前へ目次 次へ 30/204 副作用 治療が進むにつれ、副作用が容赦なく美咲を襲った。 ある朝、洗面所から小さな悲鳴が聞こえた。 「……大和さん……」 駆けつけると、 美咲の手には抜け落ちた髪の束が握られていた。 「やだ……やだよ……」 美咲は鏡の前で崩れ落ちた。 大和はそっと彼女を抱きしめた。 「大丈夫だ。髪なんてまた生える。 お前は……お前はそのままで綺麗だよ」 美咲は声を殺して泣いた。 その涙は、 恐怖と、悔しさと、 そして“大和に迷惑をかけたくない”という気持ちが混ざった涙だった。