前へ目次 次へ PR 90/615 答えのない夜 ベッドに横になっても、眠れない。 天井を見つめながら、 葵は自分に問いかける。 (……私、どうしたいんだろう) 俊介の優しさに甘えるべきなのか。 それとも、揺れた心を見ないふりをするべきなのか。 答えは出ない。 ただ、心の奥で何かが ゆっくりと動き始めている。 それが希望なのか、後悔なのか。 まだ分からない。 ただひとつだけ確かなのは—— 大和の笑顔が、 “もう二度と触れてはいけない場所”を そっと揺らしてしまったということだった。