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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第79章

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差し込んだ灯り

結衣とのDMは、まだ続いていた。


画面を開くたびに胸がざわつくのに、

閉じてしまうと、もっと落ち着かなくなる。


そんな不安定な呼吸のまま、

またひとつ、短いメッセージが落ちてきた。


『店長、また東京行くみたいですよ』


その一文を見た瞬間、

胸の奥で、沈んでいた何かがふっと浮いた。


光だ、と思った。


ただの明るさじゃない。

救いみたいな、息ができるみたいな、

あの頃と同じ、優しい温度の光。


店長。


心の中でその呼び名を置いただけで、

胸の奥がじんわり温かくなる。


こんなふうに感じるなんて、

思ってもみなかった。


だって店長は、

私が“好きになってはいけなかった人”だから。


自分で蓋をして、

バイトを辞めて、

距離を置いて、

15年を生きてきたのに。


どうして今になって、

また光ってしまうんだろう。

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