*
10/12

危。

まとまりきらんなぁ。

そして主人公の性格が変わって来ている気が...

こんな、こんな子じゃないのっ


とまぁそんな事は置いといて

今回も読んで下さり、ありがとうございます。





「優しい、夢を見たんです。悲しくなるぐらい、幸せな夢を。」

「そうか」

「でも、いつだってその目は苦しそうで、でも悟られまいと押し隠されていて」

「...そうか」

「私が居るからって。大丈夫って、目一杯抱きしめるんだけど、意味は無くて」

「そ、か」

「だから私、悲しくて。でも、そんな事思っちゃ罰当たりだって、ダメだって」



すっと、人差し指で話す事を止められる

綺麗な切れ長の瞳に、涙で濡れた私の姿が映っていた


「もう、良いんだ」


ノワールは私を抱きしめて、まるで幼子をあやす様に背中を、二、三度ポンポンと叩いた

何故か、凄く凄く安心した

その後私はすぐ眠りについた

目覚めた頃には、既に城の中の清潔なベッドに居たんだけれど、ノワールが傍にいてくれた事に、少し歓びを感じた


彼なら、信頼しても大丈夫

いつの間にか、そう思える様になっていた。



「起きたか。ねぼすけ」

「おはようございます。もしかして運んで下さいました?」

「あぁ、途中まではな。階段下りてったら厳つい騎士に斬りつけられたぞ」

「え、大丈夫!?怪我は?痛くないの?」

「心配するな。俺はあの双子に”お使い”として遣われる程有能だ。蹴り飛ばしてやったよ。」

「それはそれで心配だけど...」




やっぱりノワールと居ると安心する。

なんていうか、親戚のお兄ちゃんって感じがするんだ。多分。

それに、細い目がもっと細くなるのが凄く好き。

まるで狐みたいなノワールは、私がそう言う前にデコピンをしてきた

イタイ。



「さて、じゃぁ俺は行くからな。何かあったらまた呼べ」

「え、もう行っちゃうの?」

「何だぁ?甘えたい時期か?お前の事こっちでもちょっと調べてみたいんだよ」

「甘えたい時期はもう過ぎましたよーだ。でもありがと。じゃね」

「あぁ。また、な」


くるりと背を向けて歩き出す先生。いや、ノワールか。

もう見慣れてしまった濃い紫のマントが、少し名残惜しかった



パタンと扉が閉じてから、本来ならば見落としてはならない異変に気付いた



_____...窓が開いている




風で日に透けたカーテンがふわりと揺れる、和やかな景色。


だが、確かに私が目覚めて、体を起こしてみたときの窓は閉まっていた

そして、ノワールが去って行った、その瞬間まで......。



『おはよー仔猫ちゃん。まだオネムかな?』

「ッ誰!?」


とっさに部屋を見渡す。が、窓以外に変化している所は無く

声が聞こえた場所も、驚きのあまり確認が出来ない



『ココ、此処だよ』

「ひぁ!!!!!!」


背後から、何かの皮に包まれた手が口を塞ぐ

グイ、と顎を無理矢理あげられて見た、声の正体は












ピンク色の猫耳をつけた変態っぽいお兄さんだった


どうしよう、これは爆笑してもいいのかな?でも雰囲気的に此処はシリアスムードですよね、うん

どうしようどうしよう、ここまで順調にシリアスモード前回で来たのに何故に今此処でギャグに走る?

いや、別にギャグを狙って登場されたんじゃないと思うんだけど、うん、このお兄さん変態だよね絶対


ぴっちりしたシマシマのタンクトップを身につけ、耳と同色のファーがぐるりと体に巻き付けてある

腰のあたりで途切れたそれは、ある種の衣服にもみえる

その下から黒いジーンズらしいものが履かれ、再びピンクのリボンがあしらわれた革製の長靴(ロングブーツ)がギリギリ視界に入った


服装ははっきり言ってどうでも良い。

濃い赤紫の髪も、赤く輝く瞳も心底どうでも良い。



が、


絶対に許せないのが、この体勢


後ろからねっとりと這う様にして抱きしめられた腕が、お腹辺りをゆっくりと擦っている

それどころか、顔を首元にうずめて、まるで何かを確かめる様にクンクンとにおいを嗅がれている

はっきり言おう。


コイツ只の変態


顔や容姿だけなら、ただの歩く18禁だと思えば良い。むしろ大歓迎なんだよね

が、ここまでされれば...ねぇ。しかも不法侵入だし。猫耳だし。

全国の美形大好き様たち、こいつ殴っても良いですか?


『あっははぁ、いーけないんだぁ?殴るなんてさぁ〜』

「決定しました。私の決心は固いんです許して全国のお嬢様がた覚悟ぉおおっ!!!!!」

『うわっと、なーんか物騒だねぇ。綺麗なお手手が汚れちゃうよ?』

「じゃかあっしかあああ!!!!乙女は怒ると怖いんじゃボゲエエエッ」


鬼の形相で(自分的なね。)殴り掛かってみたが、ひょいひょいと避けられ、ムカツく

拳はいい具合に風を切って唸るんだけど...。ちっ、あたれよ

が私は、焦らされれば余計にやる気がわいてきてしまうというタチなのだ。


決して私がSだからではない。

というか、あっちもニコニコしながら避けているんだから別に良いよね、

たまたまでもあたっちゃえば。うん。

たまたまならね、良いよね。



『それよりさ、君、何であの陰湿な野郎と一緒に居たの?』

「....ノワール?」

『あっれー、名前まで教えてもらっちゃって。...気に入られてるんだ?』

「別に名前ぐらい誰にでも教えるでしょ?」

『ちっちっち、甘いね。』


変態発情猫が、細くて長い指を横にふった。似合う。だからこそ苛つく。

猫は、するりと腕を解くと同時に一瞬で私のベッドの前に立った

細い体がよく似合う。無駄にフェロモン流し過ぎなんだよ。クソっ

目を細めると、猫は優雅に傍にあった机にもたれ掛った。


『名前って言うのはさ、自分のウチに秘められた力を最大限に発揮する事が出来る、いわば力の源なんだよ』

「へぇ。なんか、あれみたいだね。なんとか戦記。」

『うん、でね?その名前を教えるって言う事は、自分の中の力を教えた相手にも使用する許可を与えるっていう事なんだ。』

「おぉ!(!なんかすっごい異世界に居るって実感した)」

『しかも、この国...って何喋ってるんだろう僕...。』



あれ、なんか沈んだ?

まぁ...いいか。



『とにかく、君は、あいつの何なの?』

「(あれ修羅場?)...別に、何でもないけど」

『ッ何でも無い訳ないだろう!?』



猫は、そう叫ぶと私に向かってド派手なピンク色の拳銃を向けた

銃口の奥に輝いている、黒い弾丸を見つめながら、私は口を開く




「何でもないって、言っているのに。ねぇ?」




ドンッ


鈍い音が、聞こえた気がする。


しらないひとが、わたしにいうの。

おまえはだれだ、おまえはなんだって、いうのよ。


にぃさま。


だから、わたし、ただなまえをいっただけなのよ。

わたしは____ですって、いっただけなのよ。

そう、

くちにしただけなのに...__



にぃさま、にぃさま、だれよりもいとしいにいさま。

いま、おむかえにあがります。

ですからどうか、わたしとともにシアワセになりましょう。


ね?


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