前へ目次 次へ 63/215 大和の揺らぎ 結衣は、 店のカウンターで温かいお茶を飲みながら言った。 「大和さんって……なんだか、 時々寂しそうな目をしますよね」 大和は驚いて、 思わず視線をそらした。 「そんなことは……そうですかね」 「そうですよ。 誰かをずっと想ってる人の目、してます」 胸の奥が、 静かに痛んだ。 美咲の笑顔。 葵の涙。 どちらも、 まだ心の中に残っている。 (俺は……前に進めてるのか?) ただ生かされているだけの自分。 原因はなんだ? 答えは出なかった。