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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第11章

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2つの病室①

冬の気配が近づく頃、美咲の体は急速に弱っていった。


病院のベッドに横たわる彼女は、

かつての明るさを失い、

声も細く、呼吸も浅くなっていた。


大和は毎日、仕事を終えると病院へ向かった。

手を握り、背中をさすり、

美咲が眠るまでそばにいた。


「……大和さん」


美咲はかすれた声で呼んだ。


「ここにいるよ」


大和は椅子を寄せ、彼女の手を包み込んだ。


「……ありがとう。

最後まで……そばにいてくれて」


「最後なんて言うな。

まだ……まだ大丈夫だ」


大和の声は震えていた。


美咲は微笑んだ。

その笑顔は、どこか遠くを見ているようだった。


「大和さん……

あなたと結婚できて……本当に幸せだったよ」


その言葉に、大和は涙をこらえきれなかった。

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