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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第11章

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2つの病室④

同じ夜、東京の病院。

葵は母の手を握りながら、

治療の説明を聞いていた。


母は笑っていたが、

その笑顔の奥にある不安を、葵は痛いほど感じていた。


起こりうる全てを話しているのはわかっているけど、

副作用の説明は鳥肌が立った。

あれもこれも何もかもできなくなるかもなんて。


(怖い……

お母さんがいなくなるなんて……

考えたくない)


葵は母の手を握りしめ、

声を殺して泣いた。

お母さんが一番泣きたいはずなのに…


その涙は、

大和が流した涙と同じ色をしていた。

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