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優しさの重さ
朝食を作っていると、俊介が後ろから声をかけた。
「無理すんなよ。今日は俺がやるから」
優しい声。
気遣い。
全部、ありがたい。
でもその優しさが、
なぜか胸の奥に重くのしかかる。
「大丈夫だよ。もう平気だから」
そう言うと、俊介は安心したように微笑んだ。
その笑顔を見て、
葵は胸の奥がきゅっと痛む。
(……私は、ちゃんと“妻”になれてる?)
俊介の期待に応えたい。
支えてくれた人を裏切りたくない。
だからこそ、
“揺れている自分”を認めたくなかった。
優しさが、
まるで正しさとして迫ってくるようで、
息が少しだけ浅くなる。




