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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第12章

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雪の降る場所へ①

美咲の葬儀が終わった夜。

大和は自宅のリビングで、

ひとり、灯りもつけずに座っていた。


部屋は静かだった。

あまりにも静かで、

美咲の笑い声がまだどこかに残っているように感じた。


テーブルの上には、

美咲が最後まで飲みきれなかった薬の瓶が置かれている。


大和はそれを見つめながら、

深く息を吐いた。


(……もう、ここにはいられない)


東京の街は、

美咲との思い出で溢れていた。


買い物をした商店街。

一緒に歩いた川沿いの道。

病院へ向かったタクシーの窓から見た景色。


どこを見ても、

美咲がいた。


そのすべてが、

今の大和にはあまりにもつらかった。

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