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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第18章

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すれ違う温度

その夜、大和は結衣を家の前まで送った。

雪が静かに降り続け、街灯の光が白く滲んでいた。


「今日は……楽しかったです」


結衣は少し照れたように笑った。

その笑顔に、大和の胸がまた揺れた。


(俺は……前に進んでいいのか)


結衣の温度は心地よい。

けれどその温かさは、

記憶を薄めてしまいそうで怖かった。


一方その頃、葵は病室で母の手を握りしめ、

俊介は廊下でひとり、自分の無力さに拳を握っていた。


皆の温度は、

それぞれ違う方向へ向かっていた。

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