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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第78章

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結衣からのDM

仕事を終えて家に戻ると、スマホが震えた。

画面には「結衣」の名前。

胸の奥が、わずかにざわつく。


開くのをためらった。

ずっと続く揺れが、まだ身体のどこかに残っている。

でも、結衣の優しさを知っているから、そっと画面をスワイプした。


最初は他愛ない話だった。

店のこと、常連さんのこと、今日の天気。

その軽さに、葵の心が少しだけ緩む。


その瞬間だった。


『そういえば!店長、リール撮ってましたよ。

いつもと違う場所なんですけど

東京の居酒屋「 (あかり)」 で』


指先が止まった。

呼吸が浅くなる。


(……店長)


胸の奥が、静かに軋んだ。

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