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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第9章

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変化

治療が始まると、家の中の空気は少しずつ変わっていった。


美咲は髪を結ぶ手が震えるようになり、

料理を作るときに息が上がるようになった。


「ごめんね、大和さん。

最近、すぐ疲れちゃって」


「謝るなよ。俺がやるから」


大和は家事を引き受け、

仕事の合間に病院へ付き添った。


夜、ソファに座る美咲の肩に毛布をかけると、

彼女は小さくつぶやいた。


「……私、ちゃんと治るかな」


「治る。絶対に治る」


大和はそう言いながら、

心の奥で押し寄せる不安を必死に押し殺した。

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