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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第11章

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2つの病室③

ある夜、大和が病室に入ると、

美咲は窓の外の雪を見つめていた。


「……雪、降ってるね」


「うん。綺麗だな」


美咲はゆっくりと大和の方を向いた。


「ねえ……

私、もうすぐ行くね」


「そんなこと言うな」


大和は必死に手を握った。


美咲は穏やかに微笑んだ。


「大和さん。

あなたは……優しすぎるから……

どうか……幸せになってね」


「お前がいないのに、幸せなんて……」


言いかけた言葉を、美咲がそっと遮った。


「大和さん……

ありがとう。

大好きだよ」


そのまま、美咲は静かに目を閉じた。


大和は何度も名前を呼んだ。

手を握りしめ、涙を落としながら。


しかし、美咲はもう返事をしなかった。


雪は静かに降り続け、

病室の窓を白く染めていた。

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