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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第17章

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俊介の沈黙

俊介は、

葵の返事を聞かないまま数日が過ぎた。


(返事を急かすつもりはない。

でも……苦しいな)


葵が大和を忘れられないことは、

ずっと前から分かっていた。

あえて話したことはないから

葵はそのことに気付いてないけど。


それでも、

葵の母を支える彼女を見ていると、

放っておけなかった。

最後に心底葵が笑ったのはいつだ?

はりさけそうな笑顔ばかり思い浮かぶ。


(俺は……ただの代わりなのかもしれない)


そう思うたびに胸が痛む。


家族という形にこだわりはなかった。

でも、守りたい。

葵が笑えるならそれでいい。


俊介はそう自分に言い聞かせた。

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